2025年10月11日
近畿選手権で2位。11回目の全日本選手権へ

STORIES2025①三原舞依「どんなことがあっても、がんばります」

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「戦場のメリークリスマス」と「ジュピター」で届ける強い気持ち

今シーズンのSPとして選択したのは、映画「戦場のメリークリスマス」より「Merry Christmas, Mr.Lawrence」、通称「戦メリ」と呼ばれる、2022-2023シーズンに滑ったプログラム。振付のデイヴィッド・ウィルソンから「マイのスケート人生を込めて滑って」と授けられた、彼女にとって大切なナンバーだ。近畿選手権のSPでは、2アクセル、3フリップを滑らかに降りたあと、3回転+3回転を目指していた後半に入ってのコンビネーションを3ルッツ+2トウにして、着氷時に一瞬「あっ」と残念がるような笑みを見せた。結果は65.60点でSP2位。

後半に3回転+3回転をしっかり跳んでこその『戦場のメリークリスマス』のプログラムの世界観かなという感じで、そこは自分を曲げずにしっかり跳べるようにしたいなと思っていて、近畿ブロックまでの日々はノーミス率もだいぶ上がってきていたので、ちょっと悔しさはあります。でも、つけようと思えば3回転もつけられたと思うんですけど、中野先生からは『いいほうを選んだね』と。

『戦場のメリークリスマス』のスピンからステップ、レイバックスピン、最後のポーズまでが一番の見せ場でもあると思っていて、私自身ステップシークエンスが大好きなので、倒れるんじゃないかというくらいまでエッジを倒して、上体を使って、ジャンプの悔しさのぶんステップで思いきって動かそうという思いで滑っていました。

(このプログラムは)練習の1回1回も含めて、1音1音を全身で受け止める……ではないですけれど、思いがどんどん増していって。この曲で滑らせていただける幸せと、スケート人生を込めてという思いをしっかりと心のなかで考えながら、滑っている感じです。

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フリー「Jupiter The Planets」は2023-2024シーズンに滑ったプログラムのリバイバルで、やはりウィルソンの振付。冒頭で3ルッツ+3トウを跳び、トレードマークの連続ジャンプは3フリップ+2トウ+2ループ。回転不足はいくつかついたが、目標としていたジャンプに果敢に挑む演技だった。フリー121.96点、総合187.56点で最終順位は2位。目標としてきた3回転+3回転を、この演技でついに組み込むことができた。

今日は絶対3回転+3回転をプログラムに入れたくて、構成もちょっと変えて、1つ1つ本当にチャレンジして、最後まで何とか滑りきれたという感じです。曲が始まってから、どういうコースでいこうか考えながら、思いきって最初のジャンプを跳ぶことができたので、3トウをつけることができた。回転不足はついたのですが、まずまずの出だしかな。

試合で降りようと思ったら、まだまだ練習が必要なんだなというのが率直な思いですが、昨シーズンを振り返れば、まず6分間練習で3回転+3回転まで跳ぶことができたのはすごく久しぶりだと思って、先生にも『6分で全部練習できたよ』と言っていただいて、その点でも少しずつ成長できているんじゃないかなと思います。このまま前に進んでいけるよう、身体のケアとともに、西日本、全日本とつながるように、ギリギリをがんばって生きていきたい。

笑顔のなかに、強い意志が混じる。折れそうなところまで落ち込んでしまった心が、次第に本来の強さを取り戻していくプロセスにあることが感じられる姿だ。大学院で専攻しているスポーツ心理とレジリエンスも役に立っているという。レジリエンスとは困難な状況を乗り越える精神的な回復力を意味し、スポーツの領域でも重要性が増している概念だ。

皆様のサポートのおかげで私は生きられていて、スケートをすることができている。先生方、家族、友だち、たくさんの方々への感謝の思いを、私はスケートで表現したい、演技に込めて表現したいという思いが強いので、日々氷の上に立てる幸せを感じながら、それを試合で発揮できるようにがんばりたいです。いままでの私のスケート人生に悔いがないように、シーズンを過ごしていきたいです。

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