宇野昌磨さんが初プロデュースするColantotte Presents 宇野昌磨アイスショー「Ice Brave」が6月14日、愛知県の愛・地球博記念公園（モリコロパーク）アイススケート場で幕を開けました。公演の様子を写真と、宇野さんの終演後のコメントとともにご紹介します。
（※本記事では、一部プログラムの曲名や演技について触れています）
“伝説”の師弟デュエット
「Ice Brave」は、宇野昌磨を中心に、本田真凜、本郷理華、櫛田一樹、プリンスアイスワールドチームで活躍する中野耀司、唐川常人、さらに宇野を日本男子初の世界選手権連覇に導いた恩師のステファン・ランビエルがゲストとして出演。
宇野が現役時代に使用した楽曲を主軸に構成されており、オープニングは「Great Spirit」。2018-2019シーズンにシェイリーン・ボーンがEXナンバーとして振付け、2019-2020シーズンから2シーズンに渡ってSPとして使用、アイスショーでも何度も披露しているお馴染みのナンバーだ。観客からの拍手と歓声、ペンライトの光に迎えられ、開幕から会場のボルテージを一気に上げていく。
アップチューンが続く前半、最初のサプライズは、宇野とランビエルの師弟デュエット「Legends」。樋口美穂子が振付けた2015-2016シーズンのSPで、当時17歳の宇野はこのプログラムとともにシニアデビューした。プロとなった宇野と、宇野に選手として最後のピースを授けた恩師。揃いの美しい滑りと音楽センスで、激しくも洗練されたクールなナンバーに仕上げた。
その後も、馴染みのある楽曲を、ストーリーやメンバー、振付や構成を新たにした、懐かしくも新しいプログラムが続いていく。数曲ごとのインターバルにMCパートを挟む、音楽ライブのような構成も新鮮だ。滑り終えてすぐにMCに登場した宇野は、息が上がったまま「いままででいちばんエネルギッシュなショー。声援が力になる瞬間をすごく実感しました」「たくさんの拍手、マジでありがとうございます」と、何度も観客の盛り上がりに感謝を伝えた。
MC中は、6人のメンバーは日本語、ランビエルは英語で会話していたが、宇野が「みなさんが楽しんでくれている拍手や歓声が伝わってきて、すごく力になります」と観客に伝えたあと、ランビエルが「ぼくは日本語はわからないんだけど、きみの意見に全面的に賛成するよ。お客さんからのエネルギーが、滑りや演技、自分のナンバーを最高のNo.1ナンバーとして楽しむことを助けてくれています」と、宇野の意図を汲み取ってトークを展開するなど、滑り以外でも師弟の絆が垣間見える。
そのランビエルは、ソロで2曲を披露した。1曲目は、自身が宇野のために振付けた2022-2023シーズンのSP「Gravity」。そして後半には、宇野が現役最後の2023-2024シーズンのフリーとして使用した宮本賢二振付の「Timelapse」を、情感たっぷりに滑った。
いっぽう、宇野のソロは2016-2017シーズンのフリー「ブエノスアイレス午前零時／ロコへのバラード」。初めて全日本選手権で優勝し、アジア・チャンピオン、世界選手権のメダリストに輝いた飛躍のシーズンを支えたプログラムだ。鍛錬と経験で磨き上げられたいまの宇野昌磨が舞うタンゴ、ぜひ会場で堪能してもらいたい。
本田真凜＆宇野昌磨、アイスダンスに挑戦
過去のプログラムの楽曲が並ぶいっぽうで、宇野は新たな挑戦として2つの新作を披露した。それが、中野耀司、唐川常人、櫛田一樹と滑る「Narco」。ダンサーのKAJ1が振付を担当した“滑る”というより“踊る”プログラムで、4人が音楽とともに氷上で弾ける。
そしてもう1曲が、本田真凜と組んでアイスダンスに挑戦した「Wild Side」だ。ホールドを組み、ツイズルを揃え、ダンススピンやリフトも鮮やかにこなし、2人の持つ華とエレガンスが混ざり合って氷上によく映える。これからへの期待すら抱かせるようなファーストダンスだった。
最後は、2大会連続でオリンピック・メダルを獲得し、世界選手権初優勝を遂げた2021-2022シーズンのフリー「ボレロ」（ランビエル振付）を、6人の仲間たちとともに滑り、「See You Again」（2016-2017シーズンEX／樋口美穂子振付）で再会を約束して幕を閉じた。7人で90分を爽やかに駆け抜けるノンストップショーだった。
「Ice Brave」はこのあと、翌週に福岡、7月には新潟を回る。
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