氷の上で自分を表現できる醍醐味
スケート教室につづいて、町田、中野、小平、唐川の4人によるトークショーが行われた。司会を務めた町田がまず、あいさつ。
「みなさん、スケート教室お疲れさまでした。どうでしたか？」と尋ねると、子どもたちから「楽しかった！」という元気な反応が返ってきた。「うれしい。みんなそれぞれ上達して素晴らしい。本当にみなさんよくがんばりました。最初はもしかしたらちょっと怖いかもしれない。でも落ち着いて着実に練習していけば、こうやって1時間氷に乗るだけで、1人で自分の力ですべっていくことができます。だから、意外にね、できちゃうんですよ。先生が優秀だったってこともあるんですけれどもね。（笑）今日みんなと一緒にスケートを楽しめてぼくもうれしいです。ぜひこれをきっかけに続けていってほしなと思います」
町田が「中野先生、いかがでしたか？ 楽しかったという声もありましたが」と指導した感想を尋ねると、中野は「みんなより先生方のほうが楽しんでたかもしれないです。みんながスケートがうまくなりたいって楽しんでいる姿を見て、先生たちもすごくうれしかったし、みんなにうまくなってもらいたいなという気持ちが強くなって、いろいろなことを伝えられたかなと思います」と答えた。小平は「子どもたちに限らず、お父さんお母さん、今日見に来てくださった皆様も、スケートを始めていただけたらすごくうれしいので、ぜひやってみてください」と呼びかけた。
続いて、「スケートの魅力とは？」という質問には、唐川は「スケートを習っていくと、テレビで見ているように、1人で音楽に乗って演技したりすると思うんです。たとえば、お姫様みたいに舞ったり、かっこよくアクロバットの技をしたりとか。自分がやりたいこと、なりたい自分をスピードに乗って滑って表現できるのが、フィギュアスケートの魅力だと思います」と答えた。すると、町田が「世の中には、たくさん踊りの種類があります。たとえば、バレエとかジャズとかタンゴとか、ヒップホップなどストリート系とかいろいろあるけど、フィギュアスケートっていう世界はなんでもありです。そこにルールはありません。競技会になると、ジャンプがどうのとかいっぱいルールがあるけど、表現の自由が担保されたとても素晴らしいスポーツ、ダンスフォームだと思います。本当に表現したいことが氷の上で表現できる。私もそこに惹かれてスケートをはじめました」と明かした。
プリンスアイスワールドの魅力
中野、小平、唐川が出演する「プリンスアイスワールド（PIW）」は、半世紀近い歴史をもつ日本でもっとも伝統あるアイスショー。2月21～24日には、ダイドードリンコアイスアリーナで東京公演が予定されている。そのすごさについて、中野は次のように語った。
「試合では、1人や2人で滑ることが決められているんですけど、アイスショーは、1人で滑るときもあれば、20人で滑るときもある。また2人や3人で滑ったり、ときには人を持ち上げたり、さっきぼくが（スケート教室前のエキシビションで）やりましたけど、バックフリップという技をしたり、普段テレビであまり見られないような面白い技がたくさんあるエンターテインメントになっています」。
唐川は、「個性やキャラクターがはっきりしているので、1人1人の魅力が詰まっています。それに加えて、20人とか25人が集まって全員で滑る演目は、きれいなフォーメーションでスピードに乗って滑るパフォーマンスが圧巻だと思います」と説明した。
ミュージカル作品を題材にしている2024－2025シーズンのPIW。ミュージカル作品を演じる面白さについて、小平は「既存のミュージカルを氷上に落とし込んでいるので、キャラはある程度決まっているんですけれども、キャラをきちんと理解したうえで、そこに自分の個性、色を入れていくのかがすごく大事であると思っています」と話した。
町田は「いまは真面目な先生たちですけど、氷の上に立ったら、すごく別人になりますから、そこも注目なんです」と話し、ショーの見どころについて、「ミュージカルですから、言葉があります。ストーリーとか登場人物の心情が言葉に乗せられて歌われるわけですが、歌を聴きながら、この言葉がどういうふうに彼らの身体の動きで表現されているんだろう、表情やフォーメーションで表現されているんだろうといったところを気にして見ていただけたらより楽しめるんじゃないかと思います」と結んだ。