「プリンスアイスワールド2024-2025 A NEW PROGRESS~BROADWAY ROCKS!」が4月27日、KOSÉ新横浜スケートセンターで開幕しました。昨シーズン、ミュージカルの名曲を氷上で展開し、大きな反響を呼んだ“ミュージカル・オン・アイス”の第2弾は「ロック」。初回公演後に、ゲストスケーターの宇野昌磨、高橋大輔、PIWチームキャプテンの小林宏一、ミュージカル俳優の石井一孝、はいだしょうこ、構成・演出の菅野こうめい氏が囲み取材に応じました。
45周年のプリンスアイスワールド
45周年を迎えたプリンスアイスワールド。今回のショーについて、高橋は「最初から最後までエネルギッシュだとすごく感じました。まだ全部は見られてはないんですが、すごく元気になれる印象がある。とくに、キッズスケーターが一緒に滑るところは、世界観も大事にしつつ、スケートを知らない方にも、技についてなどわかるようになっていて、すごく素晴らしいなって感じました」と感想を話した。この日初披露した自身の「Symmetry」については、「今回初めて村元哉中ちゃんとぼくの2人で振付をしてプログラムを作りました。ぼくはほとんど振付をしないので、結構レアです。お客さまに『すごく素敵でした』と言っていただけたので、一安心です」と安堵の表情を見せていた。
宇野は「ぼくも長くこのプリンスアイスワールドに出させていただいていて、毎年楽しみにしています。キャストのみなさんとスケーターのみなさんと年々仲良くなれているような感じがします。ゲストという立場ではありますけれども、みなさんが素晴らしいショーを作り上げて、ぼくも一緒に楽しむことができています」と感謝を述べた。この日滑ったプログラム「See You Again」については、「この演目はとても昔に作ったプログラムで、曲も好き。小さいときはエキシビションナンバーを作るのがレアで、張り切って作った思い出があります。そういう感傷にも浸りながら、いま26歳ですけれども、だいぶ年齢を重ねたうえで、また違った表現が出来るんじゃないかなっていう思いを込めて今回滑らせていただきました」と振り返った。
初回すごく緊張したというチームキャプテンの小林は「今年はロックということで、だいぶアップテンポの曲が増えて、なおかつお客様との一体感も滑っていて感じられた」と語り、「15年目なんですけど、初めてフィナーレで、お客さんも立ち上がって、みんなで踊れるような振付になっていて、すごく楽しかった」と笑顔を見せた。また「石井さんとはいださんの声が素晴らしくて。今回お2人のナンバーに出させていただきましたが、すごく楽しく滑れたし、1つ1つの声が聞き取りやすくて。ぼくはキッズナンバー(「You’re in The Band」)でしゃべっているんですけど、まあ何を言っているのか自分でもわからないなって。(小道具の)笛も見つからなかったり、セリフ飛んじゃったり。(笑)」と反省することしきり。そんな小林を菅野は「大ちゃんが言ってくれたんですけど、(このキッズナンバーは)一番ミュージカルらしいシーン」だと力づけていた。
石井一孝とはいだしょうこが、ライブでヴォーカルを披露
初回公演、ライブで歌を披露したのは、石井一孝とはいだしょうこ。「ボヘミアン・ラプソディ」を歌った石井は「去年ミュージカル俳優の友だちがいっぱい出ていてうらやましいと思っていた」ことを明かし、念願かなっての出演に、「スケーターのみなさんは滑りを演技と言ってくださるじゃないですか。同じ役者目線な気がして、スケーターのみなさまの熱い思いを間近で感じられて、一言で言ったら、感動しました!」と感無量の様子。
