TVアニメ『メダリスト』×フィギュアスケート中継のスペシャルコラボイベントが8月14日、SUMMER FES LIVEアリーナ(六本木ヒルズアリーナ)にて行われました。TVアニメ『メダリスト』で主人公・結束いのりの声を務める声優の春瀬なつみさん、いのりのコーチ・明浦路司役を務める声優の大塚剛央さん、同作でフィギュアスケートの振付とモーションキャプチャーを担当した鈴木明子さん、テレビ朝日「フィギュアスケートグランプリシリーズ/ファイナル」でメインキャスターを務める松岡修造さんが登場。2026年1月より第2期の放送がスタートするTVアニメ「メダリスト」と、フィギュアスケートについての熱いトークが繰り広げられました。
松岡「メダリストは3つの基礎点がある作品」
8月14日、SUMMER FES LIVEアリーナ(六本木ヒルズアリーナ)には、「メダリスト」のグッズを身に着けたファンたちが集結。イベントの始まりを待つ観客の前に、松岡修造が一足先にサプライズ登場。「今日は声優さんたちに会いにきたんでしょ?」と客席に問いかけた松岡だったが、鈴木明子の応援バナーを持った観客を見つけて鈴木の魅力を聞き出すなど、サービス精神あふれるトーク力を発揮し、会場はイベント開始前から和やかかつ熱い空気に包まれた。
イベントの司会は、大のフィギュアスケートファンであるテレビ朝日アナウンサーの鈴木新彩が務めた。トークが始まると、まず絶好調のTVアニメ『メダリスト』の話題に。改めてこの作品の魅力を尋ねられた春瀬は「フィギュアスケートへの愛で引き合わされた2人が人生2つぶんの勇気をかけて金メダルを獲るという熱いスポーツのストーリー。フィギュアスケートを知らない方でも、すごく熱く見ることができて、そしてフィギュアスケートがどんどん好きになっていく、そんな魅力のある作品だと思っております」、大塚は「原作が本当に熱量がすごいのですが、アニメになってキャラクターたちの声もついて、『メダリスト』という作品が立体的になった。本当に魅力は語りつくせないので、もう原作を読んでアニメを見てくださいというのがいちばんですね」と作品の魅力を熱くPR。
さらにTVアニメ版を視聴しているという松岡は、「魅力は全部です。フィギュア的に言うと、しっかりと3つの基礎点があるんですよ。世界のメダルを獲りたいっていうのが1番目で、2番目は技術的な部分。あっこさん(鈴木)が(モーションキャプチャーとして)入っているからこそ、見てる側も(フィギュアスケートを)学んだような気持ちになる。3つ目は人間力です。見てるだけで、もう感極まる、成長できる、学べる。最高の傑作だと思ってますね」とフィギュアスケート中継のキャスターならではの視点からコメントした。
リアルに描かれているところに、見ていて心が奪われていく作品
プロフィギュアスケーターの鈴木は、作品のリアルな部分とアニメならではの部分を尋ねられ、「選手同士の心情だったり、コーチや親との関係を見て、『こういう親いる!』とか、『こういう選手たちいる!』と感じます。あと試合中の心情の動きって、(実際の)演技を見てたらわからないんですけど、アニメ上だとそのときに考えてることが台詞として乗るじゃないですか。そうすると、焦りだったりとか、取り返そうとする気持ちだとか、そういう部分がリアルに描かれているところに、見ていてまさに心が奪われていく、そんな作品だと思います。(アニメならではだと思うのは、)ちょっとみんな上手すぎるところ。あんなに早くは習得できないですよ、やっぱり。(笑)私もあれくらい早く(いろいろなジャンプを)跳びたかったんですけど、じつは時間がかかる。でも、挑戦はきちんと結ばれるというところは(ちゃんと現実と)つながっているなというふうに思います」とスケーターの感想を語った。
熱いトークの後、会場の大型スクリーンにTVアニメのスケートシーンが映し出された。主人公のいのりと、「天才少女」とされている狼嵜光、気性が荒い性格で、いのりより年下のスケート仲間、三家田涼佳(ミケちゃん)の演技が流れると、モーションキャプチャーを担当した鈴木は「個人的に、振付して、滑っていて、いちばん楽しかったのはミケちゃん。(光の演技は、)私は天才少女の気持ちがわからなかったんですけど、天才少女ならこうであるだろうという雰囲気を表情からも作って滑ってみました。ミケちゃんのときはミケちゃんを降ろして滑るし、いのりちゃんのときはいのりの気持ちになって滑りました。スタート位置につくまでも、気合いが入る子もいれば、緊張を落ち着けようとしている子もいるので、キャラクターによって演じ分けていきました」と、映像を見ながら収録当時の心境を振り返った。
