世界のトップスケーターたちが一堂に会する世界選手権。各国のエースから、魅力の尽きないベテラン勢、次代を担うライジングスターたちまで、その滑りをライブで観戦できる絶好のチャンスです。そこで、数多の魅力あふれる海外スケーターたちのなかから、今季注目したいスケーターの活躍をご紹介します。
今シーズン、華々しくシニアデビューを飾って観客の視線を一身に集めている美少女スケーターがいます。それがアメリカの16歳、イザボー・レヴィト。今シーズンは12月のグランプリファイナルで三原舞依に続く2位に入り、全米選手権でも初優勝。世界選手権では日本勢の最大のライバルとなることが予想されます。
コロナ禍で歩んだジュニア時代
2007年3月3日、フィラデルフィア生まれのレヴィト。母は発生学者という家庭で育った。2010年のバンクーバーオリンピックを見たことがきっかけで3歳のときにフィギュアスケートを始め、現在は2度にわたってオリンピックのアイスダンス競技で金メダルを獲得したエフゲニー・プラトフにも指導を仰いでいる。
幼いころから全米選手権のインターメディエイト部門などで頭角を現し、2021年には全米ジュニア選手権で優勝。2021-2022年に初めてジュニアグランプリシリーズに参戦。2戦で1位と2位に入った。このシーズンのグランプリファイナルこそオミクロン株流行の影響で開催されなかったが、世界ジュニア選手権では優勝を飾った。
愛らしさあふれるニューヒロイン
カオリの強さと、意志の力にすごく憧れています。本当に強くて、パワフルで、意志がはっきりしている。自分の望むことがわかってて、それに向かって戦う強さがあります。
「ワールド・フィギュアスケート 97号」掲載のインタビューより
4回転ジャンプやトリプルアクセルなどの大技はまだ演技に組みこんではいない。だが、楚々とした容姿を存分に発揮し、柔らかな舞とともに曲のなかに没入していく演技が大きな魅力だ。そのいっぽうで、力強さやスピード感を武器とする坂本花織を憧れの選手に挙げ、スケートアメリカのSP後の会見では「カオリとセルフィーを撮ってもらえないかとロッカールームでずっと考えていました」とはにかみながら話すなど、初々しい一面をのぞかせた。趣味は友人と外出することや猫と遊ぶこと。16歳のあどけない少女がシーズンの集大成となる大舞台でどこまで観客を沸かせるのか、楽しみでならない。
イザボー・レヴィト選手のインタビューはグランプリファイナル2022をレポートした「ワールド・フィギュアスケート」97号でお読みいただけます!