2025年10月5日
「毎日フレッシュな気持ちで練習ができている」

近畿選手権 友野一希、新衣装で男子SP首位スタート

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全国6地域で行われるブロック大会の最終週に開催されている近畿選手権(木下アカデミー京都アイスアリーナ)。10月4日の大会2日目には、シニア男子SP、ジュニア女子フリー、ノービスB男子、シニア女子SP、ジュニア男子フリーが行われました。最初の種目だったシニア男子で、先週末のCSネーベルホルン杯(ドイツ・オーバーストドルフ)から帰国後すぐの連戦となる友野一希選手(第一住建グループ)が、SP首位に立ちました。演技後のインタビュー全文をお届けします。

SPの新衣装をお披露目した友野一希 ©Nobuaki Tanaka/Shutterz
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友野一希「SPのテーマはイケイケ盆踊り。もうちょっとかっこいいテーマにしたい(笑)」

―― 演技を終えての感想は。
友野 じつはすごい緊張していたんですけど、なぜか知らないけどネーベル(ホルン杯)より全然緊張してて、でも笑顔で楽しく乗り切ろうと、身体もすごく動いていたし、もしかしたら点数的にもレベルを落としていたかもしれない、やっぱり国内大会はしっかり厳しかったです。そのなかでレベルを取ってこそだと思うし、スピンとか、トウループやアクセルももしかしたら不十分だったかなと。たぶんアクセルはしっかり引かれていると思うので、そこらへん、あの内容でも89、90点近く狙えるクオリティに演技を持っていけるようにしたい。でも、とても楽しく演技を終えることができて、疲れもあるかなと思ったけど意外に(帰国すぐの)今週元気いっぱい動いていたので、フリーでも自分のやるべきことを1つひとつやっていけたらいいかなと思っています」

―― 緊張というのはどのあたりが?
友野 いやもう前日から眠れませんでした。国内試合はやっぱりちょっと緊張するんですが、あとは朝早いということもあって。昨日の練習が「さっき」みたいな感覚でした。でも最初のトウループで思いきって跳べて、(セカンドに)トリプルをつけたかったんですけど、着氷時に足が攣ってしまったりして。それは栄養の管理不足、飲む水分量が少ないなと思っていた。いつも2リットルのペットボトルもっているのに、今日は500ミリリットルなので、そこが原因じゃないかと。ま、まだボケれる余裕があるので大丈夫だと思います。(笑)

―― 点数的には。
友野 冷静になるとアクセルはあまりいい内容じゃなかったし、もしかしたら81、2点あたりかとも思ってたので、やはり国内ではしっかり点数に出るなと。まあ国内でしっかり認められてこそだと思います。国外では自分は結構点数が出るほうだと思っているんですが、スケートはみんなが見て「やっぱりいい」と思ってもらえるように頑張るスポーツだと思うので、どこに行っても素晴らしいスケートだと思ってもらえるような評価をいただけるように、どの試合も今後努力していけたらと思います。

―― ジャンプの調子としてはどういう状態ですか。
友野 いい上がりをしていて、サルコウは跳び急いでしまって失敗になってしまったんですけど、練習でも落ち着いて滑れているし、ジャンプに関してはしっかり練習を積めれば、自分としては着氷は問題ではない。ので、あとはいまのルール的にも、いくらコンビネーションを降りても綺麗に降りたアクセルのほうが点数が高かったり、GOEが関係してくると思うのでそういうところを詰めていければいいなと思います。そういう緊張感があったのかもしれません。本番ではあまり気にしすぎず、思い切りよく、いいジャンプが跳べたらなと。

―― ショートプログラムのテーマは。
友野 イケイケ盆踊りって呼んでいるんですけど。こう手を上に(振り上げる振付があるので)。もうちょっとかっこいい感じにしたいな。(笑)

―― フリーに向けての意気込みは。
友野 フリーは落ち着いて、また違った滑りを見せられたらいいなと思います。ネーベルホルン杯での反省点、まとまってきてはいるけどネジが締まりきっていないというか、着氷が乱れることが多い試合だったので、そういった反省点を今回回収していけたら。短い期間ではあるんですが、この1週間、長く感じるくらい1日1日すごく充実していたので、前回よりもひとつでもいいところがあるようにしたいなと思っています。

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「セクシーさがありつつ、ちょっとゴージャス」新衣装を初披露

―― 新しい衣装のお披露目ですね。
友野 ちょうどネーベルが終わって届いたので。デザイン画で見たときと比べて、思ったよりも結構「紫」だなというのは感じたんですけど、もうちょっと薄いの想像していたんです。でも透けている感じで、身体のラインがしっかり出るデザインになっています。いろいろなショーに出て、いろんな衣裳を着させていただく機会があったりして、案外ぴったりしている、透けている衣装が似合うなというのは思ったので、今回はちょっとセクシーさがありつつ、北米感……ぼくの大好きなワードなんですけど。(笑)海外の衣裳さんに頼んで、シンプルだけど結構身体で見せる、身体の一部のようだけど、ちょっとゴージャスという衣裳をお願いしますと言いました。たぶん最終形。もしかしたら変わるかもしれない。意見を聞きながら、もうちょっとゴージャスになるかも。

