2025年12月5日
グランプリファイナル2025名古屋 男子SPで鍵山優真、佐藤駿が1位・2位スタート

GPファイナル男子SP会見 鍵山優真「自信という心の1ピースがはまった」

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ISUグランプリファイナルの第1日目が12月4日に行われ、男子ショートプログラム(SP)で鍵山優真選手(オリエンタルバイオ/中京大学)が自己ベストの108.77点で首位に立ちました。4回転トウループ+3回転トウループ、4回転サルコウ、トリプルアクセルをあざやかに決めた鍵山選手は、「I Wish」の音楽に乗って、豊かな表情と躍動感あふれる演技で会場を魅了しました。鍵山選手の自己ベスト更新は、2022年2月の北京オリンピック以来。

2位には、右足の怪我からの完全復活をアピールする佐藤駿選手(エームサービス/明治大学)がシーズンベストの98.06点で入り、大会3連覇を狙うイリア・マリニン選手(アメリカ)は、4回転アクセルの連続ジャンプが単独ジャンプのステップアウトになるなどし、94.05点で3位につけました。この記事では、3選手の会見全文をお届けします。

鍵山優真が北京オリンピック以来となる自己ベスト更新

―― まずは今日の出来、そしてフリーへの意気込みをお聞かせください。

鍵山 今日のパフォーマンスにはすごく満足しています。北京オリンピックぶりにショートプログラムの自己ベスト更新できたのがすごくうれしいと同時に、ジャンプだったり、スピンの GOEがまだまだ高いとこ狙えるなっていうふうに感じたので、まだまだ伸びしろが、高い点数が出せるんだなっていう新たな次の目標もできたので、次につながるような演技だったと思っています。

佐藤 まずシーズンベストを更新することができて、とてもうれしく思っています。冒頭ルッツ、トウループと自分では満足いくようなきれいなジャンプを跳べたので、100 点を出してがんばっていきたいと思いました。

マリニン 今日は、ぼくにとっては非常にリスクの高い、新しい4回転アクセルのコンボを試すという機会になりました。まあそれがうまくいかなかったということがあって、他にやるべきことをすべてきちんと終えられたかなと思いますけれども、そういった内容だったなと実感をしています。

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―― (鍵山選手へ)もちろん満足してうれしいと思うんですけども、今日終わった後の充実感やそういったところをもうちょっと解説していただけますか。また長い間、パーソナルベストを更新できてなかったということも考えると、それはどういう意味を持っているのでしょうか?

鍵山 そうですね、パフォーマンスが終わった後は、本当に長らく自分のやりたいパフォーマンスができていなかったので、その自分らしいパフォーマンスができたっていうところに 1 つ満足する部分がありました。北京オリンピックのショートプログラムは自分のなかでも1番の出来といえるぐらい、すごくいいものだったので、この約4年間ぐらい、 自分のなかで高い高い壁となって、ノーミスできても自己ベスト更新ができないっていうところがすごくあって。まあジャンプのGOEとか、スピン・ステップのGOEもなかなか上がりきらずに更新できなかったりとかもあったので。今日に関しては本当にジャンプ、スピン、ステップ、すべて練習通りできたと思うので、すごく良かったなと思うと同時に、ジャンプに関しては4回転サルコウがもっともっといいものが跳べるなって。練習ではすごくいいものを跳んでいたので、もっと高いGOEを狙えるんじゃないかなっていうふうには思っています。

―― (マリニン選手へ)いつもよりも緊張していたように見えましたが、プレッシャーなどもあったのでしょうか?

マリニン 確かにいつもより緊張していました。やっぱり4回転アクセルのコンボを試すということで。自信はあったんです。練習を重ねて裏付けしてきて、やってやるって気持ちはあったんです。その情熱を持って臨んだんですけれども、やっぱり難しいコンボだなということを痛感しました。やっぱりメンタルのフォーカスの仕方とか集中の仕方とか、チャレンジするんだったら、いままでとちょっと違うアプローチをしなきゃいけないなっていうことをいま考え始めています。

―― (鍵山選手へ)先ほどの取材のなかで、「ずっと求めていたワンピースがはまったような気がする」ということだったんですけど、その求めていた1つのピースは、メンタルのものだとずっと思っていたのか、それとも別物だと思っていたのか? それが今回メンタルでできたということだったんですけど、どう考えていらっしゃったんでしょうか?

