2024年5月1日
衣装デザイナーの伊藤聡美さんに、様々な衣装の製作秘話をお聞きしました

コスチューム・ワールド~第1回・伊藤聡美~【前編】

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フィギュアスケートの衣装を手掛けるデザイナーの方々にお話をうかがう新連載が「ワールド・フィギュアスケート 97号」でスタートしました。第1回は国内外の数多くのスケーターの競技用衣装から、アイスショーの衣装まで幅広く製作する伊藤聡美さん。これまでの10年間で生まれたさまざまなエピソードや、将来実現したいこと、フィギュアスケートの現状に向ける熱い思いなどを聞きました。

本誌では、衣装写真やデザイン画、浅田真央さんのアイスショー「BEYOND」や羽生結弦さんの「プロローグ」の衣装秘話、伊藤さんがこれから挑戦したいことなどのエピソードもご紹介していますので、ぜひご覧ください。この記事では、本誌から一部のエピソードをピックアップしてご紹介します!

—— フィギュアスケートの衣装製作を始められてから10周年になるのですね。改めてフィギュアスケートの衣装を製作するようになったきっかけをお話しいただけますか。

伊藤 もともと浅田真央さんのファンで、真央さんの演技を見てフィギュアスケートという競技に興味を持ちました。そのときはまだそんなにフィギュアの衣装を作りたいとは思っていなくて、本当にただの浅田真央さんのファンだったんですけれども。イギリス留学から日本に帰国する折になって、何をしようかな? と考えたときに、こんなに真央さんのことが好きならフィギュアの衣装をやろうかなというふうに思ったのがきっかけですね。メーカーに勤めていた頃に、今井遥さんの衣装を作ったのが最初です。

ーー 羽生結弦さんの衣装も手掛けていらっしゃいますが、「SEIMEI」だけでも何着も作られていますよね。

羽生結弦「SEIMEI」2020年世界選手権 ©Japan Sports

伊藤 パターンが同じでも作るのは難しいんです。基本は1プログラムにつき1着と思って作っているので、「同じプログラムのものを」と依頼をいただくのはじつは予想外で。やっぱりパターンがあっても、前と同じような形にならなかったり、使っている生地をちょっと変えるだけで「あれ、なんか前のサイズとフィット感が違う」というふうになったりとか。「SEIMEI」はとくにそういう直しが多かったですね。

プロフィール
伊藤聡美(いとう さとみ) 高校から服飾を学び始め、エスモードジャポンを卒業したのちにイギリスの芸術大学へ留学。帰国後はパフォーミングアーツの衣装などを手掛けるメーカーに勤務し、2015年に独立。以後、数々のトップスケーターの衣装を手掛ける。今季は「BEYOND」「プロローグ」といったアイスショーの衣装製作にも携わっている。
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