現地入りした直後にスケート靴が壊れるという不運に見舞われた三浦佳生選手(オリエンタルバイオ/明治大学)。靴にテープを巻いて補強を施すなど、懸命の努力を重ねて迎えた男子SPは、ジャンプ2本にミスが出る三浦選手にとって厳しい内容に。しかし、スピードに乗った全身全霊のパフォーマンスは観客の胸を打ち、多くの拍手が送られました。三浦選手の演技後の声です。
三浦佳生「大きな大会で結果が出せないもどかしさはある」
練習中に発生した、「片側だけ曲がりやすくなってしまう。想定外の事故」というスケート靴の問題。用具の面でも代表をサポートする日下匡力コーチにも相談し、手を尽くして対処を試しながら臨んだ個人戦のSP。最初の4サルコウからのコンビネーションがパンクして、2サルコウ+3トウになると、3アクセルの着氷を挟み、4トウでは転倒を喫した。だが果敢に攻めていくプログラムを最後まで諦めずに滑りきり、76.77点で22位となってフリーに進出。落胆を隠せない表情ながら、靴のせいにはせずに「実力が足りなかった」と潔く結果を見据えた三浦は、フリーに向けてもネバーギブアップの精神を垣間見せた。
―― 今日の演技を振り返って。
三浦 あっという間に終わってしまったなっていうのと、すごく残念な気持ちでいっぱいです。
―― 初めてのオリンピックでの演技でしたが、緊張などは?
三浦 もういつも通りの試合運びで、いつも通りの緊張感で、いい試合運びができてたと思うんですけど。6分でなかなか思うようなジャンプはできずに、その修正を考えてましたけど、練習というか実力が出たのかなっていうふうに思います。
―― サルコウはどんな感触だったのですか。
三浦 分かんないですね。気づいたら2回転で立ってたという感じなので。正直、サルコウのパンクをここ数年ショートではしてないので、そこは自信を持って跳びに行ってたんですけど、なかなかないミスをここでしてしまったところで、ちょっと……うん、とは思いましたけど。気持ちは切り替えてアクセルをしっかりと跳んで、ただその後トウループでまた失敗というかたちになってしまったので、すごく残念です。
―― トウループはどういう気持ちで。
三浦 もういつも通りというか、冷静に行けば跳べるという気持ちで行ったんですけど、跳び上がりの時点でもう「ああ、だめだな」っていうのは、完全にもう軸が後ろにいたので、もう分かりましたし。なんかもう、なんて言えばいいんですかね……なんか、難しいなって感じですね。
―― 靴の影響は?
三浦 靴はもう関係ないですね、正直。今日の練習も跳べてたし、その前の日も跳べてたし。そこは関係ないというか、ただ自分の実力が足りなかっただけだと思います。
―― フリーまで2日あるというのは、気持ちの面や技術の調整においていかがですか。
三浦 2日あるのはすごく助かりますね。こういう時に2日あるっていうのはすごく……1回気持ちをリセットさせていくという部分もありますし。あとは2年前の世界選手権のアダム(・シャオイムファ)のようなこともあるので(註:2024年世界選手権でSP19位からフリーでごぼう抜きし、総合3位へと大逆転)、最後まで勝負事は諦めずに行きたいなというふうに思ってます。
―― 昨日右足にテープを巻いていましたが。
三浦 今日、靴を履いて結んでみて、昨日まではぐにゃって曲がってたんですけど、履いて曲げてみたら、思ったより大丈夫だったんで、いけるかなと思って。で、練習でもしっかり跳べてたんで、大丈夫かなと思ってました。
―― 板とかはつけずに?
三浦 そうですね、板とかをつけずに。公式練習でできてたんですけど、ちょっと6分間で変な曲がり方してる感じはしたんですけど、何とかそれでも跳べてはいたので。できないことはないんだと思いますけど、ちょっと一旦そこは保留というか、また明日ちょっと板入れて試そうかなと思ってます。
―― 6分間練習の後、靴は1回脱いだのですか。
三浦 1回脱ぎました。
―― 再び履いても感覚は変わらず?
三浦 そうですね、感覚は変わらず、やる前からいけるなという気持ちはありました。
―― 他の国際大会と違う緊張感を今日味わって、それをどうフリーに生かしていきたいですか。
三浦 なかなかこういう大きな試合に派遣してもらった時に結果が出せないっていうもどかしさというか、悔しさはあるんですけど、まずは本当に気持ちを切り替えて、今回は今回でしっかり、勝負事は最後まで諦めずにやっていきたいと思っています。


