羽生結弦が製作総指揮を務めるYuzuru Hanyu ICE STORY 3rd「Echoes of Life」TOURが12月7日、羽生の30歳の誕生日にあたる日に、さいたまスーパーアリーナで開幕した。
「GIFT」「RE_PRAY」に続き、第3弾を迎えるICE STORY。羽生は今回、文明が滅びたあとの近未来ディストピアSF的な世界観から出発し、「生きることとは」「わたしとは何か」「運命とは」と、哲学的な問いをいくつも重ねていく。磨き抜かれた多彩なプログラムと映像で描かれる世界観、そして羽生自身も担当するナレーションで語られるストーリー。なかでも、第1幕の終盤、ピアノのクラシック曲を5曲連ねて、高邁でありつつも変化に富んだパッセージを滑り、その最後に「バラード第1番」を全曲滑るというボリュームのあるプログラムは、現在の羽生が到達したスケートと芸術、そして哲学を結晶化させる美しいモーメントを作り出した。
公演の最後には、満場のファンが歌う「ハッピーバースデートゥーユー」をはじめ、誕生日のお祝いを一身に受けて、Tシャツ姿で「Let Me Entertain You」「阿修羅ちゃん」「SEIMEI」を披露した羽生。最後は「私は最強」にのって、充実感あふれる笑顔でリンクを周回した。次ページでは終演後に行われたインタビューを全文お届けします。