2026年5月23日
宇野昌磨アイスショー「Colantotte Presents Ice Brave-A TURNING SEASON-」が7~8月開催

宇野昌磨、アイスダンスへの思いを語る

spot_img

宇野昌磨さんが5月9日、都内で「コラントッテ×フィギュアスケーターズ応援キャンペーン2026~夢をつなぐ~特別トークイベント」に参加し、6人の仲間のスケーター、500人のファンとともに楽しいひとときを過ごしました。大盛り上がりのイベント終了後、単独インタビューで、昨年から自身のアイスショー「Ice Brave」で取り組むアイスダンスへの思いについて語りました。(トークイベントの模様は、別途レポートします)

最高峰を一度見てみたかった

2025年6月、自身初プロデュースのアイスショー「Ice Brave」をスタートさせた宇野昌磨。90分間ノンストップ、スイスの至宝ステファン・ランビエルをはじめ、スケーター仲間と作り上げる音楽ライブのような熱気に満ちたアイスショーは、観客たちに大きな衝撃を与えた。2026年夏、新たなシーズンに届けるのは、宇野と本田真凜によるアイスダンスプログラムを軸においた新プロダクション、Colantotte Presents 宇野昌磨アイスショー「Ice Brave-A TURNING SEASON-」。今春、世界のトップアイスダンサーがしのぎを削るアイスダンスのメッカ、「アイスダンス・アカデミー・オブ・モントリオール」を訪れた宇野に、アイスダンスへの思いを聞いた。

―― 宇野さんは昨年アイスショーでアイスダンスを披露されました。今年、モントリオールのアイスダンスの殿堂で練習されたそうですが、どんな気づきがありましたか。
宇野 本当に1分1分の積み重ねなんだなというのをすごく感じました。たとえばシングルで新しい演目を作るときって、全体を(通して)作って、少なくても前半と後半に分けてやるのが主流なんですけど、アイスダンスって、もう4秒とかを毎日ずっとやるんですね。というのが、どれだけ慣れた人たちでも、やっぱり1人ではないから、2人でやるものだから、どれだけ巧くてもぶつかってしまったりとか、もうちょっとここは離さなきゃいけないとか、そういうのが生まれてくるから、本当に数秒をずっと何回も何回もやる。何回もやってもやっぱりズレが出るから、ここをこうしようってなって、それで1日が終わっている――というのを、どんなトップ選手でもやっているんだなという印象をすごく受けました。
―― 宇野さんと本田真凜さんがやってきて、モントリオールの先生方も驚かれたのではないですか。
宇野 いや、めっちゃ普通ですよ。普通です。特別扱いとか、珍しいものを見るとかいうのではなくて、本当に何も大きなリアクションはなく、普通に始まる感じでした。
―― モントリオールには何を求めて行かれたのですか。
宇野 アイスダンスをやっていくうえで、最高峰を一度見てみたかったというのと、やっぱり試合でのみなさんしか見ていないので、日々どんな練習をしているのか、ぼくたちが練習をしていくうえでどういう練習をするのがいちばん大事なのかとか。もちろんシングルで培ってきたものも生かせるとは思うんですけど、そういうのも知見の1つとして、行くことで見たりとか、あとコーチたちがどういう教えをしているかとか、新しい知識というか。アイスダンスはけっこう自由なところが多いので、技とかも一応「リフト」とはありますけど、どんなリフトをやってもよくて、規定を満たせばレベル4をとれるという感じなので、どんなアイディアがあるんだろうなみたいな感じでいろいろ見ていましたし、みんながすごいところに入ることで自分たちも大きく成長できるんじゃないかなと思いました。
―― モントリオールでは、いろいろな先生方がスケーターたちを支えているんですよね。
宇野 そうですね。完全にアカデミーみたいな感じなので。日本でもいま何個かあると思うんですけど、バレエの先生、ヒップホップの振付の先生、リフトの先生……でも全員がスケートを経験しているか、スケートを経験していなかったとしても何十年とそこでコーチをしているからスケートのことはちゃんとわかるし、スケートではこれはこうでと説明しなくても、スケートではもうちょっと遠心力あるからこれがやりやすいと、逆に教えてもらいました。

