12年ぶりとなるプリンスアイスワールド(PIW)の愛知公演が12月13日、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)アイススケート場で開幕しました。「PIW THE MUSICAL~The Best of BROADWAY~」と題して届ける2025―2026シーズンのプロダクション(構成・演出:菅野こうめい)。ブロードウェイのミュージカルのハイライトを、明るく楽しく、ときには切なく、ソロやデュエットからグループまで、さまざまなパフォーマンスで氷上に描き出します。22人のPIWチームとともに、ゲストスケーターとして、荒川静香さん、“かなだい”こと村元哉中さん&高橋大輔さん、宇野昌磨さん、鈴木明子さん、織田信成さん、田中刑事さん、本郷理華さんが出演し、それぞれ個性あふれるナンバーを披露し、ショーを盛り上げました。
ゲストスケーターが語る今回のPIWの見どころは?
初回公演を終えたゲストスケーターが取材に応じ、今回のショーの見どころについて語った。
荒川は「いろいろなミュージカルのパーツパーツ、いいところを楽しめるのが、今回のPIWのショーの魅力」と話し、田中も「スケートでそのミュージカルを見たときにどんな見え方がするのかな?って、ぼくもすごく楽しく見ています。そういう楽しいところをいっぱい詰め込んだショー」とほほ笑む。鈴木は「ミュージカルの歌詞が日本語なので、意味が分かりやすく、作品のことが入ってくるのも今回の見どころの1つ。大会とは衣装や照明が違っているところも楽しんでもらえたら」とアドバイス。
また、本郷は「最初から最後まですごく全部楽しいと思います!」と太鼓判を押し、織田は「ゲストスケーターももちろんすごく豪華で、名古屋はとくに個性派揃い。いろんな個性があって、ゲストスケーターを見ててもすごく楽しいと思いますし、ブロードウェイとフィギュアスケートって、すごく相性が良い。フィギュアスケートがわからない人でもすごく伝わる楽曲とか衣装とかだと思うので、きらびやかな世界を見てほしい」と力を込めた。
村元は「PIWのキャストが次々に衣装を展開し、いろんなキャラクターを演じ、それぞれのスケーターの魅力がつまっている」と言い、加えて、「今回『メリー・ポピンズ』で、大ちゃんがキャストのみんなと一緒に滑っているのが、 素敵な見どころの1つ、演出かなと思います」と話した。だが、次の高橋がそのことを話すつもりだったことに気づいた村元が「ごめん!」と恐縮しながら謝ると、現場は温かい笑いに包まれた。高橋は、「見どころは全部だと思うんですけど、キッズの人たち、これからスケートをがんばっていく人たちが、キャストとともに大勢の中で滑るのはなかなか見ないので、すごくいい。ぼくも今回参加させていただいて、楽しくやらせていただいています!」と笑顔で話した。
宇野は「プリンスアイスワールドは、これまでも長くお世話になっているんですけども、今年1年はとくにいろんなショーでお世話になり、メンバーにも、運営の皆さんにもお世話になり、これからも皆さんとショーの一員として、こうやってショーを一緒に作っていけることがとても嬉しく思いますし、またこのショーの内容に関しましても、やっぱりプリンスの皆さんプロですし、そのなかにぼくたちゲストスケーターが滑られるっていうのが他のショーにはまたないいい部分かなと思うのでぜひ見てください!」と呼びかけた。
“かなだい”、2年越しの新プログラムを初披露
続いて、ゲストスケーターたちが自らのソロナンバーについて紹介した。
PIWの“顔”である荒川静香が披露したのは、ミュージカル『ゴースト』より「With You」。 荒川は「ちょっと切ない。でも歌い上げる部分で、スケートの伸びやかさと重なれる部分がある。心地よく滑れることが いちばんその曲と重なれると思うので、一生懸命というよりは心地よさを皆さんにお伝えできるような形で世界観を紡いで滑っていました」とコメント。織田は『A Little Night Music』より「Send In the Clowns」で「ピエロの哀愁をテーマに滑っています」と話し、『ディア・エヴァン・ハンセン』より「For Forever」を滑った田中は、「1人の少年がついた嘘から広がる世界観を表現して詰め込みました」と語った。
評判の高いナンバーを披露した3人のいっぽう、新プログラム「Lay All Your Love On Me」のお披露目をしたのが”かなだい”だ。プログラムのテーマは、「再生、生命」。村元は「ケイトリン・ウィーバーさんに振付けていただいたプログラムで、引退した年(2023年)に作ったものです。なかなか披露できる場がなかった。音どりが難しくて、すごくコンテンポラリーなプログラムになっているので、2人ともがいろんな経験を経て、やっと2年越しで、1つの作品として披露することができました」と話した。高橋も「ケイトリンから『いつするんだ?』って、言われてました」と明かし、「いままでここまでコンテンポラリーな曲をやったことなかったので、新たな“かなだい”の姿をお見せできるのが見どころかなと思います。リフトががっつり入っていて、意外に組んでいるところが少なくて、結構シンクロするのがすごく難しい。今日も動画を見返したんですけど、シンクロ率がまだ。観ている以上に難しいプログラムで、やりがいのあるプログラムになっています」と力を込めた。
鈴木は、今回披露した「Wasted Love」について、「今年の IG アリーナのオープニングのセレモニーの時のご縁で、ダンサーの方に作っていただいたプログラムです。曲は、ユーロビジョンでチャンピオンを獲ったときから、滑りたいと思っていた私の大好きな曲で、愛ゆえに没頭していってしまう人間の姿を描いています」と紹介した。
本郷が披露したのは、ミュージカル『ムーラン・ルージュ!』より「Backstage Romance」。本郷は「ショーのテーマがブロードウェイなので、ミュージカルの曲はあまり滑ったことがなかったのですが、せっかくなら私も滑ってみたいなっていうことで、今回の曲を選びました。お客様の近くで踊ったりする部分がとても多く、自分もすごく楽しんで滑れるプログラムです」と話した。
ゲストのトリを務めた宇野は、2024年7月のPIW鹿児島公演で初演した「The Spectre」をエネルギッシュに演じた。宇野は「かなりハイテンポでダイナミックなエネルギーを使う演目。いまは他のショーでもちょっとダンサブルな演目もやったりしてるんですけれども、このプログラムを作った当初は、これが初めてのトライだったので、その時は披露する前にすごく緊張したんですけれども、今こうしていろんな経験を得て、当初の緊張より今はお披露目するのが楽しみという気持ちで滑らせていただきました」と充実した表情を見せた。
PIW愛知公演は、14日も11時30分と16時と2回公演が行われる。なお、1月9~12日には、東京公演がダイドードリンコアイスアリーナで予定されている。










