東京・国立代々木競技場第一体育館で行われている全日本選手権2025。大会2日目の12月20日には、ミラノ・コルティナ・オリンピック代表の最終選考をかけた男子シングルの最終決戦が繰り広げられました。各選手が全身全霊で戦い抜いた結果、鍵山優真選手が2連覇を達成し、ミラノ・コルティナ・オリンピック代表に内定。鍵山選手のフリー後のコメントをお伝えします。
鍵山優真「自分の弱さだと思う」
―― 演技を終えた瞬間は、悔しさだったのか、やり切ったという気持ちだったのか。
鍵山 全然やり切れてなくて。アクセルの回転が抜けてしまったのと、トウループのコンボをつけられなかったのがすごく悔しくて、それがちょっと感情に出てしまった、涙に出てしまったというのが、ちょっと情けない姿を見せてしまった。でも、自分の弱さだと思うので、今日のパフォーマンスというのは。しっかりと反省して、オリンピックまでの残りの期間でしっかり細かく計画を立てて、ちゃんと頑張っていきたい。試合が続いていたので、1回ちょっと休んで、万全な状態でオリンピックに向けて再始動できるようにがんばりたいと思います。
―― では、キス＆クライでの涙は悔し涙ですか。
鍵山 はい、そうですね。なんか、（キス＆クライから）スッて立ち去りたかったんですけれども。（笑）頭の中でいろんなことが浮かんできて、昔はけっこうフリーで挽回するみたいなことが多かったんですけども、なかなかフリーを揃えられないなということと、こんなこと言ってたらあれですけれども、優勝にふさわしい演技ができなかったかなというのが、ちょっと心残りというか……。そういう気持ちがすごくあって、ずっとそう思っています。
―― 大会初めての親子連覇に関しては？
鍵山 正直、全然意識してなくて。うれしいんですけれども、でもいまはけっこうパフォーマンスのことがずっともう頭の中でぐるぐるしている。結果は結果で素直に受け止めたいと思いますし、オリンピックの1枠目を獲得できたんですけれども、やっぱりもっと頑張らなきゃいけない。オリンピックは自分の中でゴールみたいな、夢みたいな舞台なので、本当に全力を尽くして、ただひたすらオリンピックで楽しむために。日々の練習は楽しかったり、辛かったり、大変だったりすると思うんですけれども、それを乗り越えて、オリンピックでは全力で楽しみたいと思います。
―― フリーに関してはいろいろ試行錯誤をされているかと思います。
鍵山 練習はしっかり積んできていたつもりだったので、直前の練習までは、しっかりといい感じに調整できていました。今シーズンは本当に自信だったり、気持ちのもっていき方だったり、そういうところが割と課題になってきていた。ただ練習を積み重ねるだけではなくて、自信のつけ方だったりとか、試合にどういう気持ちで臨むのかっていうところも……。でもそういう気持ちって、調べたりしても全然わかんなくて、自分の中で自分の正解を見つけるしかないので。なので、先シーズンと今シーズンで得られた経験だったり、失敗、成功をすべて自分の強みに変えていけるように、残りの1ヵ月しっかりとがんばりたいと思います。
―― これからはもっと欲を出していこう、と？
鍵山 もう次はオリンピックなので、何も守る必要がない。まだわからないですけれども、もちろんフリップも入れたいっていう気持ちはすごく強いですし、自分のいまもっているすべての技術を全部出し切りたいと思っているので、そこは欲というか、高みを目指したい。いまのままではオリンピックの表彰台に上ることすらもギリギリのラインなのかなと思ってるので、しっかりと安定した演技ができるように、また1から気持ちを入れ直してがんばりたいと思います。
―― 日本のエースに必要なものとは何だと考えていらっしゃいますか。
鍵山 大事な局面で臆さず、冷静にいれることが大事だと思います。日本のエース像って言ったらもうやっぱり、羽生（結弦）くんだったり、（宇野）昌磨くんだったり、大ちゃん（高橋大輔）とか、本当にいろんな方々がいるので、自分はまだそこには全然到達できていないのが現状だと思う。もっともっと信頼されるようなスケーターになりたいし、まだまだ後輩たちにも負けていられないので、もっと高みを目指してがんばりたいと思います。
