2025年2月24日
第45回全国中学校スケート大会

高橋星名、和田薫子が最後の全中で有終の美!

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女子メダリストたちは初優勝・初メダルをステップに

女子は、グランプリファイナル銀メダリストの和田薫子が、SP、フリーでトップに立ち、合計186.82点を獲得。最後の全中を初優勝で飾り、世界ジュニア選手権へ向けて弾みをつけた。

2位は、ジュニア2季目の今季、アップダウンを経験したという2年生の上薗恋奈。ミスはありながらも、笑顔でシーズンの集大成を披露して表彰台に上がり、明るい来季を予感させる締めくくりとなった。

3位は、3年生の岡万佑子。SP8位から臨んだフリーでは、ジャンプやスピンの質を担保しつつ、トリプルアクセルにも果敢に挑戦して巻き返した。1年生のときにSP落ちから始まった全中で、ラストイヤーに初めての表彰台に上がった。

女子1位 和田薫子(前津3年)

女子1位の和田薫子 フリー「タイタニック」 ©World Figure Skating/Shinshokan

ーー 優勝おめでとうございます。振り返っていかがですか。
和田 ありがとうございます。最後の全中でショートとフリーどちらも納得のいく演技で揃えることができて、優勝することができたので、すごくうれしいです。

ーー 演技を振り返って。
和田 ところどころちょっとダメかなと思うものはあったんですけど、ミスが出なかったことがいちばんよかったのと、ダメな部分があってもなんとかまとめることができて、点数も納得のいくものだったので、そこはよかったと思います。

ーー 全日本選手権のあとは少し気が抜けたとのことでしたが。
和田 まだ今回は自分の演技にしっかり集中することができたのでよかったと思うんですけど、またここで気を抜いてしまうと世界ジュニアでもミスしてしまうと思うので、気を抜かずにしっかり集中し直して、万全な状態で世界ジュニアに挑めるようにしたいなと思います。

ーー 今シーズンは国際大会でも大活躍ですが、ご自身としての手応えは?
和田 自分でもジュニアグランプリシリーズでそこまでの結果が得られるとは思っていませんでしたし、チェコのとき(優勝)は本当にびっくりだったんですけど、そこからちょっと自信もついてきて、いろんな試合でいい演技をすることができていました。ジュニアグランプリシリーズがきっかけでここまでこられたと思います。

ーー 昨季と比べると演技構成点もぐんと伸びているのでは?
和田 (練習で)氷に乗っている時間がわりと長いと思うんですけど、ジャンプというよりはスケーティングとかが多めで、それを毎日続けているうちに、評価されるようになってきたのかなと思います。

ーー 今回、優勝候補の1人だったと思いますが、周囲や自身の期待のなかで滑る緊張感やプレッシャーはありましたか。
和田 優勝は狙っていたわけではないんですけど、やっぱり最後の全中だったのでいい演技で納得のいくものにして終わりたいという気持ちはすごくありました。自分がいい演技をすることによって結果もついてくるかなと思っていたので、そういうところに関しては、できるかどうかすごく不安もあったんですが、まとめることができたのでよかったです。

ーー 世界ジュニア選手権に向けて。
和田 全日本が終わってからジャンプが安定しない部分があるので、ここでできたからって安心せずに、もっとジャンプの精度を上げたり、安定感をもっと出して世界ジュニアは思い切りできるようにしたいです。

ーー 全中は3回目の出場で初優勝となりましたが、この大会への思いは?
和田 どれだけスケートを続けていても3年間しか出られないですし、これから二度とこの大会に出場することはないので、とくに今年は絶対楽しんでやろうと思っていたのと、最後にいい思い出を作って終わりたいなと思っていました。

ーー 中学3年間でいちばんの思い出は?
和田 中1のときにこの大会に出たときは初めてでわからないことも多かったんですが、のびのび滑れていた感じで。去年はショートとフリーどちらもちょっとずつ悔しい部分があって、結局悔しい思いで帰るはめになった。でも、今年はショートもフリーも納得のいくものができたので、そこは最後にいい思い出で終われたかなと思います。3年間しかなくて3回しか出られないので、そこは中学のうちの1つの思い出かなと思います。

ーー お話がとてもしっかりされていますよね。
和田 とくには意識してないんですけど、ちょっと恥ずかしくないようにしゃべりたいな~っていつも思っています。(笑)

女子2位 上薗恋奈(西春2年)

女子2位の上薗恋奈 フリー「鐘/Chronos」 ©World Figure Skating/Shinshokan

ーー フリーの演技を振り返って。
上薗 今回の試合は、この「鐘」のなかでもいちばん自分が表現したいことが表現できて、何よりもすごく楽しんでできたので、そこがよかったかなと思いました。

ーー フリーのテーマは「希望から希望」とのことですが、今シーズンは少し苦しい試合もあったと思うのですが、今日のフリーで希望の光が差し込んできましたか。
上薗 ジャンプのミスはあったんですけど、前よりも明るくできたので、少し希望は見えてきたのかなと思います。

