2025年2月6日
グランプリファイナル2024プレスカンファレンス②男子シングルメダリスト

GPF男子メダリスト会見 鍵山&佐藤「メダルは素直にうれしい」

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12月5~8日にフランス・グルノーブルで行われたグランプリファイナル。日本から鍵山優真選手、佐藤駿選手の2人が参加した男子シングルでは、鍵山選手が4フリップを初成功させ、前回大会から1つ順位を上げて2位、2度目の出場となった佐藤選手は渾身のフリーでSP4位から追い上げ、3位で初のメダルを獲得しました!

優勝した“クワド・ゴッド”ことイリア・マリニン選手が全6種類7本の4回転をフリーに投入し、5位のミハイル・シャイドロフ選手が3アクセル+オイラー+4サルコウというビッグコンビネーションを成功させるなど、新境地への挑戦が目立った今大会。熱戦で大会を締めくくった男子メダリストたちの会見をお届けします。

7本の4回転と芸術性を1つにして完璧なプログラムへ

―― 3人ともおめでとうございます。まずはイリア、アレについて話しましょうか。まったくもってクレイジーで、なんと言っても歴史的なアレですね。史上初めて挑戦した6種類の4回転を含むフリープログラムです。どうして今日やってみようと思ったんですか。

マリニン グランプリファイナルに行くと考えたときに、技術的な可能性において自分自身に挑戦してみたいと思ったんです。ここ2年で努力してきた芸術性も取り入れて完璧なものにしたいと考えました。ここで全部を1つのプログラムにつぎ込んで、それがどうなるかを見ることは、ぼく自身への挑戦でした。

―― 全米選手権や四大陸選手権、世界選手権でもまた挑戦するということでしょうか。

マリニン まずは帰って、この作戦がぼくを世界選手権で助けてくれるものなのか、あるいはいいスケートをするには構成を下げるべきかどうか考えないといけません。

―― ユウマ、フリープログラムでは勝ちましたね。カロリーナ・コストナーがもたらしてくれたものについて聞かせてください。

鍵山 いつもの練習ではスケーティングだったり、表現力の部分をすごく丁寧に教えてくださいますし、試合になると気持ちの面ですごくサポートしてくださって、「いつも通りやればできるよ」、「しっかり落ち着いて」といったことを、ぼくが不安そうな顔をしているといつも言ってくださるので、そういったところはすごくありがたいです。コーチになって2年目ですけれども、ぼく自身が成長するためにいろんなことを教えてくれるので、すごく感謝しています。

―― シュンは、今夜メダルが獲れると期待していましたか。

佐藤 そうですね。まず、ここに来るときにメダルを獲ることを目標としていたので、メダルを獲ることができて率直にうれしく思っています。

―― イリアへの質問です。おめでとうございます。今日はテクニカルパネルが厳しめだったかと思うのですが、どのように感じましたか。

マリニン まだ結果が出たばかりなので、テクニカルパネルのことはしっかりとは考えられていないのですが、技術的な部分でトライした自分を誇らしく思います。今回の構成は、このプログラムを届けるという自分への挑戦でした。もちろん、現時点ではどこがもっと成長できる部分か、どんなことをもっと届けられるかを見るテストプログラムという段階。いずれにしても、今日の自分のパフォーマンスにはものすごく満足しています。

―― これもイリアへの質問です。もしミハイル・シャイドロフが跳んだ3アクセル+オイラー+4サルコウのコンビネーションを見ていたら、感想を教えてください。

マリニン 氷に出て行く前に、スケーターラウンジで彼の演技を見ていました。というのも、ぼくも彼が今日降りるのかどうかすごくワクワクしていましたから。彼のことをとても誇らしく感じました。とくに、冒頭のジャンプをミスしてしまったあとに、立て直して例のコンビネーションを跳びにいったところがね。みんなが競技を推し進めていく姿や、新しいことに挑戦して周りにインスピレーションを与える姿、勇気ある決断を下す姿を見ていると、ぼくまですごくうれしくなります。だから、将来的にはぼくも何か考えていくべきだと思っています。

みんなでいい演技をして”すごい全日本”を今年も

―― 鍵山選手にお聞きしたいです。グランプリファイナルでの自己最高位の2位という成績についての率直な感想と、大会前には「マリニン選手との距離を測りたい」とおっしゃっていましたが、演技を終えてどのように感じられているか、教えてください。

鍵山 今回の点数だったり結果は、自分自身が納得できるような結果だったと思いますし、ショートもフリーもミスがあったので、すごく悔しいですけれども、メダルを獲れたことは素直にうれしいです。でも、うーん……優勝も狙っていた部分もあるので、そこは悔しいです。イリア選手との距離感を測りたいと言いましたけれども、やっぱりまだまだほど遠いなとぼく自身も感じています。次は世界選手権で、もし出られたら、会えると思うので、それまでにしっかりと常日頃の練習から、イリア選手を意識しながらハードなトレーニングを積んでいきたいです。

―― 鍵山選手と佐藤選手に質問です。お2人はこのあとすぐ全日本選手権でまた一緒になると思いますが、ファイナルのメダリストとして臨む全日本選手権をどんな試合にしたいか教えてください。

鍵山 全日本選手権まであまり期間はないですけれども、今回いろいろまた新しい課題が出て、ジャンプの安定感はもちろんですし、やっぱりジャンプ以外のステップだったり、スピンでのレベルが全然とれなかった部分もあったので、そこらへんをしっかりと練習しながら、トレーニングを積んでいきたいと思います。練習から120%の出来でやっていけるように、とにかくがんばって練習したいです。

佐藤 時間もないので帰ってからすぐに今大会でダメだった部分、とくにショートプログラムをたくさん練習していって。去年、みんなで本当にすごい全日本選手権にすることができたので、今シーズンもみんなでいい演技をして、すごい全日本にできるようにがんばっていきたいと思っています。

―― イリアへの質問です。これから先の競技会で4回転+4回転へ挑戦することは頭にありますか。

マリニン いや。オフシーズンになったら、試合のプレッシャーがかかる場面でパフォーマンスするには何がベストなのかを考えないといけないなと思っています。

―― 鍵山選手に質問です。シャイドロフ選手が、3アクセル+4トウループや3アクセル+オイラー+4サルコウを跳んでいて、成長している選手ですが、彼の印象を教えてください。

鍵山 そうですね。あんな難しいコンビネーションを試合でやって成功させることが、まずすごいことで。いまの時代はそういう難しいコンビネーションだったり、たくさんの種類の4回転という時代になってきているのかなと思う。ぼく自身も世界のトップになっていくためには、4回転ももっと種類が必要ですし、いろんな個性を持った選手がたくさんいて、いろんな刺激をもらえるので、ぼく自身もいろんな選手のジャンプを見てやってみたいなと、ちょっと挑戦したい気持ちが生まれるので、また練習でやってみたいです。

―― イリアへの質問です。今回、表彰台に上がれたポイントはなんでしたか。

マリニン ここでのメインゴールは、新しい構成に挑戦して、この先の大会でどうすればこの構成をやっていけるのか確認することでした。

(2024年12月7日)

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