高橋大輔「スケートの楽しさを体感してもらえればうれしい」
—— 「オーヴィジョンアイスアリーナ福岡」の印象というのはいかがですか。
高橋 ぼくはこの会場で「ICE EXPLOSION」(2023年5月)、「滑走屋」(2024年2月)とアイスショーをやらせていただいたんですけども、両方とも、ぼくにとってすごく新しい挑戦でした。自分にとって、これからのスタートをいっしょに過ごすことができた土地。オーヴィジョンアイスアリーナもリニューアルされて、そのタイミングで新しいことに挑戦したということで、すごく思い出深い場所ですね。
—— このあとスケート教室に参加する地域の小学生のみなさんにはどんなことを伝えたいですか。
高橋 これから参加される子には、スケートの楽しさっていうものを体感してもらえればうれしい。厳しくというよりは楽しく、滑ることの楽しさを感じてもらえたらなと思います。
—— 今回はスケート教室で技術を指導されますが、表現についてなにかアドバイスは?
高橋 表現のアドバイス……ぼくもね、それはずっと一生迷ってるというか、模索してるところではあるんですけども。でも最終的には自分自身も楽しむことができないと、やっぱり人に届けるっていうことはできないと思うので。いちばんは自分がこの曲をどれだけ楽しんで、感じて、それをどうみなさんに伝えるかっていうところはすごく大事にしてる。やはり難しいところにとらわれて見せることができないこともあるが、何回も何回もチャレンジして、自分の体に落とし込んで、今度はそれをどう解釈してどう楽しむかとかっていうところを考えていけば、自ずと見せられるんじゃないかな。でもそれは1つの正解であって、いろんな見せ方があるかなと思います。
―― 友野一希選手たちも一緒に指導を務めるわけですけれども、現役選手が子どもたちを指導することは、選手たちにとってもプラスになりますか。
高橋 そうですね。ぼくもけっこう言葉で伝えるにあたって、そのまえに自分のなかでどう感じてるかっていうのを整理しなきゃ伝えられないので。無意識でやっているところをすごく逆に意識的に感じられたりとかするので。それはスケーティングテクニックであったとしても、ジャンプであったとしても、新たな気づきがけっこうあります。
—— 九州という暑い地域でアイスリンクも少ないなかで、スケートを盛り上げていくにあたって今日っていうのはすごく大事な一日だと思いますが。
高橋 個人的には福岡大好きなので、住みたいぐらい好きなんですけど。(笑)やっぱりフィギュアスケートに触れるっていう機会があまり多くはない土地ではあるので、少しでもたくさんの方にっていうのはまだまだ難しいとは思うんですけど、興味を持っていただく方々にスケートのすばらしさであったりとか、面白さであったりとかが少しでも伝えることができれば。口コミで広がっていったりとかあると思いますし。本当に今日来てよかったなって思ってもらえるように過ごしてもらえたらいいなと思いますね。
—— 6月にはアイスショー「氷艶」(6月8~11日、横浜アリーナ)に出演されますが、いまどのように準備されていますか。
高橋 明日から新潟のほうに入ってみっちり稽古が始まるんですけど。今週はみんなで台本を読みあったりとか、全体的な流れが見えてきて、なかなか大変なことになりそうだなっていうのがあるんですけど。今回台詞も少し多いですし、歌もあったりとか。今日一緒にやった一希くんと、現役選手もけっこう今回出ます。アンサンブルのスケーターも、いままで「氷艶」に出たことのない方たちもいるので、すごく新しい空気があるなかで、どういうものになっていくのかなっていう楽しみはありますね。
—— 自信のほどは?
高橋 自信ですか? 自信はね、「あります!」って言わなきゃいけないんですけど、本当にけっこう内容量多くて。でもね、本番までにはみっちり仕上げていきますけど、いまはまだ不安のほうが多いですね。まあやっていけるとは思ってるんですけど、どこまで上げれるかっていうところがある。この間本読みとかしても、やっぱちょっとヤバいなみたいなところがあったりとかするので、それがどれだけナチュラルにできるかとか、自分らしくできるかとか、それはいろいろやっていくなかで時間をかけて落とし込んでいけるとは思うので、本番は大丈夫だと思います。
—— 「滑走屋」のときも、ゲネプロのときは大変そうでしたけど、本番では見違えるようにすばらしいパフォーマンスをされていましたね。
高橋 それを信じてがんばります。大丈夫だと思います。
—— どうもありがとうございました。