神戸市内で唯一の通年型アイススケートリンク「Sysmex Kobe Ice Campus(シスメックス神戸アイスキャンパス)」が6月20日、オープンしました。シスメックス所属の坂本花織選手、三原舞依選手、壷井達也選手、三宅咲綺選手らがセレモニーに出席し、スペシャルプログラムを披露しました。
セレモニー終了後、坂本花織選手が「もう自分の競技人生は1年を切っている。中途半端に2年とか3年やるよりも、これを切りにしたほうが区切りがいい。次の4年を目指すなら29なので、26になる年でいったん区切りをつけようと思いました」と語り、2025-2026シーズン限りでの引退を初めて明言しました。晴々とした表情で引退を語った坂本選手。この新設リンクでラストシーズンの練習に打ち込み、オリンピックでの目標達成を目指します。
神戸のスケート文化を新たなステージへ
オープニングセレモニーでは、まず主催者挨拶として、一般社団法人神戸スケートの平松純子代表理事が「神戸のスポーツ文化を新たなステージへという理念のもと、スケートを通じて人と人との繋がり、笑顔が広がる社会の実現に貢献してまいりたいと考えております」と語った。
続いて、久元喜造神戸市長が「トップアスリートが練習拠点にされ、神戸市民をはじめ、たくさんの皆さんにスケートを楽しんでいただく拠点になる」とあいさつ。シスメックス株式会社代表取締役会長グループCEO家次恒氏は、「通年使えるリンクが神戸にできたことは大変ありがたい。じつは8年前、坂本さんと三原さんから手紙をいただいた。そこには『神戸には通年のリンクがない。朝早くから西宮に行ったり、移動が大変だ』とあった」と語り、練習環境の改善の必要性を強く感じた日から、今日を迎えられたことに感慨深げな様子だった。

リンクのオープンを記念したテープカットのあと、アジアリーグに西日本から初参戦するアイスホッケーチーム「スターズ神戸」によるアトラクションが行われた。久元神戸市長がパックドロップ、黒澤玲央代表と外崎慶監督によるフェイスオフに続いて、フォワードの根岸一喜選手とゴールキーパーの小野寺正己選手によるペナルティショットのデモンストレーションが行われると、迫力あるプレーに招待客たちの間からどよめきが起こった。
坂本花織、三原舞依、壷井達也、三宅咲綺がスペシャルプログラムを披露
続いて、シスメックス所属のフィギュアスケート選手によるグループ演技。坂本花織選手、三原舞依選手、壷井達也選手、三宅咲綺選手の4人がこの日のために用意したスペシャルプログラムは、Mrs. GREEN APPLEの「Dear」だ。どんなときでも背中を押してくれるような心に染み入る歌詞をかみしめるように、真新しいリンクで4人は舞った。フィギュアスケートを心から楽しんでいること、このリンクが出来た喜びが伝わってくる演技だった。