倉敷の広い空と、おおらかな人々と
―― 倉敷の街から得たインスピレーションはありましたか。
中島 すごく空が広く感じて、ちょっと自由になれた気持ちはあったかもしれないです。
山時 気持ちいいよね。外に出ていると、空気もきれいだし。
中島 晴れの日が多いから……。紅子には生かしちゃだめだなと思っていたんですけど、すごく明るい気持ちになったりできました。
高橋 それこそ晴れが多いので、陽気な方が多いというか、おおらかな方が多い。物語でも、大人たちの雰囲気にそれが出ていましたね。古い町並みも、あとは畑とか空とか、自然のものがすごく素敵に描かれていて。
山時 そうですね。田んぼとか、畑とか。ぼくも自転車でバーッと走るシーンはすごく気持ちよかったです。
高橋 それが当たり前で、自分ではわからなかったけど、改めて素敵だなと思いました。
―― 倉敷市の伊東香織市長が出演されていて……。
高橋 市長さん、びっくりしましたね。「ここで出てくるんだ」って。ぼくは若いときからお世話になっている方なので、なんだろう……親戚?(笑)が出ているみたいな。倉敷人としては、知っている人たちがたくさん出てくるのが面白かったです。ぼくもそう思われているのかな。
―― 印象に残っている場面は。
中島 お兄ちゃんと一緒にご飯を食べるシーンで、最初のほうは全部私がお世話していたんですけど、後半では助ける必要がないくらいに自分で成し遂げられるようになるのが……人の成長を見たな、すごいなと思えたのが、印象に残っています。
山時 きょんくんとのシーンは、前半と後半で同じ画角だったんだよね。
高橋 結構うるっと来ちゃうところだった。
山時 ぼくはやっぱり橋爪功さん。貴重なものを見させていただいた感じがすごかったです。ひと言喋るだけですごくリアルで、ズドーンと来ました。一流を見た感じがした。さっき上を目指すというお話がありましたが、間近で大御所の先輩を見て、そういうことを感じました。
高橋 紅子と蒼と祈一の3人組を見ていて、本当にいいよね、ああいうやつらって思っていました。すごく絶妙なバランスで、めちゃくちゃ好きでしたね。初めての撮影も、蒼と祈一の2人とだったので、2人がつねにいいバランスでいるからこそ救われたというか。
中島 紅子と古城さんは、最初あまりいい関係ではないんですけど、そこからだんだんと理解していって、感謝の気持ちも芽生えていくんですよね。
高橋 距離感が微妙だったので、現場でも最初はあまり喋らないように気をつけていました。蒼とはすごく喋ってましたけど。でも、暗い表情が多かった紅子が変わっていくシーンは、ぼくも見ていてなんだか幸せな気持ちになっちゃって。こうやってどんどん壁が剝がれていくんだなとか、こんなにも受ける印象が違うんだなとか。幸せそうな顔を見れたら、すごくうれしくなっていました。
中島 あのとき、一緒に写真を撮りましたよね!
高橋 本当に、いろんな世代の人たちに見ていただきたいです。「つなぐ」こと、人と人がつながることで、より大きなものが成し遂げられるということが感じられる映画になっているので。
CREDIT
●山時聡真さん
スタイリスト:西村咲喜 ヘアメイク:AZUMA(M-rep by MONDO artist-group)
●中島瑠菜さん
スタイリスト:西村菜月 ヘアメイク:SAKURA(まきうらオフィス)
ワンピース¥17,600 【LAEMUSE】(https://laemuse.online/)
●高橋大輔さん
スタイリング:折原美奈子 ヘアメイク:宇田川恵司
セットアップ¥209,000 衣装協力:DAKS(ダックス)/三共生興ファッションサービス