8月25日に開幕する荒川静香がプロデュースするアイスショー「フレンズオンアイス」。その開幕に先立って、8月24日にKOSÉ新横浜スケートセンターで公開リハーサル「ディア・フレンズ」を開催しました。
荒川をはじめ、本田武史、高橋大輔、鈴木明子、安藤美姫、本郷理華、村元哉中ら日本のスケーターに加え、シェイリーン・ボーン・トゥロック、ジェレミー・アボット、ステファン・ランビエル、ケイトリン・ウィーバー&アンドルー・ポジェ、ジェイソン・ブラウンら荒川と親交の深いメンバーが今年も新横浜に集結。さらに、三原舞依、島田高志郎、三宅星南、チャ・ジュンファンと新たなフレンズも加わり、いっそう華やかに夏の氷上を熱くしました。
現役選手の初登場組は、三原が新SP「To Love You More」を爽やかに滑り、三宅は新フリー「A Question of Honour」をお披露目、ジュンファンはお気に入りのEX「Golden Hour」を伸びやかに披露した。
島田は、荒川が「以前対談させていていただいたことがあり、表現することにすごく情熱がある方で、その情熱が響いて、もっとショーで島田くんを見たいと思った」と出演をオファー。昨季から継続して使用するSP「Sing Sing Sing」のクールなダンスで観客を一気にアイスショーの世界へ引き込んだ。
島田 声出しもOKなので、まずは自分が踊り狂って、体が勝手に動いてしまうような、声援を送っていただけるような、ショーの序盤に出てくるのでしっかりと盛り上げ役としてがんばっていきたいなと思います。もう1つは「ムーラン・ルージュ」を夜公演でしっとり情感豊かに滑りたいです。
お馴染みのメンバーたちは、新たな魅力や懐かしの名作を携えてアットホームかつ見どころ満載なアイスショーの一角を担う。
荒川は村元振付の新プログラム「歌よ」を初披露。「大ちゃんが歌って、哉中ちゃんが踊ってくれている特別な動画で振付が進んだんです。じつは織田(信成)くんが選曲してくれた」といい、個々のプログラムのなかにもフレンズの縁が感じられる。村元&高橋はシェイリーン振付の新作「Birds」で、ジャズからアフロポップに流れる粋な楽曲に乗って踊りまくり、歓声とともに会場の温度を一気に上げる。
高橋 シェイリーンさんも久しぶりにアイスダンスの振付をしたということでかなり力を入れてくれて、振付も4時間くらいぶっ通しでやったりとか。前半はジャジーでスタイリッシュ、後半はアフリカンなので、音楽が鳴ったら体が勝手に動きだしちゃう感じ。フレンズオンアイスは夏ということで、楽しい感じもお見せできるかなと思います。
村元 もう1つの見どころは衣装。アフリカで使われている柄を10種類ぐらいデザイン(生地)を出していただいて、そのなかで自分たちで合う合わないを選んで、最終的に5パターンのデザインを使ってマッチするように作られた衣装なので、衣装にもこだわりがあります。
さらに、オープニングやフィナーレのほかにも、フレンズオンアイスならではのグループナンバーが並んだ。荒川、村元、ケイトリン、ジェイソン、ジュンファンが、青い鳥を彷彿とさせる鈴木を追いかける「Jeux d’Eau」は、スケーターたちが会場へ優しく語り掛けるような1曲。
荒川 本当にもう癒し。とにかくこのショーのなかでいちばんの癒しで、滑っていても癒されます。もともと(鈴木)あっこが「O」を滑っていたので、オープニングとしてその世界観へしっかりと繋いでいって、そこから風とか水とか自然……癒しのマイナスイオンみたいな世界観を出してみなさまに感じていただけるように作った。
なかでも参加したファンたちを熱狂させたのは、ステファン・ランビエルの代表作であり、その後フィギュアスケートのマスターピースともなった「ポエタ」。高橋、村元、アンドルー、そしてステファンが代わる代わる、ときには交わりながら踊り継ぐスペシャルナンバーだ。2007-2008シーズン当時と同じベストの衣装に身を包んだステファンと高橋が情熱的に競演するシーンは必見。
荒川 「ポエタ」は最初に思いついたところ。哉中ちゃんが現役時代に「ポエタ」を滑っていたのも大好きでしたし、ステファンの代表作で、大ちゃんはフラメンコとかタンゴの系統のものを滑っているのが見たいなという希望がスケートファンから多く、私もその1人なのですが、「ポエタ」は絶対やってほしいなと思って相談したら快く引き受けてくれた。そこにアンドルーも入って、いろんな「ポエタ」の表情が見られる。大ちゃんがアイスダンサーとして培ってきたもの、もともと持っていたスケーティングのスキルが世界観とマッチして、ステファンとのステップ対決みたいなところは、2人の情熱が重なり合う――スケートファンが見たいもの、私自身が1ファンとして純粋に見たいものを考えました。
ジェレミー、島田、三宅、本田、アンドルー、荒川、三原の個性きらめく猫たちの舞に荒川のソロ「メモリー」が挟まる「CATS」は、楽しくもどこかセンチメンタルなミュージカルの世界を楽しめるナンバーに仕上がっている。しっぽをつけたスケーターたちが、愛らしいマイムで猫を演じる姿は必見。
荒川 「Cats」は、島田くんや三宅くんにジェレミーが加わって勢いがあったり、1人では「Cats」の世界観が見せられないけれど、どうにかスケートで見ていただきたいなというのがあって、これだけ個性を持ったスケーターなら近いものになるんじゃないかなと。「Cats」なんだけどスケートの世界観で表現したい。
きらびやかに夏を締めくくる「フレンズオンアイス」は、8月25日から3日間、KOSÉ新横浜スケートセンターで開催される。当日券あり。お見逃しなく!