2025年2月10日
全国高等学校総合体育大会 第74回全国高等学校フィギュアスケート選手権大会

島田麻央と中田璃士がインターハイ初優勝!

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全国のNo.1高校生を決める全国高等学校総合体育大会(インターハイ)のフィギュアスケート競技が1月20~22日、KOSÉ新横浜スケートセンターで開催。ジュニアやシニアのカテゴリーで戦う高校生たちが集結し、男女シングルと学校対抗のチャンピオンを決める戦いが行われました。

男女シングルでは、全日本ジュニアチャンピオンの島田麻央選手と中田璃士選手が、1年生で初優勝しました。2位には同じく1年生の中井亜美選手と蛯原大弥選手、3位に2年生の髙木謠選手と3年生の周藤集選手。学校対抗戦は、女子は中京大中京高校CAN(通信制)、男子は目黒日本大学高校が優勝しました。同世代ばかりとあり、演技中の声援やエキシビションでは愛ある檄が飛び交う、青春の1ページを彩るような大会。メダリストたちの活躍と演技後のインタビューをダイジェストでお届けします!

女子1位 島田麻央(中京大中京CAN1年)

昨年12月の全日本選手権後は6日のオフをとったという島田麻央。1月2日には箱根駅伝の平塚中継所に「監督さんも好き。たくさん優勝していて、自分も勝つのが大変になってきているので少し同じ気持ちなのかなと思ったりして」と、青山学院大学の応援に行っていたそう。年明けから調子を整えている段階としながらも、フリーの4トウで転倒した以外は、トリプルアクセルも含めて完成度の高いエレメンツを揃え、214.98点を獲得して優勝した。

―― 214.98点での優勝でした。
島田 今シーズン、国内大会のジュニアの試合では(フリーで)130点を超えたことがなかったので、得点を聞いた瞬間はすごくうれしかったです。

―― 4トウとトリプルアクセルを跳んだ感触は?
島田 6分間練習は4回転の感触がよくて、トリプルアクセルの感触があまりよくない感じだったんですけど、本番はトリプルアクセルがよくて、4回転は少し(重心が)後ろにいってしまって、(軸が)斜めになってしまったので、そこは悔しい部分です。

―― インターハイという舞台について。
島田 普段あまり戦わない選手とも戦えたり、全国の高校生が集まった大会で、高校の代表として出るので勝ちたい思いもありましたし、楽しいなという思いもありました。

―― ジュニアの大会で勝ち続けるメンタルはどのように作っているのか。
島田 勝ちたいとは思わず、負けるときは絶対に「(勝負の結果が)やる前から決まっている」と思って、あまり勝ちにはこだわらずに、毎回思い切って、今しかない一瞬一瞬を楽しんで滑ろうと思っています。

―― 世界ジュニア選手権へ向けての目標。
島田 4回転は最近(試合で)同じようなミスをしているので、そこを修正して、本番で同じ失敗をしないようにどうしたらいいかをもうちょっと考えて、他のジャンプも精度を上げていけたらなと思います。

―― 年末年始のオフでのブランクやリフレッシュについて。
島田 気持ちのリフレッシュは本当にすごくできたと思うので、メンタル的にはよかったんですけど、たくさん休んでしまった分、脚がまだ(本調子に)戻っていなかったりするので、来年はどこまで休んだら自分はちょうどいいかを考えて休みをとりたいなと思います。

―― 本番の4回転トウループの感覚は?
島田 6分間のときはすごくいい感触の失敗だったのでそのままいこうと思ったんですが、本番になると狙いすぎてしまって普段の跳び方じゃなくなってしまうことが最近多くて。同じような失敗をしてしまったなという感じです。

―― ミスの原因はわかっている?
島田 わかっている部分と、「こうなった」というのはわかるんですけど、「なんでこうなった」かがあまりまだわからないので、しっかり動画を見てどうなっているかを先生方に教えてもらえたらいいなと思います。

