7月5日、国際規格の通年型スケートリンク「仙台市アリーナ(ゼビオアリーナ仙台)」(仙台市太白区)の開館を記念して、開館記念式典と、仙台市ゆかりのスケーターによるアイスショー「The First Skate」が行われました。スケートリンクを備えた多目的アリーナに生まれ変わった“ゼビオアリーナ仙台”で、羽生結弦さん、本田武史さん、鈴木明子さん、本郷理華さんが地元仙台のスケーター24人と共演し、思いのこもったパフォーマンスで開館を祝福しました。演技を終えたプロスケーター4人のコメントとともに紹介します。
国際規格のスケートリンクを備えた多目的アリーナが誕生
午前11時から行われた開館記念セレモニーには、仙台市の郡和子市長らが出席し、テープカットを行い、開館を祝った。郡市長は「仙台市は日本フィギュアスケートの発祥の地ともいわれる五色沼がございます。また荒川静香さん、羽生結弦さんという2人のオリンピック金メダリストを輩出し、いまも多くの選手が育っているフィギュアスケートの聖地でもあります。長年関係者の皆様から、フィギュアスケートの練習環境が厳しいという声を多くいただいて参りましたが、この度ゼビオホールディングス株式会社様からのご寄付を受けて、国際規格のスケートリンクを有するこの仙台市アリーナが開館できることをたいへんうれしく思います」とあいさつ。「このスケートリンクで練習し、世界に羽ばたく選手が出てくることを心から期待するとともに、アイスショーなどの開催を通じ、さらにフィギュアスケートの魅力発信や競技人口の拡大につなげたい」などと期待を述べた。
また、テープカットに参加した地元のアイスリンク仙台で練習する小山蒼斗選手(東北高等学校1年)は、「国際規格のリンクができて、練習環境としてとてもよかったと思います。全日本ジュニアに出場してトップ5に入ることが目標。将来は成長して、羽生さんのような表現力豊かなスケーターになりたい」と話した。
仙台市ゆかりの28人のスケーターが滑りで開館を祝福
開館記念アイスショー「The First Skate」は午後1時40分、10分遅れでスタートした。オープニング(阿部奈々美振付)では、まずアイスリンク仙台で練習するスケーターたちが「Legends Are Made」に乗って、Tシャツ姿で群舞を披露。続いて、フィギュアスケートファンなら知らない人はいない名曲「Nessun Dorma」では、プロスケーターの本郷理華、鈴木明子、本田武史が次々にリンクに登場。最後に、羽生結弦がリンクインすると、仙台市民を中心に国内外から集まった3378人の客席からひときわ大きな歓声が沸き起こる。真新しいリンクを疾走し、レイバックのイナバウアーなどで観客の視線をくぎ付けにした。
ソロナンバーを披露したのは、テープカットをした小山蒼斗と、吉田けい(宮城FSC、常盤木学園高等学校3年)。地元スケーターの次世代を代表する2人のみずみずしい演技に続いて、本郷理華がドラマティックな「Love Never Dies」、本田武史が代表作の1つである「リバーダンス」で会場を盛り上げた。今回出演は叶わなかった千葉百音(木下グループ)、佐藤駿(エームサービス/明治大学)、荒川静香からのビデオメッセ―ジが紹介されたあと、鈴木明子がドビュッシーのピアノ曲「月の光」でしっとりと舞った。
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