東京・国立代々木競技場第一体育館で開催されている全日本選手権2025は12月19日、女子SPが行われ、5連覇を目指す坂本花織選手(シスメックス)が圧巻の演技で79.43点を出し、SP首位に立ちました。日本の観客の前で最後のSPとなる「Time To Say Goodbye」の“これぞ坂本花織”というパフォーマンスに、客席にはたくさんのひまわりの花(坂本選手が初めて制作したバナータオル)が咲きました。2位には、トリプルアクセルを降りて79.33点をマークし、坂本選手に0.1点差に迫る高得点となった島田麻央選手(木下グループ)。3位には、軽々とトリプルアクセルを決めたほか、「道」でいきいきと舞ってスタンディング・オベーションを巻き起こし77.50点となった中井亜美選手(TOKIOインカラミ)。
4位にはしっかりと自分の演技を届けた千葉百音選手(木下グループ)、5位にはジュニアながらトリプルアクセルを決めて73.20点の高得点を出した岡万佑子選手(木下アカデミー)。6位には気迫十分のトリプルアクセルで満場を沸かせた渡辺倫果選手(三和建装/法政大学)が入っています。上位選手たちの演技を写真とコメントで振り返ります。
坂本花織「こんなにもたくさんの人に見守ってもらいながら」(SP1位)

ファイナルではわざと緊張にもっていくのは間違いだったと気づいて、だったら緊張していようがなかろうが、今日はこういう自分なんだなというのを受け入れてやったら、気持ち的に負担がなくできるんじゃないかということで、今日はそこまでの緊張はなく、いいくらいにドキドキしてるなくらいで受け入れてやったので、よかったなと思いました。
試合中は曲が鳴ってしまえば自分に集中してできたという感じなんですが、終わってからは、リンクがいっぱいオレンジに染まっていたので、こんなにもたくさんの人に守られながら、見守ってもらいながら滑っていたんだなとすごく実感しました。0.1点差の首位、もう、コワ! でもこっちのほうが自分は燃えるんで、好きです。5連覇よりかはオリンピックを内定を決めたいってのが1番なので、そこを1番に考えてます。
島田麻央「YOSHIKIさんの『Miracle』を心を込めて演技したい」(SP2位)

こんなに点数が出ると思ってなかったので、ただただびっくりしたんですけど、笑顔でショートを終えることができたのがうれしいです。トリプルアクセルを入れたショートをあまり練習していなかったなかで、朝の練習ではルッツで転倒してしまっていたので、そこが不安があったので、ルッツを降りた瞬間に(先生だけでなく)自分も飛び跳ねたくなるようなうれしさでした。このうれしさで気が抜けてフリーであんまり、ということが多いので、1日空くので切り替えて、しっかり調整して、順位を気にせず、フリーも笑顔で終われるように頑張りたいです。YOSHIKIさんの「Miracle」を心を込めて演技したいなと思います。トリプルアクセルと4トウは、いまはやる予定なので、しっかり調整して試合で降りれるようにしたいです。
中井亜美「フリーは楽しんで最高の演技ができるように」(SP3位)

GPフランス大会がすごくよかった、そのときと同じような緊張感があったので、その流れで行けば絶対大丈夫と思っていたので、フランス大会のような演技ができてうれしいです。トリプルアクセルは今回、緊張をはねのけるためにもしっかり練習を積んできたので、そこは自信をもって跳びに行きましたし、いい出来のトリプルアクセルが跳べました。フリーは今日よりも緊張すると思うんですけど、しっかりと自分らしく滑るのが1番結果に響くのかなと思っているので、自分らしさをしっかり出して、トリプルアクセルの着氷やほかのジャンプも自信をもって跳びにいけば大丈夫だと思うので、明後日のフリーは楽しんで最高の演技ができるようにしたいです。
千葉百音「地は自分で固めるしかない」(SP4位)
ファイナルの後で、もちろん怖さもあったんですけど、ちゃんと自分のやるべきことは出せたかなと思います。(キス&クライの「雨降って地固まる」は)プレートをもらったときにこの言葉がぽんと降ってきて、これだ!と。結構みんな考えるのに時間かかったりするんですけど、30秒くらいで決まりました。地は自分で固めるしかないです。あの悔しい結果とかは、そのまま落ちていったらあのファイナルが何も糧にならないと思って、今後の自分のためにこの悔しい思い、結果は絶対にバネにして、成果につなげないといけないとという思いがあったので、そういう意味も込めました。
岡万佑子「トリプルアクセルを初めて挑戦して、着氷することができて、すごいうれしい」(SP5位)
まずはノーミスで終えれたことがすごいうれしいですし、トリプルアクセルを(ショートで)初めて挑戦して、着氷することができて、すごいうれしい気持ちと、ホッとしている気持ちです。まさか70点台に乗れるとも思っていなかったし、自己ベストは更新したいっていう思いがあったので、点数が出てすごいびっくりしました。自分も先生もルッツ+トウを決めたらトリプルアクセルを入れようと決めていました。(フリーは)まずはしっかり落ち着いて、ノーミスを目指して、楽しんで、悔いの残らない演技をしたいなと思います。(全日本は)最初から楽しいっていう思いが強かったのと、歓声とか、大きく拍手をくださったりしていたので、すごい楽しく滑ることができました。
渡辺倫果「トリプルアクセルとは夫婦仲円満にやらせてもらっています」(SP6位)
死にそうなくらい緊張したんですけど、もはや1周回って楽しくなってきちゃって。練習が120%だとしたら今回のショートは85、90%くらい出すことができたのかなと思いますし(島田麻央の得点を聞いて)えぐ! え、ジュニアやっけ? シニアやん? えぇと、まあまあ、よかったかなと思います。作戦通りといいますか、まだまだ伸びしろはありますけれども、しっかりいまできることはできたんじゃないかと。フリーはアクセル2本が重要になってきますが、アクセルとは夫婦仲というくらい仲良く、夫婦仲円満にやらせてもらっていますので、フリーまで喧嘩せずに仲良くやっていければいいかなと思います。(中井亜美のアクセルに)行け! 行ける行ける! うぉい!



