2024年6月14日
スケーターのセカンドキャリア~フィギュアスケーターからミュージカル俳優へ転身!~

INTERVIEW イ・ジュヌ「舞台への情熱を届けるために」

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本日5月27日は、イタリアが生んだ伝説的な音楽家、ニコロ・パガニーニの命日です。フィギュアスケートのプログラムにおいても有名な「パガニーニの主題による狂詩曲」は、パガニーニの「24の奇想曲」の最終曲の主題をロシアの作曲家ラフマニノフが変奏した楽曲です。超絶技巧を駆使した驚異のパフォーマンスは、その代償に「悪魔に魂を売って手に入れた」とまで囁かれたほど。この稀代の天才カリスマ音楽家の波乱の人生を題材とした映画や舞台も多数製作されており、韓国ではミュージカル「パガニーニ」が現在上演されています。

そのミュージカルに、現在パガニーニの息子アキレ役として出演しているのが、ジュニアグランプリファイナルで宇野昌磨や山本草太とともに出場した経験もある、イ・ジュヌさん(選手時代はイ・ジュンヒョンとして競技会に参加)です。スケーター引退後、ミュージカル俳優へと意外な転身を果たし、異なるフィールドで表現者としてのキャリアを築いているジュヌさん。本誌101号では、「スケーターのセカンドキャリア」として、ジュヌさんのインタビューを掲載しています。本記事では、そのインタビューの前半部分をご紹介します!


―― 今回、主演された舞台「イソップ物語」を拝見して、素晴らしい歌声に驚きました。現役時代からミュージカルに関心があったのでしょうか。

ジュヌ もともと歌が好きでミュージカルにも興味があって、競技プログラムで「オペラ座の怪人」を滑ったこともあったんですが、2015年に「ジーザス・クライスト・スーパースター」の舞台を見て、自分も将来はミュージカル俳優になりたいと思うようになりました。

―― 引退後、どのようにミュージカル俳優の道に?

ジュヌ コロナのパンデミックで大会がキャンセルになり続けて、これからの進路を悩んでいるとき、「ジーザス・クライスト・スーパースター」のオーディションがあることがわかり、受けることにしたんです。受けた役はだめだったんですが、別の役を受けてみないかと向こうから連絡をいただいて。それでオーディションに行ったら、周りはみんな音楽関係の出身で、歌を聴いたり楽譜を見たりしている。でもぼくは運動選手出身なので、軽くランニングをしたり、ウォームアップをしたりしてからオーディションを受けました。(笑)それをきっかけに本格的に俳優を目指すことになりました。そして「ラ・レヴォリュシオン」のオーディションで合格して、俳優としてデビューしました。役をいただいて、フィールドに直接飛び込むみたいな感じになった。ものすごく練習して初舞台に臨んだんです。幸い、無事に初舞台を演じ終えました。

―― スケートと舞台、いちばん違うなと思ったのはどんなことでしたか。

ジュヌ スケートは1人でやるものですが、舞台はほかの俳優と台詞を交わしたり、目と目が合ったり、感情がぶつかったりすることが特別だと思います。ぼくは稽古がいちばん楽しくて、これがどんな作品になるんだろうと想像しながらみんなで作っていくのが楽しいし、本番前のリハーサルで初めて形になった舞台を目にするのは本当にどきどきします。完成したものを見ることで新しく見つかることもあって、それも楽しいです。

―― 選手時代の経験が役に立っていると思うことは。

ジュヌ 試合ではすごく大きな会場で滑ったことがあるから、それよりは劇場は小さいし(笑)、あまり緊張しません。以前は1人で滑っていたけどいまはみんなと一緒ですし。練習に必要なスタミナがあって、たぶんメンタルも強いほうなので、あまり疲れません。動きがある場面でも自信をもって動くことができます。

―― 舞台俳優の仕事で大事だと思う点はどんなところでしょうか。

ジュヌ まず、台本を読んだり、音楽を聴いたりしながら想像力を働かせるのが大切ですよね。俳優である自分自身が、「この物語は本物だ」と思うことがなにより重要だと思います。舞台上でその役柄の人生の全部を見せるわけではないので、ぼくはまず日記を書いてみたりして、人物のそれまでの物語を自分のなかで作り上げるようにしています。新しい人物を作り上げて、演じるのは本当に楽しいです。

―― いまは「パガニーニ」にご出演中ですが、どんな役作りをされていますか。

ジュヌ パガニーニの息子アキレの役で、舞台のナレーターでもあります。舞台を最初に開けて、最後に閉める役回りなので、劇場全体をどう導くかということを考えながらやっています。大きな劇場で演じるのが初めてなので、お客さんにきちんと伝えること、理解してもらうことをすごく意識していますね。こんな大編成のライブバンドと一緒に合わせながら歌うのも初めてなので、自分の演技以上に外部との関わりに気をつけながら舞台に臨んでいます。


本誌101号でのみ掲載しているインタビューの後半部分では、クリケットクラブでともに練習をした羽生結弦さんの印象的なエピソードや、一緒に大会に出場した宇野昌磨さんや山本草太選手への想いなどを語ってくれています。
また、韓国・ソウルの国立中央博物館劇場では、6月2日までミュージカル「パガニーニ」が上演中! この機会に本場で韓国ミュージカルを楽しんでみてはいかがでしょうか。

プロフィール
1996年10月28日生まれ。本名のイ・ジュンヒョンとして韓国選手権のタイトルを3回獲得し、韓国の男子シングル選手として初めて2015年ジュニアグランプリファイナルに進出。2017年のネーベルホルン杯で韓国に平昌オリンピック出場枠をもたらした。2021年に現役を引退。同年「レ・ヴォリュシオン」でミュージカル俳優としてデビューし、以降小劇場を中心に「V Ever After」「ミス」「ブラザーズ・カラマーゾフ」などで伸びやかな歌声と幅広い演技力を披露。2024年3~4月は「イソップ物語」に主演した。4~6月には「パガニーニ」で初の大劇場公演に進出する。
▶イベント開催情報
パガニーニ
~6月2日/国立中央博物館劇場(韓国・ソウル) ※interparkほかチケットサービスで日本からも購入可能
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