– AD –

1人ではない良さもありますけど、1人ではない難しさもある

―― アイスダンスの選手は毎シーズンいろんな曲でプログラムを作っていますが、アイスダンスに実際に取り組んでみて、ダンスそのもののとらえ方は変わりましたか。
宇野 めっちゃ変わりました。ぼくは曲を、意味をもってやるってあまりなかったですし、アイスダンスはジャンプもないし、わりと失敗が少ないという――本当に初心者みたいなことを言うと、そういう印象を昔は持っていたんですけど、いざやってみるとほんっとうに難しいんだなと。でも、この難しさってまじで伝わらないんだなというのをすごく感じて。トップの人たちは、難しいものさえも簡単なようにやるから。フィギュアスケートって、ジャンプでもそうですけど、難しいものをよりきれいに、滑らかに、簡単そうに見せるのがよしとされるものだと思うんですけど、そのなかでもジャンプはわかりやすく難しそうじゃないですか。でもアイスダンスにはそういう一面がなくて、もちろんシングルのほうが(自分の歴が)長いというのはありますけど、それでもやっぱりアイスダンスって1人ではない良さもありますけど、1人ではない難しさもある。自分のコンディションは自分だけじゃなく、2人でちゃんと共有して調整しなければいけないとか、本当に“ちゃんと”練習通りを本番でやらなければいけないというのが。みなさんはきっと、試合という緊張する場で、絶対に人間だからいつもより動かないとか、逆に動いてしまう瞬間ってあると思うんですけど、それが1つもどの動きも許されない。シングルは、たとえジャンプが動いても成功に導ければいいし、つなぎも、体力がなくても、逆にめっちゃ動きすぎても、べつに自分がなんとかすればどうにかなるんですけど、それがまったく許されないんだなというのは、やってみて思いました。
―― すごく緻密な世界ですよね。
宇野 そうですね。脚を出す方向さえもちゃんと気をつけないとぶつかるし、でも近くないといけないし、やっぱり同じ角度に出したほうがきれいだし、とか。だから、本当に最初に言った4秒とか5秒とか、ずっと同じ場所を繰り返すというのは、アイスダンサーの人たちは氷に乗っている時間が長いなという昔からの印象だったんですけど、それは必然でもあるんだなと思った。シングルは自分が成長し続ければよくて、本当に自己流でよくて。だからみんな、いろんな跳び方を各々するし、人それぞれの個性があると思うんですけど、2人で1つの個性にしなければいけないから、いいところ、悪いところをちゃんとお互い補って、認知してやっていかなきゃいけないなというのが、1から2になるだけでこれだけ大変なことなんだというのは気づきました。
―― 宇野さんは、いまゲームの世界でも戦っていらっしゃいますが、アイスダンスにも闘志を燃やしていらっしゃいますよね。
宇野 自分が求めているのかわからないですけれど、どんなときもずっと何かに挑戦しているなと、振り返ると思いますよね。これはどのジャンルだったとしても。スケートもですし、スケートを引退してからの1年でアイスショーに向けてとか、いろいろ場所は変われど、ずっと何かに挑戦する。自分をセーブするんじゃなくて、挑戦し続けることで自分が満足するんだろうなというのは感じました。やっぱり挑戦している姿、本気の姿をみなさんに見せることで、ちょっと安心するというか。それでしかみなさんに姿を見せてこなかったので、何においても本気でやるというのが、みなさんにいいものを届けられているなと感じる瞬間ではあります。

ぼくにとって、ステファンは……

―― ところで、ステファン・ランビエルさんは、宇野さんのショーに出演されたり、逆に宇野さんがランビエルのショーに出演されたりしていますが、あらためて、ランビエルさんはどんな存在ですか。先生なのか、友人なのか、仲間なのか……。
宇野 ぼくは「友人」がいちばん近いかなとは思います。ステファンもぼくを生徒というよりかは、わりと友人というか、リスペクトをすごく感じるんですよ。ぼくのスケートに対する思いとか、練習の仕方とか、人間性を含めてすごく信頼してくれているなと思う瞬間が多くて。ぼくは、発言とかも、ステファンにもこういう感じで接してはいるんですけど、スケートに対する姿勢とか日々の練習を見てくれて、すごく応援してくれているし、自分のやり方を信頼してくれているんだなと、現役のときからすごく感じます。
―― ランビエルさんは、今年でトリノ・オリンピックのメダル、そして日本のアイスショーに初めて出演してから20年になります。超ベテランといっていいショースケーターですが、これからも滑り続けてほしいですよね?
宇野 続けると思いますよ。ステファンはコーチがうまいかどうかは、ぼくにはわからないですけど、正直ね。でも、コーチが好きなんだなと思う瞬間はわかるし、スケートが好きなんだろうし、うん。すごく“いい人”なので。技術がどうかっていうよりも、人間的にすごくいい人なので、ぼくも応援していきたいです。また一緒にいろんなものを作っていきたいなとは思っています。 
―― ありがとうございました。夏のアイスショーを楽しみにしています。

        

= INFORMATION =
Colantotte Presents 宇野昌磨アイスショー「Ice Brave-A TURNING SEASON-」
【愛知公演】7月31日~8月2日/愛・地球博記念公園アイススケート場 【東京公演】8月8、9日、11日/東京辰巳アイスアリーナ 出演:宇野昌磨、本田真凜、本郷理華、吉野晃平(PIW)、中野耀司(PIW)、唐川常人(PIW)、櫛田一樹、佐藤由基(PIW)
- AD -spot_img
- AD -

 関連バックナンバー

アイスショーの世界11 氷上のアート&エンターテインメント

2025年7月に開幕する「氷艶」を巻頭で大特集。高...

ワールド・フィギュアスケート No.99

開幕した2023-2024のグランプリシリーズを巻...

関連記事

- AD -spot_img
spot_img

最新記事

最新刊

error: