すべてを兼ねそなえた氷上のプリンス
そんな“すべてを兼ね備えている”彼を語るうえで欠かせない魅力の1つが、やはり表現力だろう。10歳でフィギュアスケートを始めるまでは、クラシック・バレエを習っていたこともあり、身のこなしはスマートで気品が漂う。
これまでは、北京オリンピックで見せたエモーショナルな「トゥーランドット」をはじめ、観客をお城へ招き入れるところから始まる「シンデレラ」、若々しくスタイリッシュな「ロミオとジュリエット」など、ドラマティックな演目や、ストリングス、タンゴといったクラシカルなダンスナンバーを得意としてきた。
ところが、今季のジュンファンは一味違う。ショートプログラムには「マイケル・ジャクソン・メドレー」を採用、フリーは「007」でジェームズ・ボンドを演じる。
「北京オリンピックが終わって、とにかくアーティスティックな面でまったく新しいことをやってみたかった。これまでのぼくができたことは、いまのぼくにもできること。だけど、いまの自分の感性を伸ばすよりも、新しいことに手を伸ばしてみたくなったんです」
「ワールド・フィギュアスケート97号」インタビューより