―― 先ほどダニエル・グラッスル選手にインタビューしたばかりなのですが、振付作業が素晴らしい経験だったと話していました。
ジェイソン 本当に!? それはものすごくうれしいな。
―― 一緒に仕事をして、彼のどんなところが素敵だと感じましたか。
ジェイソン ダニエルが素晴らしいのは、大きなハートを持って感情で音楽と繋がれるところです。いろんな感情、あらゆる要素を持っていて、いまは試合のなかでそれを理解してものにしようとしているところ。テクニカルな部分に関しては、彼が素晴らしいことは否定しようがないからね。音楽を感じる力が高いので、それを表に出していきつつ、いろんなスタイルに慣れて楽しもうとしている。彼との仕事は最高だったし、ぼく自身も新しいことに挑戦できてうれしく思います。それに、彼のボディラインはベストだよね。
彼と仕事をするうえで、ぼくが目標にしていたのは、彼のヒットゾーンを少しずつ広げながらも、得意なところを見せていくことでした。今回のスケートアメリカでは彼が表情で演技するところ、愛と情熱に満ちて滑っている姿が見られたと思います。ぼくが求めるのは、氷の上で幸せであってほしいということ、自分の愛すること、大好きな演技をしてほしいということだけ。その姿を見られるのがうれしいんです。彼の今シーズンの成長が待ちきれないです。ずっと応援しています。
―― 男子SPのあとの会見では、当日の10月21日が誕生日だったチャ・ジュンファン選手へ、ブライアン・オーサーコーチとサプライズでお祝いしていました。あれはどなたの発案だったんですか。
ジェイソン あれはぼくのアイディアです。彼の誕生日だと気づいた瞬間に「オーマイガー! 彼にケーキを持っていかなくちゃ。サプライズやるでしょ!」って。それでケーキを買いに行って、会見の間は冷蔵庫で冷やしてもらっていました。(笑) とてもスペシャルな出来事でした。彼がぼくのホームへ来ているわけだから、歓迎したいし、サポートしたい。彼に自分はありのままで愛されているんだと感じてもらいたかった。なんといっても素敵な人だから。そんな彼が21歳になるのに、お祝いしないわけにはいかないですよね。
(2022年10月23日、スケートアメリカ最終日に取材)
取材・文:編集部 Text by World Figure Skating
さらに、ジェイソン選手のプログラムに憧れて同じ振付師のロヒーン・ウォードさんのプログラムを滑る坂本花織選手についてや、競技シーズンに対する当時の思いも語ってくれたフルバージョンのインタビューは、「ワールド・フィギュアスケート96号」に掲載しています。ぜひ、本誌でもたっぷりとお楽しみください!