―― 今季の国内のジュニア大会で初めてフリーで130点を超えられた要因は?
島田 国内大会はとくに大技以外の失敗に苦しんだと思うので、そこがなかったことが(今季国内ジュニアでの)自己ベストを更新できた原因かなと思います。

―― ほかのジャンプをまとめるために、どういうところを意識してきましたか。
島田 いちばんよく失敗する原因が焦ったりしてしまうことなので、1つ1つ曲に合わせて落ち着いて跳ぶことを意識しました。

―― 中京のジャージを着て優勝したことについて。
島田 この中京のジャージを着て(試合に)出るのも1年に1回、最高でも高校生のなかで3回だと思うので、まず1回目を優勝で終われてすごくうれしいです。

―― インターハイの雰囲気は楽しめました?
島田 いつもとは少し違う声援が聞こえたので、それも楽しむことができたんじゃないかなと思います。

―― フリーの「窓から見える」はどのようなイメージで滑っていますか。
島田 病院の窓から景色を見るようなイメージで、外に出たいけど出られない、でも辛抱すれば春が来る、そして外でその景色を見るというイメージです。苦しいときでも努力して辛抱を続ければ、明るい未来が待っていると思って、自分と重ね合わせて滑るようにしています。

―― 世界ジュニア選手権では、4回転を決めるということも目標ですか。
島田 決めたいのもそうですし、同じ失敗をしていたらあまり進歩がないので、もし失敗するんだとしても違うかたちで失敗して。もちろんいちばんは降りることなんですけど、そこに囚われずに、他は落ち着いて、4回転の後からが自分の演技だと思って滑りたいと思います。

―― フリーの曲の解釈はローリーさんからのお話ですか。
島田 ローリーさんから聞いたわけではなくて、歌詞や音楽の意味を調べたり、あとは自分で曲を聴いてこうだなと感じたり、表現の先生に教えてもらったりしました。

女子2位 中井亜美(勇志国際1年)

今年最初の試合で、参考記録ながらSPの自己ベストを更新しSP69.92点、合計点190.63点をマークして2位。2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ・オリンピックに向けての第1歩と語る世界ジュニア選手権を3月に控え、2025年は上々の滑り出しとなった。

女子2位、中井亜美(勇志国際高校)©︎World Figure Skating/Shinshokan

―― 結果を振り返って。
中井 アクセル以外のジャンプはすごく調子がよくて、アクセルだけどうしても戻り切っていない状態で今回試合に挑んだので、それが本番に出てしまったかなという感じです。

―― 演技内容について。
中井 いまできる最低限はすべて出し切りたいと思っていたので、3回転+3回転のコンビネーションが2個決まったことはすごくよかったと思います。最後のジャンプに少しミスが出てしまったのが悔しい部分です。

―― 世界ジュニア選手権に向けて。
中井 アクセル2本は絶対に戻していきたいのと、他のジャンプもいま少し戻ってきているんですけど、もっと(調子が)上がると思います。ここから下がらないようにだけはしたいなと思います。

―― アクセル2本入れるときも3回転+3回転が2つの構成?
中井 はい。でも最初が3アクセル+3トウの場合は、3ルッツ+3トウがなくなります。

―― 体力的にも難しい構成ですが。
中井 最近は練習を積んできていて、後半になっても3ルッツ+3トウは安定してきているので、自信を持って跳ぶだけといまは思っています。

―― 同世代ばかりのインターハイはいかがでしたか。
中井 下から追い上げる立場だったので、あまり不安とかはなくてすごく楽しめた試合だったかなと思います。

―― 点数が出たときにキス&クライで頷いていたように見えましたが、どんな気持ちでしたか。
中井 想定していた点数かなと思っていて。自分で終わったあとに振り返って、このくらいかなと思っていたので、納得した感じです。

女子3位 髙木謠(東京女子学院2年)

2024年ユースオリンピック銅メダリストがインターハイで初メダルを獲得した。昨年11月の全日本ジュニア選手権で14位となり、全日本選手権出場を逃す悔しい思いを経験した髙木謠。大好きな坂本花織からの「泣きたいときは泣いていいよ」というメッセージや、渡辺倫果、青木祐奈ら尊敬するクラブの先輩たちからの励ましを受けて再び前を向けたといい、インターハイの表彰台から新しいスタートを切った。