鍵山 そうですね。先シーズンからなかなかいいパフォーマンスが続かなくて。練習自体はすごくいいものを積み上げていってはいたんですけれども、どうしてもやっぱり心のどこかで、ミスしちゃったらどうしようとか、そういう変な不安だったり、自信のなさっていうのが表れてしまうのがすごく多かったので、どれだけ自信を積み重ねても、やっぱりほんのちょっとの不安で、演技全体にその影響が出てしまうというのが、今シーズンのグランプリシリーズ2戦をとおしてすごく感じた部分でした。自分に1番大事なのは自信を持ってもうガンガン攻める姿勢を見せること、大胆に行くことがすごく大事だなと思い、今回それを試すいい機会でもあったので実行してみました。そしたら、いい緊張感を持ちながら、ここで滑れるありがたみだったり、自分らしいパフォーマンスをしたいっていうのをしっかり見せられたと思うので、このマインドは間違ってなかったなっていうふうにはすごく思っています。

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―― (鍵山選手と佐藤選手へ)今日は地元(日本)のお客様の前でのパフォーマンスというのはどんな感じだったのでしょうか。それがさらに演技を活気づけたというようなところはありましたか。

鍵山 名古屋開催っていうところで、すごくワクワクした気持ちで、この大会を待ち望んでいました。グランプリシリーズ(のファイナルを)名古屋で開催するって決まった時にもう絶対出てやるんだっていう気持ちだったので、まずこの会場でこの場所で滑れることがすごくうれしいと思うと同時に、たくさんのお客さんだったり身内の方だったり、いろんな方が見に来てくれるので、自分の満足のいくパフォーマンスを見せたいなっていうふうにはすごく思っていました。まず、今日のショートプログラムで1つ目標達成できたのがすごくうれしいのと同時に、明後日のフリーでもしっかりと気持ちを切り替えて、フリーでも自分のいまできる最高のパフォーマンスができるようにがんばりたいと思います。

佐藤 自分も、自国開催のグランプリファイナルということで、シーズンの最初から出たいっていう気持ちがすごく強かったので、まず出場することができてとてもうれしく思っています。そして、今回のショートプログラムで、日本のファンの方々から6分間練習のときに、「がんばれ」という声をいただいたり、試合前も本番前もバナーたくさん振っていただいて、それがすごい自分の力になりました。

―― 3選手に質問です。今日イリアさんが新しいコンビネーションジャンプにトライしました。けれども、フリーにおいては皆さん何か……大きなチャレンジ小さなチャレンジあると思うんですが、何かやり遂げたいことなどあったら教えてください。

鍵山 そうですね。やっぱり自分の場合は、練習通りをいかに本番で出せるかっていうところがすごく肝になっていたので。練習でできないものを本番でやってるわけではないので、自信という心の1ピースが今まではあまりはまりきれてなくて、変なミスしちゃうこととかがあったんですけれども、今日大胆に行くとか、ガンガン攻めていくマインドは、ある意味、自分のなかで大きなチャレンジだと思っていて。それがやっぱり失敗に出るかもしれないし。でも、このグランプリシリーズ2戦をとおして、そういう気持ちが大事なんだなと学ぶことができたので、その気持ちを持って今日パフォーマンスできたのはすごくうれしかったし、しっかりと自分と向き合えたパフォーマンスだったなというふうには感じています。

佐藤 ぼくは、このIGアリーナという大きな会場で、フリープログラムで自分の練習どおりの演技、自分の満足するような結果を出すっていうのが、自分にとってのチャレンジかなと思っているので、それを達成できるようにがんばっていこうと思っています。

マリニン 2人と同じだと思います。やっぱり練習は裏切らない。練習の量、いままでやってきたことを信じて大会に臨みたいと思います。日本のお客様の前で、それをぜひ成果として見せたいと思いますし、自分は冷静にきちんとやればできるんだと思っています。ホームで練習しているときにも、つねにそういったこと、一貫性を持ってちゃんとした結果を出すということを練習してきているので、あとは、マッスルメモリーをちゃんと生かしてやってくれればいいなと思います。


男子シングルのフリースケーティングは、12月6日(土)20:00から行われます。

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