鍵山優真選手へ「完全復調を100%とすると、今何%まで仕上がっていますか」
町田 カロリーナ・コストナーさんのご指導の下に磨かれたスケーティングと表現、非常に素晴らしいと思いました。本当に感銘を受けました。昨シーズン、けがで苦しまれたわけですけれども、雑誌のインタビューで、鍵山選手は完全復調を「4回転フリップやトウループを入れて300点超え」と定義されています。いま現在、それを100%とみた時に、ご自身が何%くらいまで仕上がっているのか、あるいは、GPシリーズの過程を通じてどこまで引き上げたいのか、お聞かせいただけたらと思います。
鍵山 現時点での完成度は30%かそこら辺だと思います。というのも、滑っている感覚としては結構いい動きができていたりとか、いい感じって思っていても、改めて試合の動画を見返したりすると、思っていた表現ができていなかったりとか、体の動きが小さかったりとかで結構、課題もたくさん発見することができました。GPシリーズでは、教えていただいた指導をしっかりと生かせるように、もっともっと自分の個性とか表現というものをより追求して、SPでは力強い動きだったり、脱力感だったり。フリースケーティングでは繊細な動きの中のパワーのあるスケートだったりというものを、もっともっと引き出して、自分だけではなく、見ているお客さんだったりとか、ジャッジのみなさんがプラス5を押したくなるような、そして9点台、10点を押したくなるようなプログラムを滑るのが目標です。
町田 ロンバルディア杯ではちょっとかたさが見られていたけれども、東京ブロックでは飛躍的に両プログラムの成長が見られて、たぶん30%というのは謙遜で、70~80%仕上がっているのではないかと思っています。いまの鍵山選手の完全復調の定義以上に、今季、GPシリーズ、もしくはそのあとを通して飛躍していくのだと期待しています。がんばってください。
坂本花織選手へ「完璧に見えますが、どんなところが課題で、どう解決しようと思っていますか」
町田 まずは大学ご卒業おめでとうございます。そして昨日(10/7)のジャパンオープン優勝おめでとうございます。荒川さんもおっしゃっていましたけれども、今季序盤で、あそこまで仕上げられるはさすがだなと思いました。昨日の演技ははたから見ていても完璧なんじゃないかと見えたんですが、ご自身の中ではまだ課題があると、インタビューで答えられていたけれども、どんなところが課題に見えたのか。その課題をGPシリーズでどう解決し、あるいは弱い部分をどう発展させようというふうにお考えなんでしょうか。
坂本 昨日のジャパンオープンの映像はまだ見返せてはいないんですけど、オータムクラシックだったり、その前のげんさんサマーカップだったりの映像を見返す限り、どうしても頭の中はジャンプのことでいっぱいになってしまうので、それ以外の表現力の部分でもうちょっとこう動けたらいいのにな、というのがすごくたくさんあって。それを直すために、最近は日ごろからずっとプログラムを録ってもらったりして、もうちょっと表現力の部分をよくしたいなと思って。とくにそう思うのはステップ部分で、どうしても息を整えるために上半身の動きが小さくなってしまうので、そこをもっと改善していけたらなって思っています。そこを今後は、重点的に直していけたらと思っています。
町田 ジャンプがあれだけ盤石だったら、そこの部分は非常に強化しやすいですよね。そういうところもGPシリーズを通して成長・発展がみられるのではないかと期待しています。がんばってください。