2024年7月4日
コラントッテ鍵山優真選手スペシャルイベント

鍵山優真、新シーズンの漢字は「質」

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お客さんに楽しんでもらえるのがいちばん

―― 今回、イベントでファンの方々と交流していかがでしたか。
鍵山 コラントッテさんのイベントが1年ぶりぐらいだったのでちょっと緊張したんですけど、すごく楽しめました。ぼくが楽しむというより、お客さんに楽しんでもらうのが1番なので、楽しんでいただけたんだったら、それがいちばんうれしいです。

―― 新シーズンのキーワードに「質」をあげていました。
鍵山 ジュニアぐらいのときからずっとオールラウンダーになりたいと言っていて、そこがいまでも変わらない目標であって。四大陸や世界選手権で、ジャンプもそろえて、ほかも全部いい質でやるのがすごく大事だと思った。いまの構成だと勝てないのはわかっているんですが、もう少しステップアップしていって、1点でもはやくトップに追いつけるようにがんばりたいなと思います。

―― 表現面をさらに追い求めるうえで必要なことは?
鍵山 自分のなかで表現を完結してしまうことが多かったりするので、もっともっとジャッジだったり、お客さんだったり、外側に表現を届けるというのを意識してやりたいです。

―― カロリーナ・コストナー先生からこの1年でとくに学んだことは?
鍵山 印象に残っている言葉だと、「いちばん奥の席に座っている子どもたちにも表現を届けられるように、そこまで意識してやりなさい」と言われているので、練習からお客さんを想像して滑ったり、ステップのときも顔の角度がどう見えるか俯瞰しながら考えて練習しています。

―― 映像に撮って見ながら練習する感じでしょうか。
鍵山 そうです。やっぱり自分だけじゃ、思っているよりもできていなかったりとか、意外とできている部分もたくさんあるので、そういう発見を動画やコーチに見てもらうことで一緒に勉強していくのが、すごく楽しいです。

―― 楽しいんですね。
鍵山 楽しいです。練習はけっこう好きなタイプなので、練習の映像を見るのは好きなんですけど、試合の映像はあまり見ない。(笑)

―― うまくいったときも試合は見ない?
鍵山 あまり見ないかもしれない。ちょっと恥ずかしい……。(照)でも、過去の映像はすごくいい資料になったりもするので、いいところをどんどん吸収していって、もし悪いところがあれば改善していくかたちで、研究していけたらいいなと思います。

―― 「奥の席の子どもに届ける表現」についてどう取り組んでいきたいと思っていますか。
鍵山 まずはしっかりと受け取ってもらえるように、ぼく自身が曲の解釈だったり、表現の1つ1つの動きの意味だったり、どういう意図でこういう動きをしているのかを自分がわかっていないと受け取ってもらえないので、まずは自分がいちばん表現について理解できるようにもっと勉強したいと思います。

豊かな表情からもイベントの楽しさが伝わる鍵山選手©World Figure Skating/Shinshokan

―― そういう意味では、会場で見てくれるお客さんには、ご自身の演技をどんなふうに楽しんでもらいたいですか。
鍵山 プログラムの受け取り方は人それぞれだと思うので、ぼくがやりたい表現が伝わってくれたらもちろんうれしいですけど、それ以外に、なんだろう……たとえば音楽を聴く人は歌詞にいろんな受け取り方があるように、ぼくの表現もいろんな見方や視点があるかもしれないので、そういうプログラムをもっとこなしたいのと、来シーズンもすごく難しいプログラムになっているので、もっともっと表現を理解して勉強していきたいなと思います。

―― 今シーズンいちばん印象に残っている試合は?
鍵山 四大陸と世界選手権は自分のなかで今シーズンすごく特別で、四大陸はショートとフリー、どっちもいいパフォーマンスができての優勝だったので、すごくうれしかったです。世界選手権もいい演技はできたと思うんですけど、本当にお客さんに救われた試合だったなと。(フリーの)後半のアクセルで転んですごいキツい場面だったんですけど、拍手とか声援を送ってくださって、そこから疲れとか一気に吹っ飛んで、そのあとできたので、すごく支えられた試合だったなと思います。


取材が終わると、着ていたジャージを脱いで、約束通りサインを入れてプレゼントし、Tシャツ姿で帰っていく鍵山選手でした。新シーズンの活躍に、ますます期待が高まるイベントとなりました。

            ※

2023-2024シーズンを締めくくる最新号の「ワールド・フィギュアスケート101号」では、鍵山優真選手が銀メダルを獲得したモントリオール世界選手権の大会レポートや単独インタビューを掲載しています。合わせてご覧ください。

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