さいたまで開催される世界選手権もいよいよ開幕目前! せっかく地元にやってきたシーズン最大の祭典をよりいっそう楽しむべく、日本代表選手たちの活躍を振り返ります。
今回紹介するのは、日本勢初の連覇が期待される坂本花織選手。前日練習では、「ここに来る前の練習は、ショートもフリーもノーミスできることが多かったので、その自信を試合でできたらいいなと思っています」と頼もしく語りました。昨シーズンに世界女王の座に輝いた坂本選手が、今シーズン歩んできた道のりを振り返ります。
新しいこと尽くしの新シーズン
昨年3月のモンペリエ世界選手権で念願の世界女王となった坂本花織。その後、彼女は大きくイメージチェンジして私たちの前に姿を見せた。日本中が新たな年度をスタートさせる2022年4月1日、取材に現れた彼女の髪はばっさりと切られ、髪の色もこれまでの黒から明るいブラウンに変わっていた。イメージチェンジの理由について問われると、「別に深い意味はなくて、切りたかったから切った」と、屈託なく答えた。
外見のイメージチェンジを皮切りに、オフシーズンの段階から、坂本は新たなチャレンジを続けてきた。平昌オリンピックシーズンから振付家のブノワ・リショーと長年タッグを組んできたが、今シーズンはショートプログラムをジェイソン・ブラウンへの振付で知られるロヒーン・ウォードに、フリーをアイスダンスの振付と指導で名声を馳せるマリ=フランス・デュブリュイユに依頼。フリーの振付の際には、モントリオールに1人で赴き、滞在中にクレジットカードが止められるなどのトラブルに見舞われながらも、振付作業に打ち込む。10月のスケートアメリカでのインタビューで、坂本はその時のことをこう語っている。
こういうスローの曲はそうとうスケートがうまくないと見せ方が変わってくるので、最初は本当に苦戦して、「自分、スケートめっちゃ下手なんや」とすごく実感した。
スケートアメリカ女子フリー後の共同取材より