2024年5月17日
ISU選手権を戦う選手たちの顔ぶれが決定!

世界選手権ほか国際大会派遣選手発表

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選考委員会によって各大会の代表選手が決定・発表されたあと、日本スケート連盟の竹内洋輔強化部長より選考過程についての説明が行われた。

◎世界選手権

最も重要なこととして、アイスダンスが「保留」となった件については、各選手の競技力が拮抗しているなか、リズムダンス、フリーダンス、最終結果でトップだった組がそれぞれ異なるという結果になりました。選考委員会で議論を重ねたうえ、現状の選考基準では保留とし、1月24日の(連盟)理事会で新たな選考方法について提案・審議を行うことになりました。

男子は、1枠目は優勝の宇野昌磨選手。次いで鍵山優真選手、山本草太選手、三浦佳生選手、佐藤駿選手が挙がったなかから、強化部及びフィギュア委員会の議論の結果、鍵山選手が2枠目に決定。3枠目は、ワールドスタンディング、シーズンワールドランキング、2試合以上の総合得点の平均の上位3名という選考基準に照らして、競技力の高さから三浦選手を選考というかたちになりました。補欠には山本選手が1番手、佐藤選手が2番手、友野一希選手が3番手と続きます。

女子は、1枠目は優勝の坂本花織選手。島田麻央選手は年齢が満たない選考外となり、選考項目のなかから、全日本で競技力を示した千葉百音選手が2枠目となりました。3枠目は、議論の結果、吉田陽菜選手が得点の平均点など競技力が非常に高いため、正選手に選考しました。三原舞依選手に関しては、今大会で競技力を示しましたが、残念ながら選考には至らず補欠の1番手。次に渡辺倫果選手が2番手、住吉りをん選手が3番手です。

ペアは、そもそもミニマムスコアを獲得している選手が三浦璃来&木原龍一組しかおりません。救済措置である過去の世界選手権で3位以内という項目に関して、状況を見据えて選考するという項目があるので、正選手の1組目に。長岡柚奈&森口澄士組は現在ミニマムスコアを保持していませんので、1月末に行われるバヴァリアン・トロフィーで取得した場合に、世界選手権の2枠目に選考するという形で選出しました。

◎世界ジュニア選手権

男子は全日本ジュニア優勝者の中村俊介選手が決定していました。残りの選手のなかで、総合的に見た結果、中田璃士選手を正選手の2枠目に、そして今回の全日本での競技力を見て、垣内珀琉選手を3枠目に選考しました。周藤集選手は残念ながら骨折のため間に合わないとういことで、選考から外れています。補欠1番手は蛯原大弥選手、2番手に田内誠悟選手です。

女子は島田麻央選手が全日本ジュニア優勝で選考基準を満たしていました。2人目は今大会でも素晴らしい競技力を見せた上薗恋奈選手。3枠目は非常に議論がなされましたが、全日本ジュニア2位と競技力を示した櫛田育良選手を選考しました。補欠の1番手に髙木謠選手、2番手に柴山歩選手です。

ペア、アイスダンスについては、全日本ジュニアの時点でペア清水咲衣&本田ルーカス剛史組、アイスダンス岸本彩良&田村篤彦組が選考されています。清水&本田組と、アイスダンス補欠の山下&永田組もミニマムスコアの取得が条件になっています。

◎四大陸選手権

男子は世界選手権の選考も踏まえ、1枠目に鍵山選手、2枠目に山本選手、3枠目に佐藤選手というかたちになります。鍵山選手は昨シーズン怪我による欠場で、世界ランキング、ワールドスタンディングのポイントを上げていかなければならない状況を踏まえ、選手の1番目に選考しました。山本選手、佐藤選手の競技力は昨日までの競技で十分に示されたと思います。補欠1番手に友野選手、2番手に壷井達也選手、3番手に吉岡希選手です。宇野選手については四大陸を希望していないという回答のもと、この選考になっています。

女子は、坂本選手が希望しなかったため対象外、またジュニア選手、ミニマムが間に合わない選手も対象外です。その結果、千葉選手が1人目、三原選手が2人目、渡辺選手が3人目の正選手。補欠1番手に吉田選手、2番手に青木祐奈選手、3番手に住吉選手を選考しました。こちらも千葉選手が世界選手権にむけてさまざまなところで競技力を示していく必要があるということで選考しています。

ペアに関しては先ほどの救済措置にのっとり三浦&木原組。アイスダンスは、全日本の1位から3位である小松原組、田中&西山組、吉田&森田組を正選手として選考し、補欠はおりません。

◎質疑応答要旨

―― ミニマムスコア取得は1月のバヴァリアン・トロフィーだけが対象?

竹内 それ以外で連盟の派遣計画にある大会についてはチャンスがありますが、ミニマムスコアを取る大会としてバヴァリアンを指定している形です。

―― 世界選手権の男子と女子の3枠目について、どのような議論が。

竹内 非常に議論はありましたが、それぞれの選考項目のなかで、おもに平均の得点、総合力に競技力が高いことを重視しました。男子は全日本では山本選手が上でしたが、総合的に選考項目を比較した場合、三浦選手のほうが高いということで推薦しました。女子も、(三原選手は)怪我で選考基準を満たせなかったことは重々承知していますが、得点や順位で競技力を見た場合、吉田選手を選考しました。

―― 四大陸について。三浦選手は希望しなかった?

竹内 希望はしています。が、今回も非常に競技力が高い中で接戦となっており、今後2年は、ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けてそれぞれの選手を強化していくなか、世界選手権、四大陸選手権でランキングやポイントを上げていってもらいたいというところを戦略的に分けた結果です。女子も、最後にオリンピックのメダルを獲っていくのにあたり、さまざまな選手に可能性があるということで、選手を分散させているところはあります。

―― ペアの三浦&木原組については。

竹内 治療状況について把握しており、四大陸の時点では回復すると、ブルーノ・マルコットコーチ、本人からも確認のうえで選考しています。

―― 新しい試みとして、(グランプリファイナル終了時点=12月10日での)世界選手権代表の選考対象選手などを事前に公表するということを今回やったわけですが。

竹内 今後またコーチや選手にもヒアリングをしていきたい。ただ、選手が何に向かって頑張っていけばいいのかが明示されたうえで全日本に臨むことができたということでは、比較的ポジティブな反応だったと思います。

―― 選手への選考結果の説明はどのように。

竹内 いま(深夜)発表したばかりで、選手には連盟ホームページに載せたことを対象になる選手たちにメールで連絡しました。明日(25日)、メダリストオンアイスの際に、各選手とコミュニケーションを取っていきたいと思っています。選手がどのタイミングで会場に来るかということもあるので、代表会見前に説明できるかは言い切れないですが、明日コミュニケーションをとっていくつもりです。

―― いちばん議論が白熱したのは。

竹内 アイスダンスの保留です。過去に例がない事例になります。今日は保留というところまでしか決まっていませんが、今後連盟内でも議論し、適時適切にコーチと選手に伝えていきたいと思っています。

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