2024年11月23日
21年の競技生活に幕を下ろし、新たなステージへ!

宇野昌磨、引退会見「今後も楽しんで応援してほしい」

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5月14日、宇野昌磨選手がミッドタウン日比谷のLEXUS MEETSで引退会見に臨みました。9日に自身のSNSを通して2023-2024シーズン限りでの現役引退を発表し、今回、所属するトヨタ自動車のYoutubeチャンネル「トヨタイムズスポーツ」の生配信内で会見を行い、ファンやメディアへ改めて報告しました。

日本勢最多となる3つのオリンピック・メダル、日本男子初の世界選手権連覇、全日本選手権4連覇を含む6度の優勝など、選手として数々の実績をあげてきた宇野選手。輝かしい成績だけでなく、ライバルや仲間たちと熱く切磋琢磨する姿からスポーツとしてのおもしろさを、豊かな音楽性や磨き上げたアーティスティックな演技からフィギュアスケートそのものの魅力を伝えてくれました。同時に、その時々の心を率直な言葉にしてきた宇野選手が、区切りの場で語った思いを全文お届けします。

フィギュアスケートとの出会いに感謝

トヨタイムズスポーツキャスターの森田京之介さんに招き入れられた宇野は、「この度、私は現役フィギュアスケート選手を引退することとなりました。今日まで応援してくださったみなさん、本当にとても感謝していますし、また今後もプロとしてですけれども、スケートという道を続けていくことに変わりはないので、引き続き応援していただけるとうれしいかなと思います。みなさん、ありがとうございました」と、あいさつ。その後は、森田キャスターの進行のもとで引退を決めた気持ちや、シーズンの振り返りなどトークを展開した。

引退を決め、報告をしたいまの率直な気持ちについて。

「まず、この場に入ったときに、よくお世話になっている方々もたくさんいるので、その方たちが笑顔な姿を見て、ぼくはすごくうれしかったですし、またこの引退会見という場に、これだけたくさんの方が集まってくれたことに、今日までフィギアスケートを競技としてがんばってきて、自分の道が表れているような感じもします。またこれだけのたくさんの方に支えられてきたんだなと実感しております」

5月9日に自身のSNSで引退を発表した後の反響について。

「SNSにはだいぶ疎いほうなんですけど、たくさんのメッセージ、本当にありがたく受け取っています。ぼくも引退という場を、あまり悲しいというよりも、すごく前向きな気持ちで、そしてまだまだこれからもスケートを続けていくという意味でも、全然悲しい気持ちはないので。もちろん悲しいと思っていただける方は、その声もうれしいとは思うんですけれども、次に向かってまたスケートを全力でがんばりますという気持ちも込めての発表でもありますので、今後とも楽しく応援していただけるといいかなと思っています」

実際、先輩や後輩、いろんな方からメッセージが届いたようだが。

「本当にみなさん温かいなと思っています。今回、この場もですけれども、いままでもメディアのみなさんにも、本当に自分の言葉で、自分の好きなように喋って、そして先輩後輩の方たちにも、全然気遣いとか先輩らしいことができてないときもたくさんあったと思うんですけれども、みんな本当にいい子で、そしていい先輩で。ぼくよりもしっかりしている後輩もたくさんいるので、これからのフィギュアスケート界もすごく楽しみだなと思っています」

また、国際スケート連盟の会長からもメッセージも届いた。

親愛なるショウマへ、素晴らしい現役生活を送られたことにお祝い申し上げます。世界中のファンに感動を与え続けて下さり、ありがとうございました。今後のさらなるご活躍を願っています。

国際スケート連盟会長キム・ジェヨル

「ありがとうございます」

世界を沸かせたニュースだと思うが。

「そんな沸かせたなんて思ってないんですけれども。でも、それだけたくさんの方がフィギアスケートに注目してくださって、そしてぼくを応援してくださっていたんだなと思っています。本当にこのフィギュアスケートで繋がれた、すべての出会えた人たちにとても感謝しているとともに、これからぼくが少しでもサポートできる部分があればいいなと思っているところです」

全日本選手権では、2016年からの4連覇含む6回の優勝。そしてオリンピックでは初出場の平昌で銀メダル。さらに2度目の北京ではシングルで銅メダルと団体で銀メダルを獲得して合計3つのオリンピックメダルを獲得。さらに世界選手権では2022年、2023年と連覇を果たした。輝かしい成績を残したことについて。

「まさか、ぼくがこういう選手になれると思ってなかったですし、まさか人前で、こうやって喋れる人間になれるとも思ってなかったので、もう本当にフィギュアスケートと出会えて、すごく感謝とともに驚きのことばかりですね。まさかテレビで見ていたオリンピックの舞台とか、まさかそこでいい成績を残せるとは思ってませんでしたし。また世界選手権で優勝する選手になれると、本当に3、4年前まで思っていなかったので、このフィギュアスケートとの出会いというのは、すごく感慨深いものだなと思います」

ここまでになれた理由について。

「やっぱりぼくは本当に周りの方々に、出会う人たちに恵まれたなってすごく思っています。ぼく自身では自発的に何かやることもあんまりないですし、すごくインドアですし。努力家って言っていただけるのはうれしいんですけれども、そんなことも別にないので。本当に周りの方が、ぼくが好きなようにのびのびとやれるようにサポートしてくださって、ぼくの全力がしっかり出せた結果が、この素晴らしい結果に繋がったかなと思いますし。ついこの前まで、現役の時は課題を探して発言していましたけれども、ぱっと振り返って後ろを振り向いてみると、本当にすごい道を歩いてきたなと、いまは実感しております」

シーズンが始まる前、昨年9月のトヨタイムズのインタビューが流れる。

小さいとき、ぼくが憧れたフィギュアスケートがいったいどんなものだったか。ぼくは高橋大輔さんのスケートを見て、フィギュアスケートをやりたいと思った。もちろんジャンプの難易度が上がるのは本当に素晴らしいことだと思うんですけれども、やっぱり両方があってこそのフィギュアスケート。いまぼくがこういう結果を残せたからこそ、自分がやりたいスケートを目指したいと思っている。残りのスケート人生を懸けて、いちばん最初にやりたいと思ったことを、いまだからこそ体現したい。点数になりにくい部分を一生懸命練習して、そこは自己満足の世界なので。でもその先に果たしてフィギュアスケートに何が起こるのかは見てみたい。ぼくの取り組んだものが、フィギュアスケートにおいていいものになればいいなと思っています。

宇野昌磨(2023年シーズン前)

シーズンが始まるときの思いを振り返ってみてどうか。

「いや、すごく意識高いなって思います。いまとなっては。引退してまだ間もないんですけど、もう『彼はよくやったな』ってぼくは思います」

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