「楽しいっていうぼくたちの気持ちと皆さんの気持ちがリンクする瞬間を大切に」
―― 新横浜公演が終わっての率直な感想を。
宇野 いちばん緊張したのはアイスダンスの部分で、今まで経験していないジャンルだからこそ、いちばん練習をたくさんしたからこそ、いろんな思いが入ったりしました。 2人だからこそ力が入るのもあまり許してはいけない、息を合わせなければいけないっていうことで、いろんな感情が交差するなかの(「四季」のプログラム)初披露で、1つの乱れが危険を伴う技もけっこう挑戦していたので、いつも以上に緊張感を持っていた。まずはこうやって皆さんに無事最後まで披露することができたことをすごくうれしく思いましたし、1つひとつの技、スケーティングにお客さんが大きな驚きとか拍手をくださったこと、披露する場があること、すごく光栄に思いました。
ーー アイスダンスでいちばん苦労した点は?
宇野 いちばん最初の技はぼくたちは本当に最初苦戦して、一度氷上で2人とも頭から落ちてしまうという経験もしたぐらいだったんですけど、こうやって皆さんに披露できるものになったことにぼく自身もすごく感動しましたし、まずはすごく安心しました。ショーという場でこれだけの緊張感を持ってやるのって、なかなかいい経験だなと思いました。
ーー ショーを作るうえで大切にしたことは?
宇野 驚きと楽しいっていうぼくたちの気持ちと皆さんの気持ちがリンクする瞬間を設けるのがいいかなと思っていました。たとえば、マイケル・ジャクソン(のナンバー)とか、演目に出ていない人も(振りを)覚える練習風景がけっこう多くて、そういったみんながやりたいものをこうやってショーに落とし込むことが自分らしいと思いますし、競技の時も“楽しい”って思う気持ちが成長に繋がったり、いい結果に繋がりやすいという経験があったので。それから、ステファンもすごい大変なスケジュールのなか、来てくださったんですけど、昨日の夜もこの4公演のために、「Gravity」とか1つひとつの演目をすごく真剣に振りを覚えてくださるのを見て、短い期間ではありますけれども、すごく重きを置いてくれていることに、ぼくたちはすごくうれしく思いました。
―― 昨年の「Ice Brave」第1弾では、ランビエルさんが宇野さんに振付けた「Gravity」をランビエルさんが滑りましたが、今回は2人で一緒に滑りました。どういう感覚でしたか。
宇野 ステファンのタイミングが、ぼくがやってたのと違いすぎて、マジで。(笑)すごい違うから、頑張って合わせてました。昨日、一緒に時間を設けて練習したんですが、朝やったら違くて。「あれ?」って。ぼくは英語しゃべれないから、「スイッチ? なんかチェンジした?」って言ったんですけど、伝わらなくて。「OK、OK」って。様子見ながらやってました。(一同笑)
―― アイスダンスの振付はどなたが?
宇野 ジャン=ルック・ベイカーさん(アイスダンスの北京オリンピックアメリカ代表)に振付けてもらいました。そこに小松原美里さんに通訳兼アシスタントというかたちで振付けてもらったうえで、現地に入ってからちょっと(宮本)賢二先生にやってもらったりとか、ステファンがこう表現した方がよく見えるかもとか、振付をたくさんの人にしてもらいました。
ーー ベイカーさんにお願いした経緯は?
宇野 この「Ice Brave」の最後の場所で、もう1段階レベルを上げたぼくたちのアイスダンスをやりたい、できることを組み合わせていいものを作るのではなくて、できなくても自分たちがレベルアップするものを作ってほしいっていう思いで、今回作っていただきました。あとは海外の方に振付けてもらったときにどういうものが出来上がるのかっていうのも経験したかった。「Wild Side」に比べると、ぼくたちの得意なシングルの部分がより減って、アイスダンス要素が増えたと思うので、練習も大変で難しく思うところは多かったんですけれども、それだけの収穫はあったと思います。初めてのリフトの練習の時とかはすごく苦戦していて。できてみると、もっと難しかったっていう思いを伝えたくなるぐらい本当に最初できなかったんですけど、自分たちがアイスダンスを見せる者として成長できたなって、この1、2ヵ月を振り返って思います。競技後の感想みたいな感じで、もっとできるようにはなるかもしれないけれども、今日までの練習にまったく後悔がない、そんな気持ちです。
―― アイスダンスをショーでやるモチベーションはどこにあるのでしょうか。
宇野 ぼくははじめからできることってほぼなくて、できないことを1つひとつだんだんとできるようにして、それを組み合わせて世界一になれた。こうやってアイスダンスでできたこととか、「Ice Brave」のいろんな演目のなかでできた部分っていうのは、今後もぱっと出せるようになるんじゃないかなと思います。ぼくも(本田)真凜も、今後人生を歩んでいくなかで、できることはどんどん増やしておいた方がプラスに絶対なる。シングルスケーター2人のコラボではなくて、自分たちがアイスダンスとして認められるような演目、クオリティの高いものをどんどん目指さないとと思いますし、皆さんによりアイスダンスというものをお届けしたいというのがモチベーションになっていたかなと思います。
ーー 真凜さんはアイスダンスのパートナーとしてはいかがでしたか。
宇野 ぼくは他の方と組んだことがないので、特別真凜さんの個性を挙げられないんですけれども、ぼくは男性が全部基盤になると思うので、男性がまずできないことには、女性のスキルも生かせない。(アイスダンスの練習は)いちばんできない部分の練習だったと思うんですけど、そういう部分もしっかり乗り越えて、お見せできるものになって良かったなと思います。
宇野昌磨からオリンピック代表へのエール
―― オリンピックに向かう選手たちへのエールと、北京オリンピックから4年経ったことへの感慨を聞かせてください。
宇野 たしかに、4年、あっという間だったかな……昨日、「佐藤駿くんが出発しました」というメッセージを、先生たちから感謝の気持ちのメッセージをいただいて、もう出発したんだって。オリンピックは環境が違うし、本当に緊張する場だと思いますけど、日本人選手含め全スケーターがよりベストな演技をしたうえで、自分たちが失敗しても納得いく試合になってほしいなと思います。
ーー 今後の展望をお願いします。このスペシャルエディションで終わりだと思うんですけど。
宇野 今後の展望はですね、まず2月の頭に『遊戯王』の大会があります……(一同笑)。2月の末に『Apex』の大会があります。3月、4月もまだ未発表ですけど、ゲームの大会があります。以上になります。(一同笑)
ーー しばらくアイスショーは?
宇野 そうですね。しばらくというか、まあ、間違いなくショーをやりたいとは思ってるので、やる、やれる方向でいろんな準備とか、もう考えていきたいとは思っていますけど。あの、しっかり切り替えて、しっかり切り替えていく。(一同笑)
「Ice Brave 新横浜 Special Edition」は、2月1日まで公演。2月1日の千秋楽公演は、2月6~8日の3日間限定でアーカイブ配信が予定されている。