はいだしょうこは、「ヘアスプレー」からの2曲を披露。菅野とは、NHK『おかあさんといっしょ』の歌のお姉さんを卒業する際、さいたまスーパーアリーナでのコンサートを演出してもらったという大切な思い出があると語り、「いつか歌のお姉さんだけではなく、成長した自分でご一緒出来たらうれしいなと思っていたので、今回15年ぶりにお会いしてご一緒させていただけることになりました。隣にいてお顔を見るだけで安心できますし、絶対の信頼を置いているので心強いし、すごく幸せです」と満面の笑顔。
菅野こうめいは、「正直、ほっとしたというのが今の気持ちです。チームがよくやった。スケーターが心から叫びながら滑るショーを作りたかった。去年1年間の経験で、チームメンバーはとにかく自信を持って滑っている。リハーサルの初日から自信満々の顔でみんなが揃ったのを見ていて今年はやるなと思っていましたけど、その通りのショーができた。これから続きますけど、もっと育てていきながら最高のショーにしていきたい」と抱負を語った。
また、ミュージカル俳優の友だちの1 人だという石井について、「去年呼ばなかったのは、カズが声がでかいから。カズのでかい声に合う曲がなかった。だから、今年ロックをやると決めたときに、一番最初に決めたのがカズ。あの曲から決めた」と語り、はいだについては「しょうこちゃんは、歴代の歌のお姉さんの中で一番歌がうまい。今年は絶対に、と思っていた」と念願かなってのキャスティングだったことを明かした。
高橋大輔と小林宏一の好きなミュージカルは?
前回に続いて、テーマはミュージカル。スケーター3人には、「好きな作品やこれから滑ってみたい曲や演じてみたい役柄は?」、歌の2人には、「スケーターの滑りを間近で見て、興味をもった技やこんなことが出来たらいいなと思ったことは?」という質問が飛び出した。
宇野昌磨が「本当にぼくは勉強不足なので、何がクラシックで、何がロックで、どういうジャンル分けがされているか、J-POPとかもなんなのか知らなくて。わからないんです」と照れながら話すと、ジャンルがどうこうでなく、好きな曲は好きだと言うことだよね?と周りもフォロー。
高橋大輔は「ぼくはめちゃくちゃミュージカルが好きなのでいっぱいあって決められないんですけど」と悩みながらも、「フランス版の『ロミオとジュリエット』」を挙げた。「楽曲もすべて好き。ちょっとでもいいから一度出たいと思っているくらいすごく好きなミュージカルです。なかなか難しいんですけれども、スケートでも、1つのストーリーの世界観とかやってみたいなって思ったりすることもある」と打ち明けた。
高橋の言葉を受けて、小林宏一は「まさかのかぶりで、ぼくも『ロミオとジュリエット』。ロミオをやりたい。昨年一昨年とちょっと舞台を経験して、お芝居の世界に興味を持って、いろいろなミュージカルを見に行っているんです。自分が演じるっていうのがけっこう面白いなと思うので、機会があれば挑戦したい」と意欲的に語り、高橋、小林ともに今後が楽しみな発言。
そんな2人の話を聞いて、2年にわたって『ロミオとジュリエット』に出演していたという石井も「すごくロックっぽい曲が多い。躍動的で染み入る曲が多くて傑作ですよね」とうなずいた。石井はスケートについては、「小学6年か中1のころ、スケート場で1時間くらい練習したら滑れるような錯覚になって、いい調子で滑っていったら、転んで歯がぶらぶらになったという思い出があって。皆様の前で技はできないし、語れません」と子どものころの苦い経験を明かした。
いっぽう、はいだしょうこは「アイススケートがすごく好きで、生まれ変わったらスケートをしたいと思っています。氷の上の妖精とか女神とか素敵だなと思っています。(技は)4回転ジャンプを」と話すと、高橋に「すごくレベルが高い」と突っ込まれ、「できるように生まれ変わってきます」と宣言して、笑いを誘った。
プリンスアイスワールド横浜公演は、全公演に、荒川静香、宇野昌磨、田中刑事がゲスト出演。29日まで、高橋大輔&村元哉中、樋口新葉、山本草太、島田高志郎、中田璃士らが出演。5月3~5日は、鍵山優真、本田真凜、織田信成、三浦佳生、佐藤駿らが出演。