高橋大輔「再演ですが、今回が完成形です!」
司会 「滑走屋」プロデューサーである高橋大輔より、まずは皆様にご挨拶と本公演の見どころをご紹介させていただきます。
高橋 本日は「滑走屋」のゲネプロに来てくださり、ありがとうございました。見ていただいたとおり、総勢26名のキャストでやらせていただいております。他では見られないたくさんの群舞とか、世界観的にも、ソロのメインスケーターたちにはぼくがこの曲で滑ってほしいというのをお願いし、1つの世界観というのを大事に作ってまいりました。
初めてアイスショーというものに参加するスケーターもいるなかで、立ち位置がね。立ち位置をアイスショーで決めるっていうのはあまりないんですけれども、滑走屋は細かいところまで立ち位置が決まっているので、まずそこを覚えるところから。初めて滑走屋に参加してもらった子たちは、訳のわからない状態でスタートしたんですけれども、日を追うごとにどんどんどんどんいろんなことを覚えていって、やっと今日のゲネプロまで来ることができたんですけど。
本当にこの何日間の中でも日々成長を感じつつ、ベテランの村上佳菜ちゃんだったり、(村元)哉中ちゃんだったり、いろんなスケーターのサポートを得ながら、みんなで一致団結して、このショーを明日に向けて披露するということで、若い力、若いスケーターのエネルギーを感じつつ、明日から6公演、全力で皆様にお届けできたらなと思います。
司会 続いてメインスケーターとして出演している村上佳菜子から「滑走屋」の仕上がりや手応えについて聞きたいと思います。
村上 今回は去年やった「滑走屋」の再演ということで、同じものをやるのかなと思いきや、もうすべてがレベルアップしていて、同じような動きをしてるんですけどまったく違う。1 から覚えるレベルの本当に追い込みで、みんなでやっていったんですけど。
関東組は1ヵ月前から夜の練習に参加したり、関西組はビデオで自分で一生懸命覚えて、 1 週間前の愛媛の合宿、松山の合宿に合流したという状態だったんですけど。本当に1人1人の意識が高くて、誰1人をサボったりとか緩んだりする選手とかスケーターはいなくて、1人1人自分に厳しく追い込んだからこそ、今ここで前日にここまで仕上がったんだなというふうに、前回の「滑走屋」を経て改めて感じています。
大ちゃんはとくにずっとリンクにいて、1回も靴を脱がないぐらい、1人1人と向き合って振付もやってくださっていましたし、(振付の鈴木)ゆまさんも、本当に1人1人大切に思ってくださって、作り上げてくれて。哉中ちゃんも、自分が休憩できる場所でもみんなに声かけて、これやろう! あれやろうって言って、みんなで作り上げていったのが、この「滑走屋」だと思うので、早く明日皆さんの前で披露するのがとても楽しみだな、待ち遠しいなというふうに思います」
司会 続いて現在放送中のスケートのアニメ「メダリスト」の主人公・結束いのり役を演じる声優・春瀬なつみから「滑走屋」の応援団長および会場 MC に就任した際のお気持ちと意気込みをお願いいたします。
春瀬 「滑走屋」応援団長の春瀬なつみです。まさか、私が「滑走屋」さんと関われる日が来るとは本当に思っていなくて、とってもとってもびっくりしたし、今でも光栄すぎてどうしようという感じなんですけれども、リハーサル見させていただいて、圧倒的なスピードと本当に細やかな群舞と、この人数だからこそできる圧倒的なパワーを見せつけられて。リハーサルでこんなパワーで、明日からどうなっちゃうんだろう? みたいな感じで本当にワクワクしています。
私も影アナという形で明日から関わらせていただきます。会場の皆さんを少しでも「滑走屋」の世界へすぐ引き込めるお手伝いができるように頑張りたいと思っておりますので、これからどうぞよろしくお願いいたします」
司会 それでは、質問をお願いします。
―― 昨年よりもバージョンアップということで、本当にすごく滑走量が増えたという印象ですが、去年と比べてバージョンアップしたところと、逆にあえて去年と同じままに残しているところを教えてください。
高橋 そうですね。ほとんどバージョンアップしてる気がしていてですね。スケーターの数が増えたということで、新しいキャラクターが増えたという感じですね。それ以外の部分は本当にバージョンアップしている。言い出したら30分くらいかかっちゃうんですけど。今回の新しい試みとしては、ぼくのソロナンバーの前の「カルメン」。最初は固定でもともとは3人だったんですけど、4人にしたらおもしろいんじゃないかとなり、それから公演によって変えてもいいんじゃないかという話になり、じゃあ、オーディションをするかとなって。今回「滑走屋」内でオーディションをして、勝ち抜いたメンバーが「カルメン」のナンバーを滑るという試みをしてきたんですけど、すごくみんなのモチベーションもぐっと高くなって、「滑走屋」に出るにあたって、気持ち的に引きあがるような意識が見えて、今回試してみてすごくよかったと思います。前回は、本当に急に決まったことで、時間がない中でなんとか作り上げたところもあったんですけど、前回を踏まえて、前回の反省だったり、もうちょっとこうしたら良かったなっていう思いを今回全力で全部詰め込んだので、再演なんですけど、やっと完成形なのかなっていうぐらい細かいところまで、 1ヵ月半ぐらい前から、振付の(鈴木)ゆまさんと、振付に関わってくれるスケーターといっしょに、どんどんどんどんブラッシュアップして、よりいっそう内容の深いものにはなってるかなというふうに思います。
村上 私は練習から参加させてもらった立場なんですけど、その立場から考えると、動きは同じような動きをしてるんですけど、ここは押せるよね? 滑れるよね? というっていうところは全部今回は滑るようになってるので、ファンの皆さんがもう 1 回見たいと思う方は、似てるような動きでも、スケールが全然違うというか、前回よりはダイナミックな風を感じるような「滑走屋」にレベルアップしていると思うので、「あ、前の動きもあるな」っていうところもあれば「すごいスピード感」って感じるところとかいろんな部分があると思うので、そういったところは前回も見てる方はここが変わったんだと、発見しながら見てもらえるとまた楽しいんじゃないかなというふうに思います。
―― 多くの学生アスリートが参加されていて、とても貴重な機会になっていると思います。あらためて起用の狙い、そしてかれらに何を持って帰ってほしいか、どんなことを感じ取ってほしいですか?