ーー 3回転フリップの転倒について。
上薗 練習のときから最後の後半のフリップのミスが少しあったので、それがそのまま出ちゃったのかなと思いました。

ーー シーズンを通して難しい試合もいい試合もあったと思いますが、どんなシーズンになりましたか。
上薗 最初に比べたらだいぶ調子もよくなってきたので、だんだんよくなってきているのかなと思います。

ーー うまくいくようになったきっかけや要因は?
上薗 試合の数を重ねていって、試合での課題で、練習でまた意識する部分も変わるので、やっぱり試合の数は大事なのかなと思っています。

ーー 「希望から希望」というフリーのテーマはどういった意図で?
上薗 いちばん最初に決めたテーマは、「鐘」の部分は戦うイメージで、そこから希望へと向かっていくというイメージだったんですけど、先生と話し合って、自分はまだ14歳なので、戦うというよりも明るく滑ってほしいと言われたので、「希望から希望」というテーマに変わりました。

ーー リンクインのときに両手で氷に触るのはなにか意味が?
上薗 最初は羽生(結弦)さんがきっかけだったんですけど、どんどんスケートをやっていくなかで、やっぱり氷に感謝することがすごく大事だなと思ったので、感謝の気持ちをこめて両手で氷を触るのをルーティンにしました。

ーー 氷から上がるときも?
上薗 そうです。

ーー いつごろから?
上薗 けっこう前からで、小学校2年生から4年生ぐらいでやっています。

ーー 来シーズンに向けて。
上薗 まずは、まだ自分の思うような演技ができていないので、それができるように。また、残りの2大会(愛知県大会、中日カップ)も笑顔で明るく滑れるようにしたいと思っています。

ーー トリプルアクセルの進捗について。
上薗 まだ着氷はしてないんですけど、いまは入り方、基礎の基礎から練習するようにしています。

女子3位 岡万佑子(宇治3年)

女子3位の岡万佑子 フリー「クレオパトラ」 ©World Figure Skating/Shinshokan

ーー 演技を振り返って。
 今日はショートと国スポのリベンジとしてがんばったんですけど、アクセルはハマらなかったからそこは悔しいですし、アクセル以外も回転不足のジャンプがあったと思う。アクセル以外はいつもできるジャンプなので決めたかったなという思いはあるんですけど、それ以外は落ち着いてできたかなと思います。

ーー コンディションとしてはいかがでしたか。
 公式練習のときは、いつもよりはちょっと確率は悪いんですけど、それでもいいジャンプが跳べていたので、それを曲で、アクセルが転倒したとしてもほかのジャンプをしっかりクリーンで(出来栄えの)プラスをもらえるジャンプにしたかったなという思いはあります。

ーー 来シーズンに向けて。
 まず今シーズンの途中からトリプルアクセルを入れてきたんですが、1回も大会で降りることができなかったので、そこは練習でももっともっと確率を上げて、大会でしっかり決められるようにがんばることと、ほかのジャンプはもうちょっと完成度を上げていって、アクセルジャンプが入ったとしても、何かがあったとしてもしっかり決めれるようにすること。スケーティングがまだ足りないと思うので、そこをもうちょっと磨いていけたらいいなと思っています。

ーー 大会での目標は?
 去年は全日本に行けたので、また全日本の舞台に立てるようにすることがまず1つの目標で、あと海外試合にも行ってみたいです。

ーー 1年生のときはSP落ちから始まり、どんどん上がっていった全中でしたが、最後の舞台はいかがでしたか。
 楽しみたい思いもあったし、最後だから自分のいちばんいい演技がしたいなという思いもあって。ショートで少しのミスが出てしまって悔しかったので、最後だからこそフリーでがんばろうという思いでがんばってやりました。

ーー 木下アカデミーに移って1シーズンが経ちますが、練習環境については。
 練習時間もたくさん作ってくださっているし、上手な選手と一緒に滑らせてもらっているので、毎日収穫のある練習ができているなと思います。

ーー 今回のトリプルアクセルの手応えは?
 公式練習のときにアクセルジャンプがうまく入らなくて、6分間練習のときに朝よりも少しいいアクセルが跳べていたので、今回は降りたいという思いもあったんですけど、あまり練習で決まっていなかった分、ちょっといつもと違う感覚もあった。それはこれから直していけたらなと思います。

ーー 方針としては、トリプルアクセルをどんどん試合でやっていく?
 練習でも少しずつ確率が上がってきた分、曲でもしっかり練習から入れて取り組んでいるので、それを大会で降りていかないと、この先の大会や全日本、そういうところでも必要になってくるなと思うので、いまのところはずっと入れるかなと思っています。

ーー 練習が自信になってきているんですね。
 前よりはだいぶ跳べてきているし、曲でも降りることが増えてきているので、少しずつではあるんですけど、ちょっとだけでも確率が上がってきているかなという感じです。

ーー 理想的なアクセルの跳び方は?
 自分のアクセルジャンプはちょっとだけ男子選手のジャンプっぽいところもあるんですけど、男子ではないので、まったく同じではないんですけど、(男女の身体の使い方の)両方が必要だなと。誰というのはあまりないんですけど、(男女のトリプルアクセルジャンパーを)見て参考にできるところは少しでも参考にしたり、コーチに言われたことを自分で意識してがんばっています。

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