さらに、「司?修造?どっちのセリフクイズ!」という観客参加型の楽しい企画も。お題となる台詞を大塚と松岡が読み上げ、その台詞が司のものか松岡のものか、観客が挙手で答えるというゲームだ。松岡は“いのりに対して言う”という設定で台詞を読み上げ、その熱いパフォーマンスで客席を盛り上げた。
また鈴木と松岡は共に元トップアスリートということもあり、「怪我で思うように練習ができない時期にどのようなことを考えたか」「自分よりも実力が上の相手に挑むときは、どのようなことを考えていたか」という質問に2人が答えるコーナーも用意されたが、このなかで松岡は大塚に「いまのぼくの“怪我”にあたるのは、(応援するための)声が出なくなること。大塚さんは声が出なくなることはないんですか」と逆質問。「やっぱり風邪をひいたりとか、感染症とかになっちゃったときに、体は元気でも、鼻が詰まってるだけで、もうできないんですよ。鼻が詰まってる声になっちゃうと、もうそのキャラクターじゃなくなっちゃうので、気をつけていかないといけないですね」と声優の苦労を語る大塚に、「ぼくは失格だな! 世界水泳(のキャスター)は鼻声でやってたから」とジョークを飛ばすと、他の登壇者全員が立ち上がって爆笑するシーンもあった。

春瀬「いのりちゃんと一緒に生きていくうえで、私も自分と戦いながら生きていきたい」
大のフィギュアスケートファンだという春瀬は、「選手時代、長いオリンピックシーズンにどう向き合って、戦っていかれましたか」と鈴木に質問。鈴木は「初めてオリンピックを目指そうと思って戦ったのがバンクーバーのときで、グランプリシリーズ初戦の中国大会で優勝したことによって、大きく波に乗れたんです。で、さらにそのときは東京開催のグランプリファイナルで表彰台に乗れたことが後押しになった。自分もどんどん『あ、いけるかもしれない』って思いますし、周りの人たちも『あ、これは波が来てるぞ』というムーヴメントになっていくような感じがしました。それを大きく利用できて、自分も自信がつきました。まさに今年はそんな面白いグランプリシリーズになるんじゃないかなと。ただ、選手たちにとってはすごく苦しい。でもそんなときにやっぱりコーチだったり、周りの人たちだったり、ファンのみなさんの応援っていうのが本当に力になるので、ぜひみなさんもその熱い気持ちを持って選手たちをグランプリシリーズから応援してほしいなと思います」と、これから始まるグランプリシリーズをアピールした。
最後に、登壇者が観客に挨拶。松岡は「今後、(TVアニメ『メダリスト』の)第2期、そしてグランプリシリーズと、『(これぞ)メダリスト』って感じるものを少しでも伝えていきたいなと思いました。(観客に向かって)これだけ暑いなか一生懸命聞いてきたみなさんがメダリスト!」、鈴木は「『メダリスト』に描かれている、スケートの世界の中の部分、恐怖に、グランプリシリーズに出ている選手たちも挑んでいるので、そういったところも含めて、どちらも楽しんでいただけたらいいなと思っています」、大塚は「今日みたいな機会ってなかなかないので、新鮮な視点で学ばせていただけて、うれしかったなと思います。松岡修造さんの日めくりカレンダーの台詞もありましたけど、“明浦路司のほめくりカレンダー”というグッズも出ておりますので、よければそちらも。(笑)せっかくのコラボなので、ぜひみなさんと一緒に盛り上げていけたらなと思います」、春瀬は「やっぱりトップアスリートのお2人の言葉は真っ直ぐ胸に入ってくる、自分と戦ってこられたからこその言葉だな、自分もいのりちゃんと一緒に生きていくうえで、自分と戦いながら生きていきたいなと改めて思いました。『メダリスト』もフィギュアスケートも、そしてオリンピックもありますし、両方ともどんどん盛り上がってくるシーズンにこれからなってまいりますので、どうぞどちらも応援をたくさんしていただければなと思います」と語り、熱い余韻を残して、イベントは終了した。
フィギュアスケートグランプリシリーズは10月よりテレビ朝日系で放送予定。TVアニメ『メダリスト』第2期は、2026年1月よりテレビ朝日”NUMAnimation”枠(毎週日曜1:30-2:00)にてスタートする予定だ。