高橋 作っていく上でかなり細かく作っていくんですが、普段彼らは1人でソロで滑ることがほとんどで、誰かと何かを合わせであったりとか、誰かと何かを表現するなんて、誰かと何かでこの世界観を作っていくだったりっていうことは、たぶんしていないんですけれども、この「滑走屋」は難しいテクニックといったところは、ジャンプも、スピンも、あんまり入ってないんですよね。いまのスケートの競技では、どれだけ増やしていくかがトップに行く上では必要だとは思うんですけれども、それだけではなく、氷の上で見せるといったところも、それと同様にすごく大切で。氷の上での身体表現って、テクニックでも見せれるし、そういったところでも見せれるし、いろんな見せ方があるんだよっていう気づきを持って帰ってもらえたらいいなっていう思いは一番ある。
普段スケートでは、あんまりカウントでとらず、音楽でとったりするんですけど、やっぱりみんなで合わせると、やっぱりカウントでとって合わせていかないと、合わせにくい。この曲は8カウントだけど、同じ8カウントでも、早くとるとかゆっくりとるのかっていうのは、振付をしている中で当たり前になってくるんですけど、それを知った上で自分自身のナンバーを滑ってみると、やっぱりリズム感が変わってきたりするところにつながってくるのをすごく感じてるので。そういう違うアプローチでも、スケートへの取り組みの1つのきっかけになるんじゃないかなと思いますし、エンターテインメントとして見せることは、これだけ厳しいことがたくさんあるんだよっていうのは、振付の鈴木ゆまさんはじめ、「滑走屋」はかなりこだわりがあるので、そこでエンターテインメントの厳しさだとか、お客様に見ていただくにはこれだけの準備をしなきゃいけないんだとか。それは試合に向かうにあたっても同じことだと思うので、そういったところを学んで持って帰って、次の練習に何かのプラスになってくれたら嬉しいなと思います」
―― 今日実際にご覧になってみて、春瀬さんがとくに衝撃を受けたとか面白かったとか感動したという滑りがあればそれを教えていただきたいのと、高橋さんと村上さんには、それぞれご自身のソロプログラムの見どころやどんなところを気合入れてやってきたのか教えてください。
春瀬 ありがとうございます。もうなんか息を飲んでるうちにあっという間に終わってしまったっていうぐらい引き込まれてしまって、なんか本当にずっと思っていた感想は、「目が足りない」っていう感想で。本当に皆さん揃ってるんですけど、よく見るとそれぞれものすごい個性的な動きをされていて、それを目で追ってるうちに、でもこちらの方も素晴らしい動きをされているみたいな感じで、それぞれに目が行ってしまって。でも本当にたくさんのスケーターさんいらっしゃるので全然追いつかなくて、翻弄されているうちにあっという間に演目が終わってしまっていたみたいな感じです。それがやっぱりノンストップの 75 分の魅力なんじゃないかなと思って、もう魅力にもうリハーサルでやられてしまいました。
村上 私のソロは前回と私は曲を変えて、新しい曲で今回参加させていただいたんですけど、ちょっと今まで滑ったことのないようなジャンルだけど、滑ったことあるようなジャンルというか。(笑)すごい表現が難しいんですけど、もう 30 歳になって、また 10 代の頃 20 代の頃の自分と違った殻を破った表現にチャレンジしていて、今回はフルでいったん陸でダンサーさんに振付けしてもらったものをオンアイスに乗せているので、かなり踊りとか足の運びとか難しかったりもするんですけど、すごくそれがやりがいがあってですごく「滑走屋」にも溶け込んでるような。でも自分の魅力も出せるような 演目を大ちゃんが選んでくださってこういう風にできているので、足を引っ張らないように頑張りたいと思います。
高橋 素敵ですよ。
村上 ありがとうございます!
