2024年2月25日
グランプリシリーズ2023会見

町田樹がグランプリシリーズ開幕直前の選手たちに迫る! 

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樋口新葉選手へ「私自身は競技者として一度も楽しめたことはない。どうすれば楽しめるのでしょうか」

町田 よくぞ戻ってきてくださいました。復帰戦の東京選手権を拝見しましたけれども。まだまだもちろん本調子ではないと思いますが、樋口選手の底力というものを心底感じました。休養を挟んだわけですけど、オリンピックシーズンはたぶん楽しさっていうよりも、成績を求めていたシーズンだと思うんですね。休養して明けて、このシーズンは楽しむことを大事に、とおっしゃっていましたが、私は自分自身、競技者として楽しんだことは一度もない、楽しめたことが一度もないんですけれども。この楽しむって、ともすれば、すごく難しいですよね。どうすれば楽しめるんでしょうか。

樋口 復帰してからの練習でも、全然ジャンプが跳べないところから今のところまで来ているので、その跳べるようになるっていうことがすごく楽しかったり、本当に小さいことでも自分ができるようになったりするということが楽しいというふうに思える要因の1つになっていると思います。その中でも、やっぱり試合で結果を残さなきゃいけなかったり、自分の求めている演技がしたいという気持ちのほうがやっぱり強くなってしまうので。本当に落ち着いて、試合でちゃんと自分が練習したことがそのまま出せるようになって、試合の会場の雰囲気をやっと楽しめるかなというふうに思います。普段の練習の中で、2年前のシーズンとかとはまったく違う気持ちで練習ができているので、それをそのまま試合でも落ち着いて出せると、楽しめるんじゃないかなっていうふうに思います。

町田 普通にバシバシにやっていたら、少々のことじゃウキウキ感ないもんね。私も現役時代、トリプルアクセルを降りてもなんの感動もなかったけど、もう1回それを感じ直して、パフォーマンスを見つめ直す機会にしているという、それは非常に貴重な機会だと思います。休養しなかったらできないことだし。なにより樋口選手の力は、プログラムを1つの作品として完成させる力だと思うので、そこもぜひ見せてほしいなと思って楽しみにしています。

三浦璃来&木原龍一組へ「お2人の考える理想のペア選手像や演技のあり方を教えてください」

町田 何よりもまず、本当に世界チャンピオン獲得おめでとうございます。日本勢初のチャンピオンですよね。私は木原選手のシングル時代、一緒の競技会に出て、転向した時も知っています。あれからだから、約10年、10年1単位でよくぞここまで上り詰めたなと、感慨深い思いでお2人のご活躍を見ていました。
世界チャンピオンになったということは、ある意味、行き着くとこまで行き着いたということですよね。だから、追う選手がいないとなると、過去の自分を超えていくしか前に進めないですよね。先ほど(SP)83点、(フリー)150点という具体的な数字も出されていましたが、そういうスコアを獲得していくということと同時に、やはりどういう演技でそのスコアを獲得したいのかというのが非常に大事なポイントになってくる。お2人が考える理想のペアの選手像だとかあるいは演技のあり方みたいなものがあれば教えてほしいなと思います。つまりどういう演技でそのスコアをとりたいのか。

木原 いま現在、ぼくたちのスタイルっていうのは、どちらかといったら、技術的に点数を稼ぐタイプだと思いますので、世界でこれから勝ち続けるため、またその歴代の世界チャンピオンの方々、オリンピックでメダルを獲得されたチームの方々に追いついていくには、技術だけではなく表現面も、もっともっと上達していかなければいけないんじゃないかなって思っております。

三浦 技術面もそうなんですけど、さきほど言っていただいた表現面でもパワーアップできたらなと思います。

町田 もうすでにお2人はスロウジャンプの前にいろんな工夫をしたり、ユニークなムーヴメントをプログラムにちりばめながらパフォーマンスをされています。新しい振付、新しい動作の開発と、どう音楽を表現するのか。そういう点で、どんな2人の演技が見られるのか、注目しながら、期待しながら応援しておりますので、がんばってください。とても貴重なお話をいただきありがとうございます。
                   


今季のグランプリシリーズは、10月20日(金)にスケートアメリカで開幕し、カナダ、フランス、中国、フィンランド、日本(NHK杯)の6ヵ国で開催される。最大2戦に出場し、獲得ポイントの上位6人(組)がグランプリファイナル(12/7-10、北京)に進出する。

日本選手たちの活躍とともに、元競技者の視点と気鋭の研究者ならではの考察に満ちた町田さんの解説を楽しみにしたい。

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