2025年7月8日
ゼビオアリーナ仙台がリニューアル! 杜の都に国際規格のスケートリンクが誕生

仙台市アリーナ開館記念「The First Skate」 羽生結弦、本田武史らが舞う

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羽生結弦「好きな場所で、好きな仲間と、好きな先生と、一緒にずっとできたらいい」

「The First Skate」を終え、本郷理華、鈴木明子、羽生結弦、本田武史が並んで、メディアの取材に応じた。

―― 演技を披露し終えた率直な感想をお願いします。
本郷 まずこの新しいリンクで演技ができてうれしかったです。
鈴木 私は、第2のふるさとと思っている仙台で、先輩後輩たちと一緒に滑ることができて、貴重な機会を楽しめました。
羽生 先輩方……本郷さんは後輩なんですけど、やっぱり地元のスケーターのみんなと一緒に、こうやって1つのショーを作り上げて、仙台の地で、みんなで何かを作り上げることの楽しさと、またそれを仙台の方々、仙台に集まってくださった方々に対して発信できたのは、すごく良かったなと思います。
本田 仙台で滑れたことは本当にうれしいと思います。やっぱり仙台はオリンピックチャンピオンが2人いるというのも、この盛り上がりも、ならではだと思っています。また2人だけではなくメダリストもいますし、今日一緒に滑ったスケーターたちも、世界でメダルを獲れるような選手になってほしいなと思います。

―― 新たなリンクが仙台の人にとってどのような場所になってほしいか。
本郷 私が仙台でスケートを始めたころに偉大な先輩方がたくさんいて、フィギュアが強いんだとなんとなく感じながら、先輩たちの背中を追いかけようと思って頑張って練習をしようとやっていたんですけど、やはり一度リンクがなくなってしまって、練習拠点を名古屋にうつしたので。これからの選手はそういう思いをせずにいましていることをずっといい環境でやれたらいいなって思っています。いままであまりスケートを身近に感じていなかった方も身近に感じてもらって、どんどん仙台でスケートをする人が増えたら、すごくうれしく思います。
鈴木 私も当時仙台にいたときに、リンクが一度閉鎖されてしまって、まさに署名活動をしていたんですけれども。選手たちはリンクがないと練習にならなくて、続けることができないんです。新しくリンクができて、練習環境がよくなって、また夢から目標に変わって、ここでショーとか大きい試合に出てみたいという選手が、そういう目標が育っていったらいいなと思いますし、見る方もスケートを身近に感じて一緒になって盛り上がっていけたらいいなと思っています。
羽生 もう本郷さんと鈴木さんがすべて言ってくれたので……。
鈴木 ゆづの言葉がほしいんだよ、みんな。(笑)
羽生 そのとおりだなと思う言葉をいただけたので。あとやっぱり、本田さんもそうなんですけど、どうしても仙台のリンクで練習し続けるという中で、世界のトップを狙っていくことになっていくと、もっと恵まれた環境に行かざるを得ないということが、ぼくも含めてあって。そういうことがあると、やっぱり自分たちも故郷への思いであったり、家族への思いであったり、仲間への思いであったり、いろんなことが「うわっ」てなる日が絶対あるので。やっぱり好きな場所で、好きな仲間と、好きな先生と、一緒にずっとできたらいいなって思いました。
本田 本当に言うことがなくなってしまったんですけど(笑)、やはりこれだけの素晴らしい会場もありますから、今後も練習だけではなく、競技会などを通して、スケートを見に来る方が増えたり、スケートをやりたいなという環境づくりに一歩進んだのかなと思うので、今日「The First Skate」でいいスタートだったのではないかと思います。

―― (羽生さんに)仙台の子どもたちと一緒に滑ったことや自身がスケートを続けていく思いについて。
羽生 体が動くうちは、全力で全身全霊で滑り続けたいと思います。後輩に背中を見せるとか、そんなのは関係なくて、フィギュアスケートの可能性を切り拓きたいとかも全然関係なくて。ただひたすら、自分が目指しているものであったり、また新しいものであったり、理想だったり、そういったものをつねにアップデートしながら、良いものを、日本に、世界に発信できるように頑張っていきたいと思います。後輩たちと一緒に滑ったことについては、ぼく自身、本田さんや鈴木さんと一緒に滑ることが、小さい頃からアイスショーであって。そのたびに非常に大きな刺激を受けてきました。ぼくは小学校6年生の頃からシニアのアイスショーに参加させていただいたんですけど、その時にものすごく間近で見るジャンプの迫力、表現力、スピードの緩急などすごくいろんなことに刺激を受けました。そして、勉強になりました。今日ここで滑った子どもたちが、そうやって、ちょっとでもぼくらの中から刺激を受けたり、また勉強になったり「こいつらより絶対うまくなってやる」と思ってくれるような子たちが出てきてくれたら、うれしいなと思います。

