宇野昌磨さんが初プロデュースを手掛ける新しいアイスショー「Ice Brave」が発表され、3月19日に名古屋市内で記者会見が行われました。
スケーター、スタッフ、観客が仲間に! 全員で作る最高のアイスショーへ
会見は、選手時代の所属先であるトヨタ自動車のYoutubeチャンネル「トヨタイムズスポーツ」で生配信され、同チャンネルでキャスターを務める森田京之介アナウンサーが進行役を担当。昨年5月に行われた引退会見と同じスタイルで行われ、登場した宇野昌磨も「既視感がある」と話し、和やかな雰囲気で始まった。
会見冒頭、森田アナウンサーが「引退会見から1ヵ月後に番組にお呼びして、最近はどうですかと聞いたらこんなことを言っていました」と、「部屋でダラダラゴロゴロしているのがおもなセカンドキャリアです」という過去の発言をピックアップ。宇野は、「十分ダラダラゴロゴロしたので、ようやく再始動。もちろんたくさんお仕事をやらせていただきながらではあったんですけれども。いまは次に向かってしっかり取り組ませていただいていおります」と、すでに新作アイスショーに向けて動き出していることを明かした。
新作アイスショー「Ice Brave」のキービジュアルと概要がオープンとなり、6月に愛知、福岡、7月に新潟で公演が行われ、宇野を含めた7名のスケーターが出演することが発表された。
発表とともに、「ダラダラゴロゴロも本当に望んでいたセカンドキャリアではありましたけれども、やっぱり打ち込むことの大切さ、打ち込むものがあるのはいいことなんだなと改めて知ることができました。素晴らしいショーにするからにはたくさんの練習や酷なスケジュールを乗り越えないといけないかもしれませんけれども、まったく苦じゃない。本当にそれだけここに懸けているんだよっていう思いを(今日の会見で)伝えたいです」と、宇野のトークにも改めてエンジンがかかる。
どんなショーになるのかと聞かれると、「このショーはもちろんぼくがプロデュースしているかたちではあるんですけれども、いま決まっているメンバー全員で作り上げていく。ぼくがこれをやってくださいというよりも、みんなで1つのものを最高のものにする。それで、ショーが終わったあとに、すごくいい時間だったねと振り返れるような時間にしたい」と話し、「ショーごとに色があるとは思うんですけど、ぼくひとりでは自分が思い描く素晴らしいショーは作れない。でも、みなさんのたくさんの協力を得てこのショーを完成させる、素晴らしいものにするというところを、このショーの色にしたい」と、演者、スタッフ、そして観客の全員で作り上げるショーであると熱をこめて語った。

タイトルにこめた思いについては、「制作の人たちといろいろ話し合って、たくさん(候補が)出たなかで、いちばん自分の現役時代の軌跡と近い。ぼくの強みは気持ち的に前に強くいくところ。そこは本当にスケートに対しても自分が誇れる強みでもあったかなと思うので、『Ice Brave』というタイトルを見て、これなんじゃないかなと」と語り、プロデューサーであり、メインスケーターとして出演すること、90分ほどのショーが現役時代に競技、エキシビションで使用した楽曲+新プログラム2曲で構成されると説明した。「競技では自分が納得いくところまでできましたけれども、やっぱりぼくが小さいときに憧れた高橋大輔さんのようなスケーターに自分がいまなれているかと言ったら、まだ自分は満足できていない。今後もこのショーに向けて、自分の強みを生かしつつ、レベルアップしながら挑みたい」。
一緒にアイスショーを作り上げる”仲間”のスケーターは、本田真凜、本郷理華、中野耀司、唐川常人、櫛田一樹、そしてゲストスケーターのステファン・ランビエルの6名。「一緒に同じ方向を向いて走ってくれそうな人たち。と、仲いい人」というのがオファーの理由。ゲストとして登場する恩師については、「ぼく、このショーに対して不安なことが1つあって、彼が(振付を)覚えてくれるかっていう。そんなにたくさん練習に参加はできないですし、ぼくもなんですけど、適当なところが……あるので。(笑)それが良さなんで! いちばん不安です。でもやっぱり楽しみです」と、互いをよく知るからこその楽しい悩みを打ち明けた。
ランビエルやチームメイト、さらにはトヨタ自動車の豊田章男会長のメッセージや練習動画をはさみながら会見は進み、最後に森田アナウンサーから「これだけは伝えたいということを」と促され、宇野がメッセージを伝えて会見は終了した。
本当にこのショーを1人でも多くの人に見てほしいという思いがいちばん強いんですけれども、それが言えるくらいの熱量でこのショーを作ることができています。ぼくたちの気持ちを会場で見てほしいという思いと、会場に来てくれた人たちとともにこのショーを最後は完成させたいと思っている。会場に来た人たちがたくさんの拍手、声援(を送ってくれて)、そしてすごく楽しかったと思えるように。お客さんが楽しんでくださっているのが、ぼくたちも感じることができたら、そこでようやくこのショーが完成だと思うので、ぜひみなさん現地に足を運んで、静かにではなく、うるさく、一緒にエネルギーを使うぐらいの気持ちでこのショーを楽しんでいただけたらいいなと思います。ぜひ、よろしくお願いいたします!
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