2024年2月25日
さいたま世界選手権をもっと楽しむ!注目の海外スケーターたち

ジン・ボーヤン~夢の続き~

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荒波を越えて、再び

結局、今シーズンのスタートを切れたのは、2月の四大陸選手権。2度のコロナ罹患により練習を再開できたのは大会の3週間前で、コンディションは本調子からほど遠かった。

「だいぶ痩せましたよ。普段きつく感じる服でもオーバーサイズに感じるほど。パンツもあまり締められなくて、よく落ちますね」

2023年四大陸選手権SP後のインタビューより

だが、どんなときもシンプルにスケートを楽しめるのが、ボーヤンの最大の強さであり、魅力のひとつでもある。公式練習からコーチたちと楽しげに会話を交わし、ファンの声援やサインを求める声にも笑顔で応えた。

「たぶん今回はあんまりプレッシャーを感じることがないのが原因でしょう。そしてブライアンとトレイシーとのチームワークがどう動くかを見るのもひとつ。このチームともっと一体となることが必要です」

2023年四大陸選手権SP後のインタビューより

SP「Seven Nation Army」は、スケールの大きな4トウとともに始まり、ロックスターさながらのステップで駆け抜け、最後は天を差してフィニッシュ。クールでダンサブルな新しい一面を見せつつ、思い切りよく爽快なもともとの彼らしさも同時に感じられる。カムバックを待ちわびたファンたちが立ち上がって歓声を送るなか、ボーヤンは無邪気に笑って氷を撫でた。演技後のインタビューで、あの瞬間はどんな気持ちだったのかと尋ねると、「Happy, Happy!」とまた笑った。

高地のコロラドスプリングスでの試合とあり、病み上がりの体にはいっそう難しい試合だった。フリーを滑り切ったあとは、氷上に突っ伏し、その後のインタビューは、ドクターとコーチに促され、酸素吸入を挟んで対応してくれた。

2017年の世界選手権で2つ目の銅メダルを手にしたあと、競技へのモチベーションを問われた若きボーヤンは、「スケートは命の一部」だと語っていた。長い時を経て迎えた今シーズンの四大陸選手権での戦いぶりは、まさにそれを体現するかのようなものだった。

険しい船出を乗り越えてやってきたさいたま世界選手権。本番を前にした公式練習で、四大陸選手権では回避した代名詞である4回転ルッツを気持ちよく決め、これからの明るい旅路を予感させた。ジン・ボーヤンは、ここ、さいたまから夢の続きを描いていく。

「ぼくにとっては、スケートというのは自分の情熱の向かう先で、いまや命の一部になっているんです」

2017年世界国別対抗戦エキシビション後の共同インタビューより

取材協力:Skating China


ジン・ボーヤン選手のインタビューはこちらの号でお読みいただけます!
72号(2015年NHK杯)
80号(2017年カップ・オブ・チャイナ)
88号(2020年四大陸選手権)
EXTRA世界国別対抗戦2017/EXTRA四大陸選手権2019/フィギュアスケートシーズンガイド2018-2019

さらに、現役続行の理由や日本のファンへの思いを語ってくれたフリー後のインタビュー、ブライアン・オーサーコーチの単独インタビューは「ワールド・フィギュアスケート98号」に掲載予定です。ぜひお楽しみに!

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