女子3位、髙木謠(東京女子学院高校)©︎World Figure Skating/Shinshokan

―― フリーの演技を振り返って。
髙木 SPで思ってもいなかった3位で、表彰台がかかっているということで少しは緊張したんですけど、やっぱり緊張があると思うようにはいかないと思ったので、そこを忘れて思い切り演技ができたかなと思います。

―― ミスがあったなかでも演技をまとめましたが、ご自身の感触としては?
髙木 いやもう本当に必死で。(笑)サルコウでもけっこうダサめな転び方をしてしまったので焦ったんですけど、2本目のルッツの前で呼吸をして、そこで少し気持ちを切り替えられたかなと思いました。

―― 点数について。
髙木
 すごくいい点数でうれしいんですが、やっぱりミスをしてしまったし、まだまだできるところがあるので、そこは帰って練習だなと思いました。

―― 来季の目標を教えてください。
髙木 去年の全日本ジュニアで悔しい思いをしたので、もう悔しい思いをしないようにしっかりと練習をして、またジュニアグランプリや全日本ジュニアをがんばって、世界ジュニアに行けるようにがんばりたいです。

―― フリーが終わって、表彰台が決まったときはどうでしたか。
髙木 (キス&クライの前に設置された)パネルで見たときはまだわからなくて、客席にいた観客の方が「はあ~!(喜びのリアクション)」と言ってくれたので、「あ、(暫定)1位だ!」と思ってすごくうれしかったです。

ーー インターハイの雰囲気はいかがでしたか。
髙木 すごく楽しめた試合だったかなと思って。全日本ジュニアぶりに会う子たちもいたし、みんな和気藹々としていて楽しい試合でした。

ーー 全日本ジュニア選手権からの練習について。
髙木 本当に悔しくてけっこう心も落ち込んでいたんですけど、いろんな方からの励ましのメッセージや、先生ともしっかりお話ししたので、もっと練習をがんばって、もうこんな思いをしないようにがんばろうという気持ちでがんばっています。

ーー ここまでのシーズンを振り返ると?
髙木 ジュニアグランプリのタイ大会では自分の思うような演技ができてすごくうれしい結果で、中国大会では目指していたファイナルには行けなかったので悔しい思いはしたんですが、ジュニアグランプリは自分のなかでは成果を得られた試合だったので気持ちよく終われたなと思います。でも、後半の全日本ジュニアでは、自分でもけっこう練習してきたつもりだったので、結果が出なくてすごく悔しかったんですけど、うれしさもあり、悲しさもあり、半々のシーズンでした。

ーー 全日本選手権はご覧になりましたか。
髙木 MFのリンクに出らる方がたくさんいたので、悔しかったんですけど、テレビで見て、もう「うわー!」って言って応援していました。(笑)

ーー 印象に残ったシーンは?
髙木 花織ちゃんもさすがだなと感じた試合だったんですけど、青木祐奈ちゃんの試合に本当に感動しましたし、最後の3フリップ+3ループは家で見ていて叫びました。本当に泣きながら見ていて、「本当に……よかった……(涙)」ってなって連絡しました。

ーー 坂本選手も青木選手も長いキャリアを歩みながらああいう演技をされていますが、そういう過程も見習いたいという思いはありますか。
髙木 本当に見習うところだらけという感じで、お人柄もそうだし、練習の仕方もすごく上手で、まだ自分にはそういうところが足りないと思っていて。シニアで活躍するためにはそういうところも大事になるのかなと思います。

ーー 今季の悔しさをどう生かしていきたい?
髙木 やっぱり練習かなと思っています。練習の仕方ですね。

ーー どのような練習で?
髙木 ジャンプだけじゃなくて表現の部分も大切になってくるので、陸でのトレーニングや表現トレーニングが大事なのかなと思います。

>>中田璃士、蝦原大弥、周藤集の演技後インタビュー

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