高橋 ぼくは前回のソロと変えていないんですけど、前回は「滑走屋」に向けて力を入れすぎて自分のナンバーがほとんどできてなかったっていう中で、やっぱり流れていって最終のほうでソロが来るところで、テクニックっていう部分では難しいことはしてないんですけれども、曲を表現する上で、間であったり呼吸であったりとかは、よりいっそう気をつけて滑るようにしています。今回ぼくの滑る前の「カルメン」で人数が増えたぶん、よりいっそうそのパワーに負けないようにやらなきゃいけないというところがあってですね。ちょっとヘロヘロになってるんですけど、今ね。
村上 ほぼ2曲滑っているような感じですものね。
高橋 すごいエネルギーで、ぼくの前のメンバーたちが来てくれるので、負けないように、今日はちょっとへばってしまったんですけど、明日からはちょっと全力でいきたいなと思っております。
―― 今回新しくメンバーが加わってますけれども、高橋さんが自らお声がけをしたと伺っているのですが、このショーにこれから出たいなと思っている方もいると思います。キャストを選ぶポイントがあったら教えていただけたらと思います。
高橋 ええ~!難しいですね。(笑) いちばん最初に「滑走屋」をやるときに、力強さだったりスピード感だったりを一番メインに考えて、出演スケーターを 選ばせていただきました。そこはやっぱり一番メインということで、そういったところは選びましたし。こういうものをやるという前から選んだので、前回作り上げていく上で、結構かなり踊ったりとかする部分もあるなと思って。そういう表現がすごく上手な子だったり、すごく力強さだったり、この子はこれを経験したら伸びるんじゃないかなっていうものであったり、なんか持ってそうだなみたいな。試合だけなんですけど、見させていただいて、その中でちょっとポテンシャルがあるんじゃないかなっていう、今後「滑走屋」をぼく自身もできるだけ長く続けていけたらいいなっていう風に思ってるので、今どうっていうよりかは今後変わってくるんじゃないかなっていう思いで、見させていただいて、その「滑走屋」のキャストとして長く携わってくれたら嬉しいなっていう思いで、配役?させていただきました。
―― (地元紙からの質問)広島で上演する意味や思いなどについて、お三方から伺えますか。
春瀬 高橋さんが岡山の出身で、私も香川の出身で、中国地方はやっぱりすごく愛着のある地方でもありますし、やっぱりそこから素敵なスケーターさんどんどん生まれてほしいって思うので、近所だから行ってみようかなみたいな子どもたちだったりとかが、広島のこの場所でスケートを見て、たとえばスケートを始めてみたり、アイスショーに出たいから、もっとスケート頑張ろう!って思ったり、そういうきっかけになれたらいいんじゃないかなって思っています。
村上 私は名古屋出身なんですけど(笑)、でも私たちが合宿で使わせていただいた松山のスケートリンクも2027 年に閉鎖してしまうということで、スケーターたちにとってスケートリンクがなければ練習ができないというスポーツです。やっぱりこういった素晴らしいリンクがあるところで、こういった最上級最高級のアイスショーができることで、またその地元のみなさんや子どもたち、大人のみなさん、多くの人が見に来てくださることでスケートを見て始めたいと思ったり、もっと見たいファンになりたいってこう思ってもらえるきっかけに、このショーを広島で行うことでなって、スケート界がもっと盛り上がっていけるといいなというふうに心から思ってます。
高橋 ぼくもやっぱりずっとスケートに携わってきて、やっぱりテレビでは見るけど、一歩足を踏み出すとなると、ちょっと若干敷居が高いのかなっていう印象を感じると感じるというか、ぼくは演者側なんですけど、そういう人が多いんだろうなっていう思いから、より身近なエンタメとして、「滑走屋」に触れ合ってほしいなって。そういった中でいろんなことを考えつつ、来やすいようにするなら何だろう?っていうのをすごく考えて、いま作っている「滑走屋」です。やっぱり東京、大阪、名古屋が結構多いとは思うんですけども、それらのメイン都市以外でアイスショーを身近なものとして出会う機会がないので、広島だったら、なんとか四国から車で来れるし、中国地方の島根、鳥取、山口。岡山とかメインアクセスとして一番いい場所なんではないかという思いで、広島でやらせていただくことを決めさせていただいたんですけど、広島に限らず、この中国地方の方にを見てもらいたい っていただきたいなって思って、広島を選ばさせていただいて。できるだけ本当に今日見ていただいた通り、誰がどこで何を滑ってるか、たぶんわからなかったと思うので(笑)、スケートって、こんなことができるんだ!とか、26人でいごいご動いている、そんな見せ方もあるんだって、知らなくても楽しめるんじゃないかというのをまゆさんが作ってくれたので、気軽な気持ちで来ていただけたいって思います。スケートのことがまったくわからなくても、全力で楽しめると思います!」
当日券は、ひろしんビッグウェーブの窓口で各日午前9時から発売される。