2024年5月20日
「WFS100号」Plus 四大陸選手権2024選手コメント

鍵山優真「去年、佳生くんと駿の表彰台を見ていいな!と思っていた」

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自信を持って世界選手権に挑みたい

―― 今回のタイトルはカロリーナ・コストナー先生に報告されましたか。
鍵山 演技終わってからすぐに、ローリー(・ニコル)とカロリーナから、おめでとうって連絡が来て。「キスクラの表情がすごくよかったよ」みたいな感じで送られてきました。「そんなに?」と思ったけど、よくよくあとで見返したら、すごい顔をしててびっくりしました。(笑)
―― あれほど驚くのは珍しいのかなと。
鍵山 そんなに自分に期待していなかったというか、200点手前ぐらいかなと思っていたので、200出せて、(合計点で)300も久しぶりに超えられたのですごくうれしかったです。
―― 出し切ったオリンピックのフリー200点、合計300点とはまた違う感じ?
鍵山 演技終わった直後に、フリップ含めてもうちょっとやれたという感触がありましたし、そのなかで200、300出せたことはまた1つ成長できたのかなと思います。1個大技をミスしても、ほかの技術がしっかりと今回できていたと思うので、そういったところはよかったんじゃないかなと思います。
―― 現在の構成で4回転の種類が多い選手たちと並ぶ点数が出せているという点でも、手ごたえや、いい感触もあるのでは?
鍵山 今回、ジャンプ、ステップの評価が、ありがたいことに、すごく高く評価していただけたので、個人的にはジャンプよりもステップシークエンスでいちばん高い評価を得られたのがうれしくて。というのも、今シーズンは表現面やスケーティングの部分を意識しながらやってきたので、そういうところがしっかり点数に出てくれてすごくうれしかったです。


―― 今季からコストナーコーチと表現面、スケーティングに取り組んできて、このタイミングでしっかり点数に表れてきたのは、プラン通りですか?
鍵山 うーん……やっとできたなという感じですね。プログラム自体が非常に難しいので、ジャンプを全部入れたうえで、ステップを全力でやるのはすごく難しいこと。そこには土台として体力も必要ですし、ジャンプも余裕で降りられるような感じにならなければいけないので、本当にやっと自分のやりたい構成で理想のかたちになりつつあるんじゃないかなと思います。
―― 完成させるのは次のワールド?
鍵山 そうですね。来シーズンはプログラムを変えると思うので、ワールドが(今季のプログラムを滑るのは)最後になる。3月はちょっと早くカナダに入って、ローリーのところで最後の仕上げをすると思うので、ぼくの理想のプログラムにできるようにがんばりたいと思います。
―― モントリオールはリンクの大きさが小さいと思うのですが。
鍵山 ぼく、過去にユースオリンピックで(フェンスに)ぶつかっている経験があるので。(笑)そこらへんはちょっと気をつけなければ。ぼくのジャンプはすごくスピードを意識して、幅も大事にしているので、コースの感覚を調整しながらやっていきたいと思います。
―― 3月に入ったらすぐカナダへ?
鍵山 3月頭かな。2週間ぐらいかわからないですけど、時差の関係もあるので。プログラムもワールドでは絶対に完成させなければならないので、しっかりと調整したいと思います。
―― 今回、初タイトルを獲って、一気にもう1個……?
鍵山 いまのところ、ワールドは銀メダル、銀メダル(2021年、2022年)なので、タイトルはもちろん意識しつつ、今大会はすごく勝ちにこだわってやっていたので、変わらず、勝ちを練習のときから大事にしながら、本番も強い気持ちを持って、自信を持ってやりたいと思っています。
―― 今回実践した勝ちを意識した戦い方は、性に合っていると感じましたか。
鍵山 今大会、その気持ちを持ってやったんですけど、すごく燃えますし、今大会もすごく熱い戦いがあったので、なおさら勝ちたいという思いはあった。それでいい演技ができたのでよかったと思います。

バレーボールの西田有志に学ぶ強い気持ち

―― バレーボール、お好きですよね。
鍵山 はい、好きです。
―― パリ・オリンピックに向けて注目選手は?
鍵山 え!? 注目している選手というより、好きな選手は西田(有志)選手なのでがんばってほしいなって。「がんばってほしい」というか、活躍しているところが見たいです。
―― 西田選手は、やはり気迫あふれるプレーが好き?
鍵山 感情豊かなところと、豪快なバレーボールをするところがすごく好きです。一球一球全力でやっているところにすごく心打たれました。
―― 西田選手のプレーを見て、アスリートとして何か生かせるところは?
鍵山 西田選手もつねに調子がいいわけではなくて、調子が悪いときや怪我をしているときもあったと思うんですけど、そういうときも強く気持ちを保っているところがすごいなと思う。ぼくも調子の悪いときはもちろんあるので、そういったときに立ち直れる力はすごくほしいなと思っています。

―― 二十歳になってお酒は?
鍵山 飲んだことないです。まだいいかなと思って。(笑)スケートをやめたら飲むんじゃないですかね。
―― では、お父さまと一緒に祝杯をあげることはない?
鍵山 父は飲みますね。でも、ぼくはいいかなと思って。べつに必要ないと思って。怪我してから健康面にもすごく気を遣っていて、細かいものでも食べるものを注意してやっているので、そういったところを意識しながら、ここから2年後まですごく大事になってくるので、気を抜かずにやっていきたいなと思います。
―― 先週、ユースオリンピックが韓国で行われて、次の世代の選手たちががんばっていました。鍵山選手は2020年大会で優勝されていますが、改めてどんな経験だったのか、また後輩たちへのメッセージをお願いします。
鍵山 すごく貴重な舞台であることには変わりなくて。その舞台をどう感じとるかは人それぞれだと思うので、ぼくはぼくで疑似オリンピック的な感じで。選手村もあったし、選手村のなかでもプログラムがあったりしたので、そういったところが1つ1ついい経験になったのが、よかったのかなと思います。
―― その2年後に実際にオリンピックでメダルを獲りました。
鍵山 でも、やっぱり実際のオリンピックはもっともっとすごくて、選手村も何倍もデカくて。それもまた、新鮮な経験として受け取ったので。振り返ると、1試合1試合すごく楽しかったなと思います。

(2024年2月4日、四大陸選手権男子フリー翌日の共同取材より)


「ワールド・フィギュアスケート100号」では、競技写真や演技を終えたばかりの熱のこもったコメントを掲載しています。さらに、鍵山選手が活躍した全日本選手権、グランプリファイナル、NHK杯も選手の声とともにレポート。ぜひお手に取ってお楽しみください!


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表紙&スペシャル・インタビュー:羽生結弦

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