浅田真央さんが総合プロデュースし、立飛ホールディングスが竣工させた「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」が11月、東京都立川市に開業しました。長年の夢だったスケートリンクの完成にあたり、浅田真央さんは「たくさんの方の笑顔があふれるような場所になってほしい」と話しました。
この記事では11月8日に行われたオープニングセレモニーの模様をレポートします。また、浅田真央さんが現在の思いをたっぷり語ってくださった単独インタビューを、12月5日発売の「ワールド・フィギュアスケート」102号の巻頭で掲載しています。あわせてご覧ください。
MAO RINKは子どものころからの夢でした
東京・立川市、多摩モノレール立飛駅直結の「ららぽーと立川立飛」の隣に誕生した「MAO RINK TACHIKAWATA TACHIHI」。1000席の常設席がある国際規格のメインリンク(30m×60m)と、サブリンク(24m×40m)、トレーニングルームやスタジオなどを備えた通年型アイススケートリンクだ。春には満開の桜が見えるサブリンクの大きな窓をはじめ、クラシカルなイメージの外観には金と銀と銅のカラーが使われ、コンパルソリーの図形が描かれているなど、総合プロデュースした浅田さんのこだわりが随所にちりばめられている。11月11日のグランドオープンに先駆けて、11月8日にオープニングセレモニーが開催された。
午後1時、真新しい白いリンクに現れたのは、キッズスケーターだった。緊張した面持ちで、小さな男の子、女の子が順にソロ演技を披露。MAO RINKに対する思いを描いた映像上映をはさんで、白い和装の浅田さんが登場し、厳かな和の音楽に乗せて神々しく舞った。そのあと、浅田さんは4人のキッズスケーターと共演。子どもたちの背中をやさしく押すような振付も交え、未来にはばたく子どもたちへの温かいまなざしを感じさせる演出に会場はなごやかな雰囲気に包まれた。
酒井大史立川市長、立飛ホールディングスの村山正道社長も登壇したセレモニーであいさつした浅田さんは、「私はMAO RINKを作るというのが子どものころからの夢でした。世界一のリンクを作ってくださった村山社長をはじめに、立飛ホールディングスの皆様、そしてMAO RINKに携わっていただいたすべての皆様に感謝を申し上げます」と感謝の思いを伝えた。そして「本日私が滑らせていただいた曲は『ブライトフューチャー』になります。『輝く未来』という意味があります。一緒に滑った子どもたちや、またこのMAO RINKでスケートを学んで世界で活躍できるようなスケーターが育つことを願って、滑らせていただきました」と続けた。
セレモニーの後には、スケート教室も行われ、浅田さんは地元の幼稚園児約20名を指導した。スケートは初めてという子どもたちが多かったが、「重心を後ろにしてはだめ。絶対前ですよ」「転んでも大丈夫。手を前について」といった浅田さんのアドバイスによって、滑り歩きができるようになった子どもたちは楽しそうな笑顔を見せていた。
スケート人生の“第3章”に向かって
セレモニー、スケート教室を終えた浅田さんと立飛ホールディングスの村山正道社長がサブリンクで取材に応じた。
今年11月に創業100周年を迎えた立飛ホールディングスの村山社長は、「真央さんからMAO RINKの話を聞かされてから3年半。3年半でこれだけの施設ができて、子どもたちの滑りがとても楽しみに感じます。立川といえば真央、真央といえば立川。作ったほうとしてはうれしい時間でした」と感慨深げな様子で語った。
リンク誕生の発端は、2021年3月、浅田さんが立川でさまざまな事業を展開する立飛ホールディングスの村山社長にプレゼンを行ったことだった。浅田さんが十数分間にわたって真剣に構想を話したとき、村山社長は表情を変えずに話を聞いていたそうだが、じつは「小さな子に将来につながるいろいろな体験をさせたい」という思いを抱いていたという。村山社長は「(以前に)別の会社からお話があったときは、やんわりとお断りしていました。ただ、日本の宝の真央さんからのお話で、立川にとってもいい話だなと思いました」とスケートリンク建設の決断についてあらためて語った。
いっぽう、浅田さんは「長年の夢がいま現実となって、最初にこのスケートリンクで滑ったときは、もう感動です。今日もオープニングイベントで滑らせていただいて、とても感動しました」と喜びを伝えた。「MAO RINKは、たくさんの方の笑顔があふれるような場所にしたいという思いがあります。もう1つは、やはりMAO RINKから世界で活躍できる、世界一を取れるスケーターを生み出すことが私の次の目標なので、今日はたくさんの子どもたちと、いっしょにパフォーマンスをしたり、スケート教室をしたりしましたけど、子どもたちの笑顔は本当に輝いていましたし、子どもたちがMAO RINKで滑っている姿を見られて、本当に幸せでした」と話した。
浅田さんは今後について、「私のスケート人生の第1章が選手として、第2章がショースケーターとして、そして第3章は指導者として、これから挑戦していきたいという思いがあります。まずは私自身がショースケーターとして滑りますので、指導者としての道はまだスタートしないんですけど、今日を迎えられたというのは、第3章に向かって進んでいるということだと思います」と力強く語った。
「ワールド・フィギュアスケート102号(DEC.2024)」では、浅田真央さんの単独インタビューを掲載しています。総合プロデュースを手掛けたMAO RINKやショースケーターとしての現在の思いをぜひお読みください。
ワールド・フィギュアスケート 102号
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