終演後には、坂本花織、鍵山優真、千葉百音、三浦佳生の4選手が取材に応じ、ショーの感想や選曲の経緯、新シーズンの目標などを語りました。
○坂本花織「ずっと指先からエネルギーが出るように」
お客さまに「今シーズンはこういうプログラムで戦うぞ」っていうのを見せる気持ちで臨みました。選曲は、ロヒーン先生が提示してくださったなかから３～４曲選んで、そこからロヒーン先生と好みが一致したこの曲にしました。いままでショーで滑ってきたタンゴはタンゴ風という感じでしたが、今回はよりタンゴっぽく、指先や視線、顔の使い方とかちょっとした細かい表現の部分をすごく重点的に振付をしたので、それが一味違うかなと思います。今年は2分50秒ずっと指先からエネルギーが出るような表現ができたらいいなと思っています。昨シーズンは成績はよくてもミスがあったりしたので、オリンピックのプレシーズンの今シーズンは内容をしっかり、よりクリーンな演技をすることを目指したいです。（髪を染めたのは）染めたい欲が出てきて、２回ブリーチしたので一瞬めちゃめちゃギャルになりました！
○鍵山優真「技術を最大限見せないと平坦なプログラムになってしまう」
今日は「ドリーム・オン・アイス」でしかできないことをやろうと思って、4回転フリップと4回転サルコウを構成に入れてみました。この曲は振付のローリー先生が「ユウマの静かなエッジワークと合うと思う」と言ってくださって、提案していただきました。静かな曲なので、ぼくの技術を最大限見せないと平坦なプログラムになってしまう。そこがすごく難しいところだと思いました。世界選手権が終わってからは新しいプログラムの練習を徹底してやってきました。4回転ルッツやフリップを練習したり、それからオフは教習所をがんばってたり、バレーボールを観に行ったりとか、すごくいろんなところに行っていろんな経験をして、ぼくにとって吸収することがあったので、それが今シーズンにつながればいいなと思います。今シーズンはとにかく1試合1試合、質を高めていくことを大事にしたいなと思っていて、出場するすべての試合で優勝できるようにがんばりたいです。
○千葉百音「底抜けに明るい曲にしたかった」
今日は表情もすごく作れて、お客さんと一体となっていい雰囲気で滑れたのがよかったかなと思います。このショートは底抜けに明るい曲にしたいなと思って、そのときに「Last Dance」という曲があることに気づいて、これをショートに決めました。この曲は夜のクラブとかで思いっきりはっちゃっけて楽しもうというような曲なので、曲の楽しさに負けないように私もしっかりはっちゃけて踊るのがテーマです。足元の振りで難しい部分があるのでがんばっているところなんですけど、さらにスケーティングを大きく、リンク全体をしっかり使って踊りきれるように意識していきたいです。今日はお客さんが入った状態での練習があって、お客さんの雰囲気をひしひしと感じて、とても新鮮な気持ちでした。本番もノリノリな曲ですごく場内も盛り上がったので、それがすごくうれしかったです。（夏のパリ五輪は）ビーチバレーのロケーションがすごく素敵なので、テレビで観てみたいです。
○三浦佳生「全日本を彷彿とさせる」
今日は初めてみなさんの前で滑ったんですけど、よすぎず悪すぎずできたっていうことと、もうジャケットは着ないって思いました。ジャンプ跳んでると浮いてくるんですよ。振られて全然跳べないし、伸縮性もないので動きづらいのと、暑いので。（「シェルブールの雨傘」について）この曲はもともと好きで、前々から使ってみたいなと思ってた曲の1つなんですけど、今年の世界選手権で韓国のアイスダンスのチームが使っているのを見て、いいプログラムだなと思って選びました。今年の「ドリーム・オン・アイス」は会場の雰囲気もなんかちょっと青い感じで、広告とかもあって全日本を彷彿とさせるような、ちょっと半分嫌な感じもする。（笑）試合を思い出す感じで緊張するんですけど、いきなり全日本でやるよりいいので、試合形式でいい経験をさせてもらってるという印象があります。今年はオリンピックのプレシーズンですが、そういうことは一切考えずに、そのシーズンはそのシーズンでやることをやるだけだなと思います。
「ドリーム・オン・アイス2024」は6月30日まで、KOSE新横浜スケートセンターで開催。6月29日17時からは、CS日テレプラスで生中継とスカパー！で生配信が予定されている。
本記事の写真はすべて©World Figure Skating/Shinshokan