1月19~21日にダイドードリンコアイスアリーナで開催される「プリンスアイスワールド 2023-2024」東京公演。テーマは昨年4月から5月にかけて行われた横浜公演と同じ「A NEW PROGRESS(新たなる前進)~BROADWAY CLASSICS~」だが、今回は高橋大輔とプリンスアイスワールドチーム男性ラインキャプテンの小林宏一を中心としたナンバー「ロクサーヌのタンゴ」が新たに披露される。1月12日、公演開幕に先駆けて、このナンバーの練習の模様が報道陣に公開された。公開練習終了後には高橋と小林が報道陣の取材に答えた。本記事では、2人のコメントをノーカットでお届けします。
盛り上がること間違いなし
―― 今回初めて高橋大輔さんとプリンスアイスワールドチームが1つのプログラムで共演されておりますけども、どのように思いますか。
高橋 ぼくはずっとプリンスアイスワールドに、単にゲストとして出演させていただいて。そのコラボレーションっていうのは今回初めてなので、そこに対してはすごくワクワクしてますし。今回のナンバーに対して言えば、外から(プリンスアイスワールドチームのナンバーを)見てて、すごく自分も出てみたいなって、純粋に思ってたところにこういうお話をいただいて、本当にすごくうれしく思います。
小林 プリンスアイスワールドに入って私は15年目なんですけども、その15年目で幼馴染の大輔選手とコラボできるっていうのは、本当に初めて聞いたときはすごいうれしくて、今からすごい楽しみで。今回も初めてメンバーと合わせてやったんですけども、今からもうすごい盛り上がること間違いなしということで、非常に楽しみです。
―― 高橋大輔さんのシングルのプログラムである「ロクサーヌのタンゴ」(2005-2006シーズンSP。翌シーズン、EXナンバーに)、今回大勢のチームメンバーと一緒に滑ることになりますけれども、演じていて何か発見などありましたか。
高橋 そうですね。このナンバーはぼく本当に……ぼくは1人でしか滑ったことなかったので。こうやって大人数で、ソロの部分もあるんですけど、見ながらやっていくことで、また全然同じ曲でも違う雰囲気で滑れますし。最後、後半なんかはそうですけど、自分がこう……1人の時は、ただつらいイメージでやってたんですけど……。(今回のコラボナンバーでこの後半は)けっこう疲れる部分なんですけど、めちゃくちゃテンション上がったり、滑ってて自分が見えるところからわーって出てくるところがすごく迫力があるので。観てるお客さんも本当にすごい迫力を感じられるものになると思いますし。なんか自分の中でもそういった部分もあります。(小林のほうを見て)緊張するね。こんな真面目な話、2人でしたことないよね。
小林 はい。あの「ロクサーヌ」といえばもうね……大輔の有名なプログラムなので。そんなナンバーを2人で滑る、PIWのメンバーと一緒に滑るっていうのは、すごい緊張もあるんですけど。それでやっぱり一番盛り上がるところに今回取り組んでいるので、すごい楽しみなのと、緊張と……。足を引っ張らないようにがんばります。
―― 今回プリンスアイスワールドのチームナンバー「ムーラン・ルージュ」の中での初コラボレーションということになっていますが、この演目の見どころをお願いいたします。
高橋 見どころはもう全体的にというか……やっぱり(全部が)見どころではあるとは思うんですけど。今回宏一と2人で、ちょっと短いんですけど絡みがあって。そこがちょっとメンズのね、タンゴ風みたいな。初めての感じで、ぼくも男性役は基本アイスダンスではしてるんですけど、(今回は)ちょっと男性なんですけど、ポジションで言うと女性のポジションっぽいことをするんで。そこはちょっと見てる方は新鮮なのかなと思いますし。あとはね、後半の盛り上がるところは……
小林 そうね。
高橋 ちょっと宏一の子分的な感じでやろうかなと思ってるんで。ぼくもああいうテンションの高い感じっていうのは、やってきてないと思うので、そこら辺も新しいのかなと。
小林 やっぱりプログラム的にもファンの方々、観に来てくださるお客様がすごい入りやすい曲となっていますので。今回、メンバーと大輔の同じ振付とか、あとは「ムーラン・ルージュ」、初めて生声でしゃべるセリフのシーンとかあるので、そういうところも見どころですね。あとはもう何と言っても初めての大輔とのコラボなんで、「ロクサーヌ」でもう皆さん本当に楽しんでくれたらなと思っています。
―― 高橋さんに「ロクサーヌ」をシングルで使っていたときの思い出や、心がけていた表現を教えていただきたいのと、小林さんは当時それを幼馴染のすごい演技だと思って見てたと思いますが、その感想とを教えてください。
高橋 当時ですよね。当時はもうとにかくなんかセクシーにエロくやりたい気持ちが強くて。とりあえずなんかもうそれだけを考えてやったんですけど、年を経て……あれ、もう二十歳(はたち)ぐらいですよね、たぶん。18とかか。何年経ってんの? やばい。20年ぐらい経ってる。20年ぐらい経ってるんで、今はちょっとあの時とは全然違う感じで。当時はとにかくセクシーにエロくっていうのだけ考えてました。
小林 あれ? あの時ってフリーは何?
