2025年10月11日
近畿選手権で2位。11回目の全日本選手権へ

STORIES2025①三原舞依「どんなことがあっても、がんばります」

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10月3~5日に木下アカデミー京都アイスアリーナで開催された近畿選手権。4日にSP、5日にフリーが行われた女子の試合で、三原舞依選手が、優勝の三宅咲綺選手に続く2位で表彰台に立ちました。復帰2戦目、今シーズンの全日本選手権へ向けての最初のステップとなる試合で、しっかりと結果を出した三原選手。ここまでの道のりと、彼女自身のこれからへの想いを追います。

第2のスケート人生を歩む

昨年末の全日本選手権で、三原舞依はSP23位となったのち、フリーを棄権した。右足首と股関節の状態が悪化し、フリーを滑り切ることはできないという苦渋の判断だった。復帰戦となったのが8月のサマーカップ(8月9~12日、滋賀・木下カンセーアイスアリーナ)で、今回の近畿選手権が復帰2戦目になる。

2024年全日本選手権の棄権を知らせた掲示

三原は我慢強い人だ。苦しい時期、入院や休養をせざるを得ない時期をたびたび過ごしてきた彼女は、しかし、競技の場においてそれを口にすることはほとんどなかった。話したとしても、そのことのポジティブな受け止めを必ず言い添えた。不調の理由を説明することが、言い訳のように聞こえることを避けたかったのだろう。見かねた中野園子コーチが、「本人は公の場で言いたがりませんが……」と前置きして、苦況を説明することが何度もあった。

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その彼女が、8月のサマーカップでは、全日本選手権を棄権したあとの日々について、「落ち込んでしまったときは、何も考えられなかったり、無の時間を過ごすことが多くて、年末もその時間がいままで以上に長くて……これまで積み上げてきたことが、これでよかったのかと自分を疑ってしまったり、不安に感じることが多くて、前が真っ暗という状態でした」と話した。彼女のことだから、この言葉が示す以上に辛い日々だったに違いない。

休養を長く取り、2月に氷上練習に復帰。彼女がスケートを始めた場所である神戸市立ポートアイランドスポーツセンターでのことだった。それ以来、小さいころに中野コーチから教わったひょうたん、片足スネークといった基礎のスケーティングから始めて、練習を積み重ねてきた。スピンやステップが滑れるようになると、今シーズンだけでなく、過去に滑ったプログラムのステップシークエンスを全部踏んでみるといった試みもしてきたという。「目標が進んでいくにつれて、すごくわくわくした気持ちになって、第2のスケート人生を歩んでいるような感覚」で進めてくることができた。6月までにはジャンプの練習も再開し、8月のサマーカップでは188.77点で3位。

サマーカップが終わってからも、辛い時期もあったんですけど、こうして試合に戻ってくると、みなさんにお会いできるのが何よりうれしくて。試合というものも、これからまだまだたくさん滑れるというわけではないので、1つ1つをかみしめながら、大切に滑りたいなと思ってきました。

まずは自分を信じて、いままでの練習を信じて、足を信じて、背中を押してくださる先生方を信じて、応援してくださる皆様を信じて、前向きに心を明るく保って……そうしていたら、何事も楽しむことができると思うので、スケートがやっぱり大好きで楽しいという思いを表現できるようにしたい。

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