スケートとともに1日を過ごす
新たな本拠となるリンク「Sysmex Kobe Ice Campus」が6月にオープンし、練習環境も向上した。毎日行われるクラブの朝の練習、夜の練習のあいだに、トレーナーとのトレーニングセッションに臨んだり、一般営業に混じってスケーティングやスピンの練習をしたりと、「スケートとともに1日を過ごしている」という。
念願のシスメックスリンクがオープンして、毎日、ウィーンと自動ドアから入るときから、『ありがとうございます』と思いながら、日々過ごしています。
お教室も始まり、小さな子から大人の方までがスケートをしている姿を見ると、この世界にいることができて幸せだなと思います。以前同じ神戸クラブで滑っていた先輩方もお教室を教えに来てくださって、久しぶりにお会いするのも感慨深く、感動のシーンがたくさんありました。スケートって、やっぱりかけがえのない存在。ちっちゃい子たちと一緒に滑ったときは、『本当にスケートって楽しいよね』と思いながらやっていました。
近畿選手権の表彰式を終えた三原に、次の試合である11月の西日本選手権での目標を訊くと、間髪を入れずに「200点!」という端的で明確な目標が返ってきた。氷上でのたおやかな表現と愛らしい笑顔、逆境に耐える辛抱強さから、つい柔和な印象を抱いてしまうが、この人は本来、骨の髄までアスリートなのだ。
「演技を終えて、悔しい、と思うことが多いので、性格は“負けず嫌い”なのかな」。そう笑ってみせる三原。サマーカップのときに、「終わりは決めずに、行けるところまで進んでいきたい」と話していたが、今回は「日々成長していく」としながらも、「試合というものも、これからまだまだたくさん滑れるというわけではない」という想いものぞかせた。いま目標にしている西日本選手権、そして全日本選手権まで、およそ2ヵ月半という時間を、どのように過ごしていくのだろうか。
気づけば10月で、今年あと3ヵ月もないんだ……と気づいて。毎日、トレーニングのときに汗を流しながらしていたのが、あ、ちょっと涼しいかもとなって、あっという間に長袖を着て。本当にあっという間の日々のなかで、全日本までもあっという間というのが予想されます。そのなかでも、スケートとともに日々過ごすことができるのがすごく幸せですし、この日々は本当に残り少ないと思っているので、全日本のショートプログラムの最初のポーズのとき、フリーの最初のポーズのとき、キス&クライで先生方と一緒に座るとき、ここまでがんばってきてよかったなとしっかり思えるように、悔いなく毎日を過ごしていきたいなというふうに思います。
そう話した三原舞依は、少しはっきりとした口調で、付け加えた。
どんなことがあっても、がんばります。