高橋 フリーはなんだっけ。あ、あれあれあれ、ラフマニノフ。
小林 そうですね。ぼくもだから、そのちょうど18……高校生? 大学生?
高橋 大学生。
小林 (大学生)の1年目で、ちょうどシニア3年目のときなんですよ。けっこう自分がボロッちゃって。で、ショートプログラムがなぜか毎回滑走順がけっこう近いんですよ。フリーでけっこう離れちゃうんですけど。(笑)でも見てて、その当時、今もなんですけど、「ロクサーヌ」っていう曲の感情をリンクで表現できるのは、やっぱり大輔しかいないなっていうふうに見た時に思ってたんで、すごく刺激を受けてましたね、選手の時に。でもなかなかね、ああいう風には踊れなかったり。(大輔は)音の取り方がもうちょっとえげつないんで、大輔だからこそ表現できるナンバーなんだなっていう風に思ってました。
―― プリンスでやってるなかで、以前の高橋選手をちょっと思い出したりするときはあるんですか。
小林 ああ、ありますね。あります。あります。はい。(笑)こうやって突っ込まれて答えると嘘みたいになっちゃう。
高橋 (笑)
―― 今日(通し練習を終えたあと)高橋さんがエッジを気にされていらっしゃいましたが、どうされたのですか。それと、(振付の)佐藤(紀子)先生たちからのアドバイスを伺ってもよろしいですか。
高橋 あれはぼくの今付けてるエッジの位置がすごい滑りにくくて。どうしたらいいかわかんないんで、相談してました。(笑)
小林 けっこうとんでもない位置についてて。
高橋 やりにくいなとはずっと思ってたんですけど、今日もなんか1人でやっていて、滑りにくくて。「どう直したらいい?」ってみんなに聞いてました。
―― シングルのスケート靴でやっていらっしゃるんですか。
高橋 今日はちょっと間違えて持ってきちゃって、アイスダンスのエッジで滑りましたけど、本番は一応ジャンプ……ちょっと跳べるかわかんないですけど、跳ぼうと思うんで。シングルエッジの靴の方を履きます。
小林 ぼくは佐藤先生には、「あなたが土台でしっかりしないとダメ」っていう、お叱りの言葉を受けて。「はい」というふうに。
―― 高橋さんは何か紀子先生からアドバイスは。
高橋 今回はこの「ロクサーヌ」のことに関しては、「自分のナンバーでもあったし、大ちゃんが作った方がいいんじゃない?」みたいな感じで、なんかこう……外から見えなかったりするんで、その男性が出てくるラインだったりとかを相談しながらっていう感じで一緒にやらせてもらいました。
―― タンゴ風のところで2人が向き合うシーンでは、どんな声掛けをしたり、目が合って何か思うことはあるんですか。
小林 それを言われちゃうと、本当に本番の時、普通に(笑いが)出てしまう。(笑)あんま考えないようにして、入り込んでいます。
高橋 やっぱりイメージとしては、けっこう動画で、SNSで上がってきて、男性でタンゴをしてる映像があるんで、なんかその映像に近づけたいなと思うので。今日はなんかちょっと振付をやったので、細かい部分は考えてなかったんですけど、目線とか首の向きとか足とかは、ちょっと本番まで突き詰められたらなと思っているので。(小林のほうを向いて)ただまあ、土台。
小林 1週間あるんで。
高橋 あとちょっと(村元)哉中ちゃんに相談しながら、やっていきたいなと思ってます。
―― ありがとうございました。演技を楽しみにしています。
本公演は1月19~21日よりダイドードリンコアイスアリーナで開催。プリンスアイスワールドチームのほか、ゲストスケーターとして荒川静香、高橋大輔&村元哉中、織田信成、宇野昌磨、樋口新葉、本田真凜、島田高志郎、中田璃士らが出演を予定している。また、エリアンナ、島田歌穂、福井晶一、藤岡正明、屋比久知奈、山﨑玲奈といったミュージカルの最前線て活躍する俳優たちが日替わりで出演し、生歌とフィギュアスケートのコラボレーションを披露する。