2024年11月21日
外国特派員協会での記者会見をレポート!

映画「ぼくのお日さま」 キャスト&監督が外国特派員協会での会見に登壇

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フィギュアスケートを題材に制作された映画「ぼくのお日さま」が9月13日に公開されます(先行公開は9月6〜8日)。公開に先駆け、7月1日に外国特派員協会で記者会見が行われました。

「ぼくのお日さま」は、田舎町のスケートリンクを舞台に、吃音でアイスホッケーが苦手な少年タクヤ(越山敬達)、フィギュアスケートに励む少女さくら(中西希亜良)、選手の夢をあきらめてさくらのコーチをしている荒川(池松壮亮)の3人が織りなす、雪が降り始めてから雪が溶けるまでのひと冬の物語。

メガホンをとった奥山大史監督は、映画「僕はイエス様が嫌い」や、米津玄師のMVなどで注目される新鋭のクリエイターですが、じつはかつてKOSÉ新横浜スケートセンターで練習に励んでいたフィギュアスケート経験者。越山さんもフィギュアスケート経験者で、中西さんはアイスダンスで全日本ノービス選手権に出場経験がある実力者です。スケート未経験の池松さんはこの作品のために練習に励み、撮影に臨みました。完成した映画は伝統あるカンヌ国際映画祭に正式出品。国内外で評価を集めています。

外国特派員協会での試写会に続いて行われた7月1日の会見には、4人が登壇。カンヌで大喝采を浴びた作品とあって、記者から多くの質問が飛び、4人は撮影でのエピソードや作品づくりへの思いを語りました。本記事では、会見のもようをレポートします。

現在発売中の「アイスショーの世界10」では、池松壮亮さん×奥山大史監督と、越山敬達さん×中西希亜良さんに、対談にご登場いただきました。スケートのエピソード満載の対談をぜひご覧ください。

池松壮亮「撮影の光景は一生忘れない」

会見に登壇した4人。長い撮影を乗り越えたチームならではの和やかな雰囲気も垣間見える ©︎World Figure Skating/Shinshokan

カンヌ国際映画祭でのプレミアに出席した後、はじめて報道陣の前で映画への思いを語った4人。まず撮影中のハプニングや驚いたことについて問われると、越山さんは「(凍った)湖の撮影のときに自然の氷だからすごくごつごつしてたんですけれども、そのときに右ひざを3回自然のリンクに強打して、痛すぎて泣いちゃったというエピソードがあります。(笑)」と照れながらも笑顔で答え、マルチリンガルの中西さんは「撮影を通じて楽しい時間を過ごしたので、あのシーンが難しかったということをいつの間にか忘れていました」と流暢な英語で回答。

池松さんが「カメラを担いで滑っている奥山さんと、もともとスケートが上手な2人がいて、本当に置いてかれそうになりながら必死についていきました。湖のシーンはこの4人でひたすら2日間遊ぶように滑って撮影しました。そういう光景はもう一生忘れないだろうなと思います」と話すと、奥山監督も「さくら役の中西さんが1人で滑るシーンがあって、そのときも本当にテイクを重ねました。中西さんのほうから『もう1回挑戦したいです』と言うような瞬間もあって、撮影終盤のほうは熱量が高まっているのを感じてうれしかったですね」と感慨深げに撮影を振り返りました。

主演・タクヤ役の越山敬達 ©︎World Figure Skating/Shinshokan
ヒロイン・さくら役の中西希亜良。英語力をいかんなく発揮した ©︎World Figure Skating/Shinshokan

まだ10代の越山さんと中西さんが時間の関係で退席したのち、話題は作品作りのより深い部分へ。役作りについて問われた池松さんは「非常に複雑な思いを抱えて生きてきた人の役でした。後悔や諦めやそういうものが漂っている。そんななかであの2人に出会うことで、もう一度人生が前向きになっていく。タクヤというのはいわば言いたいことが上手く言えない子ども、そして荒川というのは言いたいことが上手く言えなかった人。そういう後悔を抱えて生きてきた自分が、未来に対して何を言ってあげられるのか、何をどう導いてあげられるのか、そういうことにちゃんと葛藤しながら子どもたちと対峙したかったし、どういう態度でいてあげられるかということが非常に重要だったんじゃないかなと思ってます」と真剣なまなざしで語りました。

コーチ荒川役の池松壮亮 ©︎World Figure Skating/Shinshokan

タクヤの吃音や荒川コーチと恋人・五十嵐(若葉竜也)の関係性など、登場人物の設定についての質問には、奥山監督は「荒川もタクヤもさくらも、3人それぞれちょっとずつ何か集団から距離を感じている。その3人が無意識的に共感し合って寄り添い合うということを話のスタートにしたかった。それなら荒川先生にはどんな背景があるかなと思って書き始めたら、自然とそういう設定になったんですね。多様性とかダイバーシティと言われるようになってけっこう経ちましたが、そういうのって、あって当然で、認めること、肯定することだと思っています。その存在を肯定してくれる存在があるというような映画にしたいなと思ってました」と、静かに、しかし熱い口調で話しました。

「ぼくのお日さま」で商業映画デビューとなった奥山大史監督 ©︎World Figure Skating/Shinshokan

8月9日発売の「アイスショーの世界10」では、池松さんのスケート技術習得までの道のりや、映画作りにおける池松さんと奥山監督の“共犯”関係、越山さん&中西さんが語る撮影の思い出などを、5ページに渡って掲載しています。

▶イベント開催情報
ぼくのお日さま
2024年9月6〜8日/テアトル新宿、東宝シネマズシャンテ(先行公開) 2024年9月13日〜/全国公開 ※8月19日、ジャパンプレミア(東京・テアトル新宿)が決定。越山敬達さん、中西希亜良さん、池松壮亮さん、奥山大史監督が登壇予定。
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