「ちょっとセクシーな」と衣装をチラ見せする友野一希選手 ©World Figure Skating/Shinshokan

―― 足が攣ったというのは?
友野 最初にトウを突く左足が吊って。ガチ攣りというよりはぴっと感じちゃったので、コンビネーションをダブルにして、(4回転)サルコウに集中しようという感じだったんですけど。でも(足が攣るのは)身体が動いている証拠なので。朝なのでしっかり動こうと、アップで動きすぎたかな。でも調子がいい証拠だと思います。気をつけながら滑りました。

―― 連戦が続きましたが、全日本へ向けた予行演習になりましたか。
友野 すごく落ち着いて過ごせましたね。帰ってからも疲れはあったので、逆にそこがよくて、いままでだと結構そのまますぐ練習して、とかだったのが、結構がっつり休んで2日間くらい。身体は軽く動かしながら2日間休んで、それでも水、木、金で3日間練習できたので、徐々に合わせていきました。海外に移動して、練習して、試合に合わせるみたいなスケジュールで今回動いたのがすごくよくて、練習再開したときには身体も軽くて、休むことの重要性というか、忙しいスケジュールだからこそしっかりと休みも練習だと思って取り入れながらスケジュールできたのが、今回よかったなと。フリーも朝が早いので、しっかり動いていけたら。

―― 8月から試合に出て、10月もなかばに差し掛かりました。順調ですか。
友野 最後のラストスパートでムチをパンと入れても大丈夫なくらい、身体がすごく出来ているので。去年はそれでいきなり上げて怪我をして、ということがあったんですけど、今年はその辺はしっかり対策していて、いつでもアクセル全開で動ける状態だと思う。ここから気温が変わったりするので、体調管理に気をつけて……本当に去年の経験が生きていると思います。いつでも全力で動ける状態まで持っていけたのがすごくいいし、何より試合でもあまり技術的なこととか、余計なことを考えずに、シンプルに集中できて、笑顔もある。自分のなかですごくいい証拠。試合での自分の姿を客観的に見ても、すごくいい仕上がりで、練習ができているんじゃないかと思います。あとは気持ちの面だったり、どれだけ自分を追い込んで、グランプリまで悔いのない1ヵ月を過ごせるかにかかっている。

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「頼れるところは全部頼りたい」織田信成のジャンプ指導

―― 織田信成さんにジャンプの指導を頼んでいるそうですね。
友野 国体(国スポ)で何回か(大阪府チームで)ご一緒させていただいたときに、年齢が30代を超えてもガンガン動いてトウループもいい確率で4回転を跳んでいたりするので、自分のなかでもアスリートとしてすごく尊敬できるところがあって、身体の使い方などを国体のときに意見交換させていただいていました。自分もそういう話をするのが好きなので。前回の国体から徐々にアドバイスをいただいたりすることが多くなって、週に1回ほど、ジャンプを修正していただいたり、見ていただいたりというのがあった。いままでそういうことをしたことがなくて、でもオリンピックシーズンに入って、もう「やるべきことはすべてやろう」というのが今年の目標なので、頼れるところは全部頼りたいし、自分だけで悩むんじゃなくてみんなに支えてもらいながら、夢というか目標に向かって1歩1歩、後悔なく進んでいけたらいいなというのを今シーズンとくに思ったので。自分は頑固なところがあって、すごくこだわって1人で悩んでということが多かったですけど、もう今回はそういうの一切やめて、全部頼れるとこは頼って、頑張っていこうという気持ちで、少しずつ教えていただくようになりました。ジャンプのタイプも違うので、合う・合わないがあるかなと思ったんですけど、やっぱりスケートをたくさん見ていらっしゃる方で、自分に合うジャンプを探してくれたり、細かいところを修正してくださるので、失敗してもあんまりストレスがなくなった。失敗の原因、成功の理由を1回1回理解して練習できるようになったのがいちばんいいところ。自分だけじゃ気づけないことが多いので、そういうところを客観的に見てもらっています。

友野一希 ©Nobuaki Tanaka/Shutterz

―― 印象に残った言葉は。
友野 いろいろなシーズンの試合から練習から、全部録画を見てくださって、自分の覚えていないところまで、「あのシーズンはこういうジャンプを跳んでいて、このシーズンのトウループとこのシーズンのサルコウが理想的だから、そこを目指していくのもいいし」とか言ってくださる。自分の弱点は軸づくりが遅いことなので、そこを改善すれば、高さはもう十分なので、より効率のいいジャンプが跳べるじゃないかと、軸作りや身体の使い方を指摘していただいています。

―― そういうことが気持ちの前向きさにつながっている?
友野 そう、楽しいし、もともとほかのところから刺激をもらうのがすごく好きではあったんですけど、シーズン通してがっつりというのは今までなかったし、違う先生に見てもらうのもすごくいい機会だった。去年も振付師を変えたりする新しい刺激があって、環境を変えていくことの大切さだったり、まあ遅かったかもしれないけれど、でもいま気づけて、最年長最年長と言われますけど、すごく毎日フレッシュな気持ちで、マンネリ化せずに練習ができています。新鮮な気持ちで練習できているのは本当に幸せなことだと思っています。

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