ISUチャレンジャーシリーズ(CS)初となる日本大会「木下グループ杯」が9月4日、大阪・関空アイスアリーナで開幕しました。日本からも多くのトップ選手が参加し、国際大会の初戦を迎えるなか、女子SPで千葉百音選手がトップ、国際大会初挑戦の三宅咲綺選手が2位に入り、今季初戦の坂本花織選手はSP4位からフリーへ。男子SPは、友野一希選手が2位、山本草太選手が3位につけ、韓国のチャ・ジュンファン選手が首位スタートとなりました。初日の様子をフォトギャラリーで振り返ります。
女子SP1位 千葉百音「練習してきた脚を信じて跳んだ」
公式練習と6分間練習で、ちょっと不安だな、心配だなという気持ちも芽生えてしまっていたんですが、うまく(自分を)奮い立たせて本番はできたと思います。自分のなかでも、去年よりも魅力的でチャーミングなプログラムにしたいという気持ちが強かったので、自分で勝手にプレッシャーを感じちゃったりもしていたんですけど、自分も楽しんで、練習通りのジャンプを、脚を信じてやって、それができたらお客さんも盛り上がってくださると思うので、そこの第一段階を今日はしっかりできた。
久しぶりの「ラストダンス」で、お客さんも楽しみにしてくれて、自分も楽しんで滑りたくて、でもジャンプもしっかり跳びたくて、という、試合モードオンになる段階の途中でちょっと不安を感じた、という感じなので、前向きにとらえて、「自分はいまから試合でがんばろうとしているんだな」というのを感じながらがんばれました。
女子SP2位 三宅咲綺「やっと掴めた夢の代表ジャージ」
始まる前から吐きそうなくらい緊張していたんですけど、かおちゃん(坂本花織)にハグしてもらって、大丈夫だと思えてリンクの上に立てたのですごくよかった。中学生ぐらいから強化選手を目指しだして、高校2年生のときに強化選手にはなったけど、コロナ禍で海外派遣のチャンスがなかったので、本当にやっと掴めた夢の(日本代表)ジャージっていう感じで、うれしいというか、夢のようという感じです。
ショートがよかっただけにならないように、しっかりフリーも気持ちを切り替えて、最後まで気持ちを切らさずにがんばりたいと思います。トリプルアクセルは絶対に降ります!
(坂本選手からは)「ちゃんとやったら、ちゃんと点数出るから。初めての国際試合なんだから楽しんで」と言われて送り出されました。初めての国際試合が日本でよかったなと思えるようなすごく温かい声援で、これまでがんばってよかったなと思えるひとときでした。
今季初戦の坂本花織は4位、樋口新葉は6位でスタート
男子SP2位 友野一希「不安もあるなか思い切ってできた」
昨日の練習の転倒で、今朝、思ったよりも左足を痛めていて、アクセルの感覚が悪く、本番ぶっつけみたいな感じでしたが、ちょっと不安もあるなか思い切ってできたのでよかった。4サルコウは冷静にしっかり、沈み込みすぎず楽にもっていけたのですごくよかったなと思います。
4回転を今回は2本か3本はきれいに決めたいという目標があるので、フリーはしっかり1本1本集中して、後半はばっちりいいジャンプが跳べたらいいなと思います。
足はもう大丈夫で、捻挫までもいかないくらい。普段怪我をしなさすぎて痛みに慣れていないというのがあると思います。でも逆に、振り切って楽しい気持ちで試合に臨めた。
(山本)草太に関しては、ちょっと……ぼくとしては体を大事にしてほしいなと。でも点数を聞いてすごいなって。演技は見られなかったけど、よっぽどしっかり練習してきたんだなと思う。そうですね。「がんばれ」とは言えないというか……「何も(大事が)ないように!」と思っていたんですけど、(結果を見て)心配なかったというか、すげえなと思いながら、自分のことに集中してがんばろうと思いました。
男子SP3位 山本草太「自分が決めたこと、自分で責任をとってやっていく」
1週間前から怪我もあったり難しい状況にはなっていたんですが、いろんな方のサポートのおかげで今日を乗り切れたと思います。演技や点数という意味では、構成も万全ではないし、目標としている演技ではないと思うので、今日はなんとかできましたけど、まずはこの試合をこなして、しっかり怪我を治して、シーズンに向けて目標としている演技を求めてやっていけたらと思います。
本番の3時間前ぐらいまで、コーチや周りの方々と出るか出ないかを相談していて、周りは全員出なくていいという感じだったんですが、ぼくは強い気持ちがあったので。怪我をしているので、このあとのシーズンに影響が出たりももしかしたらあるかもしれないんですけど、自分が決めたことなので、自分で責任をとってやっていくと、自分に言い聞かせて、「出たいです」と伝えました。
チャレンジャーももう1個あるし、ブロックもまた今月あったりとか、大事なのはグランプリと全日本――というのは、連盟の方々、コーチの方々も全員そういったかたちで話し合っていたんですけど……棄権することが逃げでもないし、負けでもないんですけど、なんか……(練習を)やってきたし、やれるかやれないかはもう別として、今日の朝起きて決めようと思って、昨日まではもう少し待ってと先生方に伝えていました。目指していた構成ではなかったんですが、本当に「出たい」の一心でしたね。
男子SP1位 チャ・ジュンファン「日本でCSが開かれてうれしい」
すごくよかったわけではないですが、いまできるベストは尽くせたと思います。シーズン初戦で、まだまだ改善できるところがたくさんある、というより、すべての質をもっと上げていけると感じました。プログラムを滑り切れてハッピーです。
オリンピックシーズンが大事なのはもちろんそうですが、長い旅になるだろうから、この大会では、まずは自分の現在地と新しいプログラムを確認すること、ジャッジとお客さんの前で競技としてパフォーマンスすることが基本的な目標。
チャレンジャーシリーズが日本で開かれてうれしいです。これまではほとんど北米やヨーロッパで行われていたけれど、ぼくらのようにアジア圏で練習しているスケーターからすれば、行きやすさも含めて、コンディション管理の面においても、とくにシーズン序盤にプログラムを確認する試合としては、アジアでチャレンジャーシリーズが行われればいいこと尽くしです。
9月6日は、15時からのリズムダンスに吉田唄菜&森田真沙也組、16時35分からのペアSPに三浦璃来&木原龍一組、長岡柚奈&森口澄士組が登場します。さらに、18時からは女子フリーが行われます。