2024年6月14日
ユースオリンピックに金メダルチームのコーチとして参加した元日本代表アイスダンサー

INTERVIEW マリオン・デ・ラ・アソンション「全日本は最高の思い出」

- AD -

今年2月、韓国・江原道で開催されたユースオリンピック。アイスダンスで金メダルを獲得したフランスチームの取材中に懐かしい顔に遭遇しました。2011年から平井絵己さんとチームを組み、日本代表としてNHK杯や四大陸選手権に出場したマリオン・デ・ラ・アソンションさんです。

ユースオリンピックと同じ江陵アイスアリーナで行われた2017年四大陸選手権を最後に現役を退き、コーチとしてのキャリアを本格的にスタート。フランスのアイスダンスの中心地リヨンで、選手時代に師事したミュリエル・ザズーイのチームでコーチをしながら、2021年にはパートナーの絵己さんと結婚されました。

ユースオリンピックには金メダリストチームのコーチとして帯同し、教え子たちの優勝に沸く取材エリアで、日本の記者と名乗ると快くインタビューに応じてくれました。公私ともに新たなステージに進み、充実&幸せいっぱいのお話を伺いました。


―― 教え子のアンバー・ペリエ・ジャネジニ&サミュエル・ブランク・クラッペルマン組のユースオリンピック優勝おめでとうございます。

マリオン この結果にはとてもうれしく思っています。演技はパーフェクトとはいきませんでしたが、彼らはまだ若いので良い経験になったと思います。なんといっても、彼らにとってはこれほどの大きな国際大会は初めて。ミスがあったとしても今シーズンいちばんの演技を見せてくれたので、手ごたえは得られたと思います。

―― ユースながらオリンピックとつく大会でいつも通り演技するのは難しかったのでは?

マリオン 大事にしたのは、リズムダンスのあとの対応です。リズムダンスのあとに1日あったので、集中力を切らさずシャープな演技を続けることに重きを置きました。結果として、昨日はいい練習ができたので、今日のフリーはさらにいいパフォーマンスを披露する機会になったと思います。

―― 2人はどんなチームですか。

マリオン チームワークがよくて、幼いうちからとても努力家の2人です。今季だけで10試合ほど参加しているので、日々の練習をハードにこなすことも簡単ではないと思いますが、彼らはよく集中して取り組んでいます。努力できるからこそ、安定した強さを手に入れられると思います。彼らとは3年ほど前、まだそれぞれ別のパートナーと組んでいるときから一緒に練習しています。その後、2組とも解散することになり、トライアルを経てチームを結成して、いまはジュニア2年目です。

―― ご自身の近況もうかがえますか。

マリオン 選手時代からコーチとしても教えていましたが、2017年に競技を引退してから本格的に教えています。正直、この江陵のリンクはぼくらの最後の大会になった四大陸選手権(2017年)の会場でもあるから、ちょっと感慨深いですね。いまはとても幸せです。

―― パートナーの絵己さんはときどき岡山にも戻ってコーチをしていると伺いましたが、マリオンさんも日本でも教えているんですか。

マリオン 彼女は日本のシングルスケーターのコーチも務めているので、ほとんどは彼女が1人で行っています。ごくたまにぼくも絵己について行って日本で教えることもありますが、いまはテクニカルスペシャリストもやっているので、なかなか時間を作るのは難しくて。

―― テクニカルスペシャリストもされているんですね。最近はどんな大会に?

マリオン 今年はまだイタリア選手権に呼ばれたくらいですが、このあとまたすぐの大会に行きます。まだ何とは言えないんだけどね(翌2月22日からのチャレンジカップでアイスダンスのテクニカルスペシャリストを担当)。絵己もいまはフランスに残っています。というのも、じつは彼女はいま妊娠中で。

―― わあ、おめでとうございます! 

マリオン ありがとう。なので、いまは基本的にはリヨンですね。

―― リヨンのリンクでは何チームくらい練習しているんですか。

マリオン 正確ではないですが、10組くらいかな。あとはソロのアイスダンサーが何人かいます。ぼくらのスクールはアイスダンスの専門チームですが、とくに夏にはシングル選手たちがスケーティングの勉強や振付で合宿にくることも多いです。

―― コーチをしていて喜びを感じるのはどんなときですか。

マリオン 普段から幸せを感じていますよ。もちろんいまも、この素晴らしい経験、時間をうれしく思うし、いちばんの喜びと言えるのは、スケーターたちが自分たちの最大限を出し尽くす姿、スケートを楽しむ姿が見られたとき。結果は二の次です。

―― 逆に大変なことは?

マリオン それもいっぱいある。(笑)いまは連盟が大変なときというのもあって、自分のやりたいことを順応させていくのも難しいですが、それは問題とは言わないかな。あとは日々をこなしていくことも大変なことです。大きな問題ではないけれど、日々出てくる小さな問題を対処していかないといけない。そのために強力なコーチングチームが必要なわけで、リヨンを離れているこの2週間も、コーチングチームと連携を取り合っていろんなことをマネジメントしています。コーチングチームが強くあれば、楽に対処できるようになっていきますから。

―― 選手時代は日本代表として様々な大会に出場されていましたが、とくに思い出に残っているのはどんなことでしょうか。

マリオン 思い出は本当にたくさんありますよ。なかでもといえば、やはり全日本選手権は毎回思い出深いですね。ぼくの好きな時間でした。もちろんNHK杯も四大陸選手権も楽しかったけれど、日本で全日本選手権を戦うことはやっぱり何か特別なものがありました。とくにシングルは世界でもベストなナショナルだし、何よりお客さんが素晴らしい。スケーターはみんな「日本で滑るのがいちばんだ」と言っていますからね。全日本は最高の思い出です。

―― コーチとしてもぜひ日本に戻ってきてください。

マリオン ぜひ戻りたいよ。まずは日本チームに教え子になってもらわないと。(笑)日本はいま、シニアに新しいチームも出てきていてとてもいいですよね。日本のアイスダンスはチェックしていますよ。全日本は接戦でしたね。ジュニアまではカバーできていないけど、きっと近い将来ジュニアチームの活躍も目にできるんじゃないかなと思います。

―― 最後に、今後の目標を聞かせてください。

マリオン コーチとして、彼らを目標へと導くことです。今回、彼らがここで表彰台へ上がるのを見て、自分が試合で表彰台に上がったときよりも多くのことを感じることができた。だから、ぼくの夢は、教え子たちが夢を叶えることです。

―― わかりました。素敵なお話をありがとうございました。

取材・文:編集部
Text by World Figure Skating
(2024年1月30日、ユースオリンピックFD後に取材)


マリオンさんが指導するペリエ・ジャネジニ&ブランク・クラッペルマン組や、日本の島田麻央選手、髙木謠選手、中田璃士選手、垣内珀琉選手らも大活躍したユースオリンピックは、現在発売中の「ワールド・フィギュアスケート101号」に掲載しています。インタビューとあわせて、若き才能たちの瑞々しい輝きをぜひ誌面でチェックしてみてください!

- AD -

 関連バックナンバー

ワールド・フィギュアスケート No.101

坂本花織が3連覇、イリア・マリニンが初優勝を達成し...

関連記事

- AD -

最新記事

error: