坂本花織「新葉とここまで来られたのがうれしい」
エキシビション終演後、樋口新葉、坂本花織、佐藤駿、鍵山優真が取材に応えた。
◎樋口新葉
このシーズンで引退しようと決めて臨んでいます。このSPの「My Way」という曲は、締めくくりにはちょうどいい曲だと思いました。いままで力強い表現のプログラムが多かったなかで、初めての壮大な曲です。このプログラムで自分の感情をそのまま出して、自分のスケート人生を描きます。昨シーズンはやめようかなと思いながら臨んでいましたが、世界選手権で自分で獲ったオリンピックの枠を自分で使いたいと思ったことがきっかけで、続行を決めました。1つ1つの試合を納得して終われるように、自分がやってきたことが間違いではなかったと思えるように、進んでいきたいです。
◎坂本花織
「今年はこのスタイルで戦っていくんだ」と示せて楽しかったです。(「ドリーム・オン・アイス」での演技)1回1回を噛みしめたいと、今日初めて新プログラムを披露してそう感じました。フリーの「愛の讃歌」の歌詞は、恋愛方面の歌詞ですが、振付のマリ=フランス(・デュブリュイユ)先生から「カオリはスケート愛のほうが感情移入しやすいのでは」と言われたので、スケートへの愛を表現できたらと思います。(樋口)新葉とはノービスの頃から一緒に戦ってきましたが、自分にとって追いつけない存在でした。その新葉と北京オリンピックで一緒に団体のメダルを獲れたことで、同じところで戦えるくらいの場所に来たんだなと感じた。ここまで一緒に来れたのがうれしいし、最後まで一緒にがんばれたらと思います。
◎佐藤駿
今日は、始まる前はすごく緊張しましたが、本番は楽しく滑れてよかったです。披露した「火の鳥」は、スピン、コレオシークエンス、ステップまでの流れが気に入っているので、そこが見どころです。体力的にもきついところなんですけど、出し切らないといけない部分だと思うので、がんばっていきたい。振付のギヨーム(・シゼロン)先生から、バレエの「火の鳥」の30分くらいの動画が送られてきて、振付をしていただく前にそれを見て勉強しました。また、町田樹さんの「火の鳥」の演技も参考にしています。新シーズンはオリンピックシーズンで、勝負のシーズンになってくるので、1つ1つの試合を意味のあるものにしたいです。
◎鍵山優真
今日披露したSPの曲(「I Wish」)を選んだ経緯は、4年前に北京オリンピックで滑ったSPが合っていたので、「同じ系統の明るい曲がやりたい」と、自分から言いました。4年前の若さ全開という感じから成長したプログラムにしたい。グランプリシリーズの1試合1試合からオリンピックの選考として見られていると思うので、自分の悪いところは夏のローカル試合で出し切って、グランプリシリーズにはベストの状態で臨みたいです。目指す場所は、オリンピックの団体戦でも個人戦でも金メダルを獲ること。そのために1日1日過ごすごとに反省点や課題を出して、自分の目標へつなげていければと思います。