ISUから功績を残したスケーターに贈られるISUスケーティングアワードの受賞者が、2月11日、スイスのチューリッヒで行われた「アート・オン・アイス」にて発表されました。
事前にエントリーが公表され、一般投票とメディア投票の結果を受けてそれぞれの賞のファイナリストが3人に絞られた後、6人の審査員(安藤美姫、スルヤ・ボナリー、ブライアン・ボイタノ、ラウラ・レピスト、チェン・ルー、アンドリュー・ポジェ)によって受賞者が決定。「アート・オン・アイス」中に行われた授賞式では、最優秀選手賞、最優秀新人賞、最優秀衣装賞、エンターテインメント・プログラム賞、最優秀振付賞、最優秀コーチ賞のほか、特別功労賞と生涯功労賞も発表されました。
日本からは、最優秀新人賞において2023年12月のグランプリファイナルで3位に入った吉田陽菜(木下アカデミー)が、最優秀コーチ賞において吉田、四大陸選手権優勝の千葉百音、ユースオリンピック金メダルの島田麻央らを指導する濱田美栄コーチが受賞しました。
特別功労賞には、現役最年長の40歳にしてペア競技の第一線で活躍するディアナ・ステラート=ドゥダク、生涯功労賞には、男子シングルで2度オリンピックの銀メダルを獲得し、引退後はコーチとして羽生結弦、キム・ヨナとオリンピックチャンピオンを育てたブライアン・オーサーが選ばれました。
受賞者は以下の通り。
・最優秀選手賞:イリア・マリニン(アメリカ/男子シングル)
・最優秀新人賞:吉田陽菜(日本/女子シングル)
・最優秀衣装賞:ルナ・ヘンドリックス(ベルギー/女子シングル/FS「BREAK MY SOUL/Vogue」/デザイン:ルナ・ヘンドリックス、ヨリック・ヘンドリックス、アダム・ソリヤ)
・エンターテインメント・プログラム賞:アダム・シャオイムファ(フランス/男子シングル/FS「Departure」ほか)
・最優秀振付賞:ブノワ・リショー(フランス/主な作品:アダム・シャオイムファ SP「The Prophet」、ニナ・ピンザローネ FS「スパルタクス」)
・最優秀コーチ賞:濱田美栄(日本/指導しているスケーター:島田麻央、吉田陽菜、千葉百音ほか)
・特別功労賞:ディアナ・ステラート=ドゥダク(カナダ)
・生涯功労賞:ブライアン・オーサー(カナダ)
授賞式の司会は、第1回の生涯功労賞の受賞者で世界選手権を4連覇したカート・ブラウニングが務めました。日本からは吉田陽菜が出席し、アーティストとのコラボレーション演技を披露したあと、得意の英語でカート・ブラウニングのインタビューに答えました。「たくさんの人に注目される気分は?」と聞かれると、「練習より試合が好きなので、ジャッジや観客の皆さんに見られるのは好きです」とスター性を感じさせるコメント。吉田を指導し、最優秀コーチ賞を受賞した濱田美栄コーチはビデオメッセージを寄せ、「最優秀コーチ賞をいただけて大変光栄に思います。支えてくださった皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです。私自身はスケーターとして夢をかなえることはできませんでしたが、生徒たちが夢をかなえてくれています。これからもコーチとして、また人として精進していきたいと思います」と語りました。授賞式はYouTubeで世界中に配信され、華やかな雰囲気のなか幕を閉じました。