―― 今日滑ったソロのプログラムの選曲理由とそれに込めた思いについて。
本郷 今回滑ったプログラム(「Love Never Dies」)は、自分のなかではすごく挑戦で、選手のころにはあまり滑ったことのないジャンルの音楽のプログラムです。新しい、自分の中でもプロになってから挑戦したことの1つだったので、そのプログラムを新しいところで滑れたらいいなっていうのと、あとはお気に入りのプログラムだからです。
鈴木 「月の光」はだいぶ前のプログラムなんですけれども、私自身がこのプログラムが大好きなものであるというのと、私は月の光に、落ち込んでいるときに空を見ると、月がきれいだなと思って、すごく励まされることがけっこうあって。そういう照らしてくれる存在というか、自分のスケートでも人の心を照らして穏やかな気持ちになってもらえたらといいなという気持ちを込めました。


羽生 始まりということがテーマでもあるので、自分にとっては、始まりの季節、春というようなイメ―ジで「春よ、来い」を選ばせていただきました。何か少しでも今日滑った子たち、見に来てくださった方々に、季節だけじゃなくて、見たことがきっかけで何かが始まったり、何か一歩進めることができたらいいなという思いを込めて、祈りを込めて滑りました。個人的には、本田さんの「リバーダンス」がめちゃくちゃ熱かったです。(笑)
本田 「リバーダンス」にした理由は、とくに……なかったんですけど。いまのスケートのルールの難しいステップをやったりするなかで、この「リバーダンス」はちょっと異色な時代のプログラムなので、そういうのもスケートとしては見せられるんだよというのもありましたし。本田武史と言えば、「アランフェス(協奏曲)」か「リバーダンス」なので。
羽生 「ドン・キホーテ」は?
本田 「ドン・キホーテ」(2002年ソルトレイクシティ・オリンピックで滑ったSP)はちょっと封印です!(笑)「リバーダンス」のほうが楽曲的にも盛り上がるかなと思いますし、やはり最初のときにバーンと盛り上げたいな、自分の気持ちも盛り上げたいなという理由もありました。

―― このリンクで初めて滑った氷の感じなどを教えてください。
本郷 慣れるまで時間はかかってしまったんですけど、すごく広くてお客さんもいっぱい。きれいでかっこいい会場だったなって思いました。
鈴木 まだ氷が張りたてで。氷を作ってくださる人たちがいい氷にしようと努力してくださって、今日を迎えられた。本番はいい氷で滑れたと思います。今日は照明が明るいなかだったので、上の席の方たちも近く感じられる会場でいいなと思いました。
羽生 専門的なことを言うと、バスケットボールであったりとかアーティストさんのイベント用に作られていた会場なので、そもそも常設の氷を張るというのは非常に大変な作業だったと思います。そんななかで、今日も非常に暑いですし、室温だったり、湿度管理だったり、本当にいろんなことを試しながら、やっとできた氷だなということを改めて感じつつ、すごく感謝したいと思いました。張りたてであるので、これからいろいろな経験を積んで、もっともっと試合でも活躍してくれるような氷になってくれると思いますし。お客さんも入ったときに、鈴木さんも言っていましたけど、すごく表情が見える。近くに演技の質感を感じられる会場なので、ぜひ足を運んでいただけたら嬉しいなと思います。
本田 まず滑った感じは、ぼくは滑りやすかったと思います。ちょっと暑くて体力が消耗しやすかったというところはあるんですけれども。スケートだけではなく、バスケットボールやコンサートなどいろいろなことができる会場は日本全国ではなかった。スケートやりながら、多目的に利用できる建物ってすばらしいし、使いやすくなるんじゃないかなと思っています。

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