2024年11月10日
クローズアップ:アイスダンス・リズムダンス

田中梓沙&西山真瑚組「新しい自分たちを開拓する」

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22日はアイスダンスのRDが行われ、田中梓沙&西山真瑚組(オリエンタルバイオ)が71.08点でトップに立った。全日本選手権4回優勝の小松原美里&尊組(倉敷FSC)、全日本予選会を制した吉田唄菜&森田真沙也(木下アカデミー)を抑えての首位折り返し。アイスダンサーとしては、西山は2度目、田中は初の全日本。結成7ヵ月の期待のカップルが、「スーパー・マリオ・ブラザーズ」のポップなゲームミュージックで、表情豊かにいきいきとした踊りを披露した。

―― 素晴らしい滑りで、勢いもありました。いかがでしたか。

田中 まずは全日本選手権で初めのRDが迎えられてよかったなと思っています。

西山 こっちに来てからあまり調子がすぐれてなかったので、でも本番はちゃんと自分たちで緊張や体調をコントロールして、いい演技ができてすごくうれしいです。

―― 71点を超えたことは。

田中 なんかすごく、すごくありがたいなっていう風に思っています。

西山 まさかこんなに高い評価をしていただけるとは思ってなかったので、率直にすごくうれしいです。

―― 西山選手のもともとの持ち味でいうとゆったりした曲が多かったなかで、今回こういう攻めのプログラムになった理由は。

西山 本当にもうロマン(・アグノエル)先生がこの曲を持ってきてくれたのが理由で。はじめ聞いた時はすごいびっくりしたんですけど、でも、なんか面白い試みだなと思って。自分としても新しいし、梓沙ちゃんにとっても多分すごく新しい試みだったと思うので、新しい自分たちを開拓するという意味でもチャレンジしてみようと思いました。実際に滑ってみて振付してる時とか演技を練習してる時も、すごく楽しい曲で、楽しく演技がいつもできるので、この曲にしてよかったなと思っています。

―― 全日本に向けて特に意識して磨いてきたり、練習してきた部分は。

田中 まずは(12月上旬に)ゴールデンスピンの派遣をしていただいて、国際試合を経験させていただき、自分たちの中でスケーティングスキルだったりとか、スピードだったりとかがまだまだ足りていないなと課題が見つかったので、全日本まではスケーティングのスピードや、もっと深く乗るっていうのを考えること、プラス自分たちがゴールデンスピンで出しきれなかった力を出すっていうのが目標だったので、それを中心的に練習してきました。

西山 はい、そうですね。ぼくたちも全日本予選会(10月下旬の西日本選手権)が終わって、またゴールデンスピンを経て、自分たちの弱点がスケーティングスキルやコンポーネンツスコアのところにもあるなっていうのを強く感じたので、短い時間ではあったんですけど、そこを強く意識して、スケーティングスキル、フリーレッグ、スピードといった部分を意識して練習してきました。

―― (西山選手に)去年シングルで出て、今年アイスダンスでこうやって帰ってきたことについては。

西山 去年全日本に出場した時は、来年の全日本はアイスダンスで戻ってこれるかなっていう風に不安の気持ちがたくさんあったんですけど、こうして梓沙ちゃんとカップルを組めて、この全日本の舞台に戻ってこられて、そしていい演技を披露することができたので、すごくうれしいです。

―― 緊張や体調の不安があるなかで、どういう話をしてここまで落ち着いてリンクに立つことができたんですか。

田中 やっぱり日本に帰ってきてから、別に調子が悪かったっていうわけではないんですけど、ちょくちょく小さなミスが重なることが多かったので。でも試合本番はとりあえず大丈夫、大丈夫と2人で言い聞かせて挑みました。

西山 ゴールデンスピンが終わってから1週間カナダに戻って、すぐに日本に戻ってくるという、わりとタイトなスケジュールの中で長野にやってきて、なかなか自分の中では調子をコントロールするのが難しかったんですけど、とにかく練習を信じて、あとは先生の言ってることを信じて、ずっと朝の公式練習が終わってから今日の本番まで、自分に言い聞かせてたので、それがうまく形に繋がってよかったと思います。

―― 最後に終わってからハグされて、少し話をされていましたね。

田中 とりあえずよかったねって。

―― トロントのクリケットクラブからモントリオールに移られたんですね。

西山 クリケットクラブはもちろんアイスダンスの時間もあるんですけど。メインはやっぱりシングルがすごく強いクラブでした。今回、アイスダンスに専念するということで、アイスダンスで世界でもいちばん環境がいいと言われているところに行って、自分たちをもっと強くしたいなとか、もっとアイスダンスで上を目指したいなっていう風に思ったのでモントリオールに移った。本当に素晴らしい先生や、素晴らしい選手に囲まれて練習ができて、毎日刺激的でとてもいい環境に身を置けたなと思っています。

―― 田中選手も木下アカデミーのころはシングルの選手が多い環境でしたが。

田中 こんなに世界のトップのアイスダンサーの選手たちが集まっているクラブがあるっていうのを真瑚くんやキャシー(・リード)先生からお聞きして、まず自分の中ですごくびっくりして。で、実際行ってみたら、シングルで切磋琢磨している選手たちと同じように、アイスダンサーの選手たちもみんな切磋琢磨しながら練習をしていて、木下でもシングルをしていた時は自分のすごく刺激的な環境だったんですけど、モントリオールでもアイスダンサーとして、もっと頑張らないとなっていう刺激をいただけるリンクだと思います。

―― アイスダンスに転向されて、しかもいきなりモントリオールに行って、すごい環境の変化だと思うのですが。

田中 言語が喋れないので、(西山選手に)ずっともうお世話してもらっているって感じなんですけど、本当にすごく助かっていて、いつもすごく感謝しています。

―― ストレスなく、うまく環境に馴染めてますか?

田中 はい。大丈夫。

―― フリーに向けては。

西山 今日の「マリオ」とは違って、バレエの「ジゼル」を演じるので、ファンの皆さん、日本の皆さんに自分たちの今日とは違った一面を見せて、いい出来をまたフリーも見せられるといいなと思っています。

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