2024年10月15日
さいたま世界選手権を楽しむ! 期待のチーム日本プレビュー

世界チャンピオン宇野昌磨のスケート哲学【前編】

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さいたまで開催される世界選手権もいよいよ開幕目前!せっかく地元にやってきたシーズン最大の祭典をよりいっそう楽しむべく、日本代表選手たちの活躍を振り返りながら大会での注目ポイントをご紹介します。今回は、日本初の連覇をかけて戦う現・世界チャンピオンの宇野昌磨選手です!今シーズンここまで全勝の活躍はもちろん、ロジカルな思考や率直な言葉でも自身のアスリート道を体現する宇野選手。取材時の言葉をもとに思考を紐解きながら、世界選手権での活躍を展望していきます。

後編はこちら>>世界チャンピオン宇野昌磨のスケート哲学【後編】

心躍るクワド・ゴッドとの再会

昨年3月、フランス・モンペリエの世界選手権で初優勝した宇野昌磨は、10月のジャパンオープンで世界王者として初めてのシーズンをスタートさせた。北京オリンピックが終わり、新たなサイクルが始まるシーズンとあり、選手の顔触れやルールにも新味が加わる。ジャパンオープンでは、さっそく心躍る出来事があった。

9月のUSインターナショナル・クラシックで4回転アクセルを史上初めて成功させた“クワド・ゴッド”ことイリア・マリニンとの再会だ。当時17歳のマリニンは、ジャパンオープンの公式練習で全6種類計7本の4回転を入れた、現在考え得るジャンプ構成としてはほぼ最高難度ともいえるフリーを滑り切って、選手や取材陣など周囲を驚かせていた。宇野もまた衝撃を受けた1人だった。

「アクセルに関しては、ぼくはたぶんできないなとちょっと思っているので、すごいなって単純に見る側の気持ちになるんですが、それ以外の自分もやっていることを、ぼくより高い確率、高いクオリティでやっている姿を見たときに、すごい刺激を受けましたね。まだ前日練習で、ジャパンオープンは始まっていないですけれども、すごく出られてよかったなって。今シーズン、自分が何を目指すべきかというのが、そこに目標があった気がして、なんかうれしかったですし、また今年も1年がんばれそうだなと思えて安心しました」

2022年ジャパンオープン前日公式練習後の共同インタビューより

オリンピック・メダルや世界タイトルを手にしてもなお、結果よりも自身のなかにある「成長したい」という上昇志向こそがモチベーションとなる宇野昌磨。ジュニア時代から切磋琢磨し、目標の1人ともしてきたオリンピック・チャンピオンのネイサン・チェン、背中を追い続けた先輩の羽生結弦が競技シーズンを離れるなか、高い技術を持つマリニンの存在は、かつての同志たちがそうであったように宇野のアスリート心を弾ませた。

「マリニンくんのいまの状態を見たときに、再びなんか――“やはり現れるんだな”と思いました」

プロフィール
うの・しょうま 1997年12月17日、名古屋生まれ。2022年世界選手権優勝、北京オリンピック個人・団体ともに銅メダル。2019年四大陸選手権優勝。2018年平昌オリンピック銀メダル。5歳のときに同郷の浅田真央からスカウトされてスケートを始めたエピソードも有名。
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